授業を先取り?傑作を楽しむ習慣形成にも◎!
早ければ中学、遅くとも高校生になれば授業で取り上げられる、夏目漱石の代表作『こころ』。教養として知っておくべき書籍でもあるので、少し背伸びをしたい子どもにとってはぴったりな作品です。
- 著者
- 夏目 漱石
- 出版日
『こころ』の構成は全部で3つに分かれており、授業に登場するのはラストにあたる部分でしょう。先生の謎が明かされ、彼とKの女性を巡る確執が描かれる、あの部分です。この部分はたしかに一番盛り上がるところではあります。ただこれだけでは、本作の良さをうまく知ることができず、実際になにがいいのか分からないと思った方も多いのではないでしょうか。
本作は全部通しで読んでこそ面白さが増し、理解が深まるのです。小説を途中からではなく初めから読めば、先生がどういう人物で、過去をどう考え、「今」に至っているのかがわかります。さらに、過去の謎を解き明かすミステリーのような構想も楽しむことができますよ。学校で習うよりも前に、初めから終わりまで通しで読むことをおすすめしてはどうでしょうか。
中学生から一流の思考力を鍛えよう!
ロシアの文豪ドストエフスキーの代表作ともいえる『罪と罰』。書かれたのは1866年ですが、いまでも多くの翻訳版が出版され、本屋でも必ず目にするのではないでしょうか。本作は全部で3巻構成であり、合わせて900ページ以上はあるという大変長い小説です。中学生という時間がある時にこそ、読んでおいて損はない本です。
- 著者
- ドストエフスキー
- 出版日
- 1999-11-16
物語の主人公は、ラスコーリニコフという名の青年。彼は貧困のために大学を除籍になり、家賃も払えない生活をしていました。そんな彼は、ある正義感から悪名高い高利貸しである老婆を殺害します。その際、割って入った老婆の義妹までも勢いで殺してしまうのです。長いストーリーの中で後悔と悪夢にさいなまれ続けたラスコーリニコフは、最終的に自首をします。
罪を犯した人間の心情を恐ろしいほどリアルにとらえ、その上で正義とは罪とはなにかを考えさせる本作。少し難しいかもしれませんが、中学生時代から、このような大切なテーマを考える時間を持ってみるのもいいかもしれませんね。
世界に向けた好奇心を育てられる!
著者自身の旅行体験に基づいてかかれた紀行小説『深夜特急』。出発点インド・デリーから終着点イギリス・ロンドンまでを、バスだけを利用して一人旅に飛び出した「私」の物語です。バックパッカーたちの間ではバイブルとまでいわれ、80〜90年代における個人旅行流行の一端を担ったともされる本書。書かれた時期も古く、個人の体験記であるゆえにガイドブックとはなりませんが、70年代の交通、宿泊事情を知るための資料となることでしょう。
- 著者
- 沢木 耕太郎
- 出版日
- 1994-03-30
とにかく広い世界を旅しながら、様々な人や事件に巻き込まれていく道中は、どうあがいても知的好奇心を刺激してくれます。本書に書かれている旅行は、お行儀のいい海外旅行でも、目的を追うだけの短期間旅行でもありません。もっと長く自由な放浪の旅が、雄大に描かれているのです。大きな世界に興味を持つきっかけとして、これ以上の本はないのではないでしょうか。子どもの好奇心が大きく育つ1冊となるでしょう。