年齢や性別を問わず、広い世代に人気のサスペンス小説。長年読み継がれる不朽の名作から衝撃の展開を迎える話題作、手に汗握るハードボイルド作品まで、読んで後悔しない作品をご紹介します!

- 著者
- 逢坂 剛
- 出版日
- 2014-03-20
- 著者
- 服部 まゆみ
- 出版日
- 2014-11-21
- 著者
- 我孫子 武丸
- 出版日
- 1996-11-14
- 著者
- 乙一
- 出版日
- 著者
- 伊坂 幸太郎
- 出版日
- 2010-11-26
解剖実習中に、遺体の腹から一本のチューブが見つかります。その中には、園部教授を脅迫する謎の四行詩が入っていました。悪質ないたずらか……教授の助手である千紗都は調査を始めます。
第二の脅迫文が標本室で発見され、さらに第一の脅迫文を仕掛けたのは19年前に死んだ医師であることが分かりました。19年前に死んだ人が仕掛けたチューブが園田教授の前に現れるなんて偶然はあり得るのだろうか、と千紗都を悩ませます。
脅迫がきっかけであったかのように、次々と起こる怪奇な事件。死人の怨念を感じる一連の事件の真相とは?
- 著者
- 麻見 和史
- 出版日
- 2012-05-30
少しグロテスクな描写もありますが、作品の世界観にピッタリと合っているので、全体から見ると心地よいアクセントです。遺体から怨念めいたメッセージが出てくるという導入はホラーっぽくもあり、人間の執念と犯罪を絡めたストーリーは江戸川乱歩の怪奇作品を感じさせます。
大きな謎を提示した作品はたくさんありますが、本作にはリアルな不可解さがあります。ギリギリ起こってもおかしくないホラー現象……世界観がクセになる一冊です。
主人公は、定年間近で妻に浮気がバレてしまい、リストラにもあってしまった中里です。妻と子と別れ、父親の残した軽井沢にある家に移り住んだ中里は、ある老人に出会います。
中里はその老人のことを「老猿」と呼びました。老猿は中国人の愛人と共に生活していたのです。
- 著者
- 藤田 宜永
- 出版日
- 2013-06-14
藤田宜永得意の、恋愛小説と推理小説が融合した本作。内容は、軽井沢という狭い世界の中で行われる、男女3人の奇妙な物語です。
老猿はなぜこのような生活をしているのか、春恋という女性は何者なのか、という部分が大きな謎になっています。そして一緒に生活しているうちに、それぞれの人生がなんとなく明らかになっていくのです。
それは例えば、老猿が昔パリで過ごしていたことなどを挙げていく場面。意外と感じるも、納得してしまうことでしょう。また、春恋の活発で明るい雰囲気は、徐々にかわいらしいものとして感じてくること間違いなしです。
そして、3人の関係は、徐々に変化していきます。60歳の主人公と、70歳近くの老猿が色恋沙汰を生み出していくところに、大人の恋は年齢を気にしないものなのだと感じられることでしょう。
また、パリの話やマフィアが出てくるところなど、国際色豊かでどこかお洒落な雰囲気も藤田宣永ならではの感覚であり、この作品の見どころであるといえるでしょう。実際に軽井沢に住んでいる藤田だからこそ書ける、軽井沢の自然豊かな光景にも注目したいですね。
そして、登場人物3人がそれぞれ描く人生と、彼らの人生が交差していき主人公の「冒険」が始まる、という部分がとてもうまく表現された1作です。
薬物中毒が原因で死亡した疑いのある女子高校生の遺体が、監察医務院に運ばれてきました。遺体を検査した結果、肺から未知の黒い胞子が見つかります。
その胞子の正体がつかめぬまま一年が過ぎたころ、ある大学生が口から黒い粉を吹き、突然死する事件が発生。それを皮切りに同様の死亡事件が多発。その黒い粉とは1年前に発見された黒い胞子でした。感染者が激増する中、人類存続をかけ専門化たちが動きだします。
- 著者
- 山田 宗樹
- 出版日
感染が拡大する病に対し、対策が打てないという焦燥感と無力感、恐怖が入り混じるホラー感がじわりじわりと感じられます。謎の胞子がどのように体を蝕み死に至らしめるのか、そんな事を想像しながら読み進めるとより一層の臨場感が味わえる1作です。
こういったパンデミックをテーマにした小説や映画は今までも多くありますが、山田宗樹の場合はその表現に拍車がかかって描かれており、一味違った恐怖を感じれます。作品の季節と同じ、春が過ぎた頃に読み始めるとさらに物語の世界に引きこまれること請け合いです。
45歳の専業主婦野島典子は、中学生の娘美咲が心を開いてくれないことに悩みを抱えていました。ある日突然そんな彼女の元に、中学時代の交換日記が送られてきます。差出人がわからず訝しく思いながらも、少女時代を懐かしんでいた典子の耳に、交換日記のメンバーだった長谷川淳子が殺されたニュースが飛び込んでくるのでした。
そのニュースを機に、かつての交換日記メンバーがつながりはじめます。孫までもうけながら、夫のモラルハラスメントに苦しむ等々力久美子や、シングルマザーの道を選び、幼子を抱える藍川明美です。
45歳のいま、彼女達はそれぞれの人生を振り返り、そして次の一歩を踏み出していきます。
- 著者
- 新津 きよみ
- 出版日
- 2010-02-09
差出人不明のかつての交換日記、そしてメンバーが殺されるという、サスペンスタッチのはじまりですが、その謎を解くことはこの作品の本質ではありません。女性たちが、いまの自分を、そして少女時代の自分を見つめなおす物語です。
娘・美咲の友人関係を無邪気に詮索する典子は、傷をえぐられて激昂する美咲の様子にようやく自らの無神経さに気が付きます。引っ込みがつかず、高圧的に美咲をいさめることで威厳を保とうとする典子。しかし、少女時代の自分も、微妙なバランスの上に友人関係が成り立っていたことを思い返すのです。
「ママは友達いるの?」という美咲の言葉に、ひやりとする読者も多いことでしょう。自分の求められる役割をこなす毎日の中で、いつしか「友達」という存在が遠くなっている自分に気づかされます。
彼女達が抱える問題はある程度人生経験を積んだ女性なら誰しも、多かれ少なかれ身近に感じるはず。登場人物たちのやりとりはあまりにも生々しく、彼女達の苦しみは痛々しく、時に気が滅入るほどです。
主人公の沢井美沙子は子宮頸がんにより、子宮を摘出することに。そんな娘を心配した50代の母親が、自分が代理出産をすると言い出します。海外での代理出産は、金銭的に不可能だと諦めていた美沙子にとって、母の申し出は一筋の光明をでした。
夫の昭をはじめ家族はみな慎重な態度でしたが、代理出産を手掛けている産婦人科クリニックでの健康診断でも問題がなかったことから、代理出産に踏み切ります。しかし結局、うまくはいきませんでした。
悩みに悩んだ末、美沙子は2人の子供を持つ義理の妹に代理出産を頼むことにしました。しかし、義理の妹は検査の結果、代理出産はできないことが判明します。
医師から金銭的負担の少ないインドでの代理出産を提案された美沙子と昭。2人はインドである少女と出会います。それをきっかけに夫婦で話し合い、代理出産はしないことに決めました。
しかし、帰国して暫くした頃に、クリニックの女医からある提案があり、美沙子は子供を授かることになります。その後、子供を授かったことによって、一生背負っていかなければいけない複雑な事態が起きてしまいます。
- 著者
- 仙川 環
- 出版日
- 2010-12-03
ずっと子供を望んでいた美沙。結局子供を授かることはできましたが、代理出産をしてくれた女医の身にあることが起こります。美沙子は重い責任と後悔に心が押しつぶされそうになります。しかし母の助けもありなんとか子育てが始まりました。
どうにも心に消化しきれない思いがあるために、赤ちゃんとまともに向き合うことができない美沙子。そんなとき、どうにも苦しくなり、思わず死を望んでしまいます。しかしその時、自分の腕の中で必死に何かを訴えるように泣く我が子と初めて正面から向き合い、母としての自分の存在意義に気付くことに。「我が子を守れるのは自分しかいない」と思えたときの美沙子の母親としての強さが見事に描かれています。
小説の中では「命の贈り物」という言葉が出てきますが、代理出産ではなくても子供を授かることは「命の贈り物」なのではないでしょうか。感動と同時に深く考えさせられる作品でした。
仁菜は大学時代の同級生・照の姉・直子から「照の様子を見てきてほしい」という電話を受けます。様子を見に行った仁菜はパソコンの前で涙を流している照の姿を目にします。
照は「サンド・ランド」というオンラインゲーム上の恋人・ラミーチがアカウントごと消えたのはマーダーによるものだと言い、マーダーを殺すことを決意。仁菜はゲームに興味をもち、ゲームを始めます。
- 著者
- 二宮 敦人
- 出版日
- 2013-11-22
この物語は、オンラインゲーム内での「マーダー」と呼ばれるプレーヤーによるアカウント殺し、そして「顔無し」による現実での殺人事件の謎を解いていくというストーリーです。二つの謎は犯行の手口が似ており、仁菜はマーダーと「顔無し」が同一人物ではないかと考えます。
本作の最大の魅力は、仁菜と共にマーダーや「顔無し」の正体を追っている気分になり、ハラハラドキドキすることでしょう。また、直子が照を心配するシーンでは兄弟愛を感じ、思わず涙が出てきてしまいます。
どの作品も巧妙な伏線が用意されており、すべてが繋がったとき、あなたに驚きと感動をもたらすこと間違いなしです。最後までお読みいただき、ありがとうございました!