本格的なミステリーもいいけれど、もっと気軽にミステリーを楽しみたい。そんな人におすすめのラノベミステリーです。ラノベといえど、謎はしっかりあります。あなたはこの謎解けますか?

ミステリーと言えば、探偵が現場に赴き、関係者の話を聞いて、証拠を集め推理する。それが定番ですが、この物語はちょっと趣が違います。
- 著者
- 茅田 砂胡
- 出版日
骨や遺体を中心に進んでいく物語と言えば、監察医や鑑識などの医療系、科学系の物語のようにも思えますが、これは、そういったミステリとはちょっと違います。しかしグロテスクな物語でもありません。
- 著者
- 太田 紫織
- 出版日
- 2013-02-23
いわゆるアンチミステリーの形式を取った作品になっています。ここで、アンチミステリーとは何かを定義しますと、「推理小説でありながら、推理小説を否定する形式を取った作品」を表しています。本書もこのアンチミステリーの形式を取った、大胆なライトノベルです。
- 著者
- 村田 治
- 出版日
さて、本書はとある高校にある部活動、「犯罪研究部」略して「はんけん」の部長であり名探偵である譲羽恋深が、凡人である主人公八ヶ岳理人と共に謎に挑んでいく作品です。
ある日、ミステリ研究会からミステリ小説の後半部分を探してほしい、という依頼が入るところから物語は始まります。そして、簡単であるはずの依頼がどんどん思わぬ謎へと展開していって……というのが大まかなストーリーです。
本書で特徴的なのは、やはり独特な会話劇です。ギャグを含めた会話劇は非常に楽しく読むことが出来ます。特に恋深のぼけに対する理人のつっこみは非常に冴え渡っており読者を飽きさせません。
しかし主人公の彼、理人にもある秘密があります。彼は人の感情がわからないため、偽善を繰り返す人間なのです。そんな理人にたいして恋深がどのように対い応していくのか、そこも見所の一つになっているんですね。こんな風にキャラクターに一筋縄ではいかない魅力があるのも、注目すべきポイントのひとつです。
さて、肝心のミステリー部分はどうなっているのでしょうか?ここが一番のポイントなのですが、恋深は事件が起こった時点で犯人が分かりきっているのです。そこから動機などの枝葉末節な部分を補ってき最終的な推理とする、という構成になっています。だからこそ、タイトルである『名探偵は推理しない』に繋がっていくのです。
推理しない探偵と感情の分からない相棒。二人の推理劇はどのように展開していくののでしょうか?そこはぜひ、本書を読んで確かめてください。
さて、これを読んだあなたは完璧な犯罪とは一体なんだと思うのでしょうか?
失恋をテーマに推理を重ねていく作品です。
ひょんなことからミステリ研究会に入部することになってしまった主人公、野々村九十九はそこで黒髪の美少女、千代田百瀬に出会います。
二人で活動していくうちに噂になっていく「失恋探偵」でしたが、今日もそれぞれに失恋の悩みを抱える依頼人たちが二人の元を訪れてきます。果たして「失恋探偵」は恋の悩みを解決できるのでしょうか?
- 著者
- 岬鷺宮
- 出版日
- 2013-04-10
本書は失恋をテーマにしているだけあって、青春の中に瑞々しい感性が光るシーンが非常に多くなっています。失恋という側面から、高校生の感情を非常に的確に描写していますね。
肝心のミステリ要素がどうなっているかというと、百瀬は探偵活動においてプロ顔負けの仕事をしています。張り込み、聞き込みetc、一流の探偵の如く仕事をこなしていくのです。百瀬は実直に仕事をこなしていきますが、これほどしっかりと探偵業務が描写されたミステリ作品は少ないのではないでしょうか?
さて今回の作品のキャラクター造形はどうなのでしょうか。まず、百瀬が依頼に対して非常にドライな態度を取っているのに対して、九十九は依頼に対して感情的になりすぎてしまいます。この百瀬の態度は「恋はいつか終わるもの」言い切る姿勢にも現れていますね。
一方でどうしても感情を切り離せない九十九はどのように謎に向き合っていくのか、その点にも注目していただきたいです。
二人を対照的に描いているため物語や会話に起伏が生まれ、読者を飽きさせません。主人公たちをはじめ、多くのキャラクターの個性が非常に際立っています。そのため、いわゆるキャラ萌えを求める人にも自信を持っておすすめできる作品です。
電撃文庫の新人賞に輝いた作品だけあって、その実力は確かなもの。ぜひご一読していただければと思います。
『変態王子と笑わない猫。』の作者さがら総による群像劇です。「主観のすれ違い」をメインテーマに掲げた本作では、登場人物のそれぞれの主観で見た物語が徐々に重ね合わせられ、謎が明らかにされていきます。コメディタッチのミステリーが楽しめますよ。
- 著者
- さがら 総
- 出版日
- 2015-04-17
現役女子高生ラノベ作家である「常盤桃香」が、自分の次回作「宇宙人と吸血鬼が静かに暮らす話」を担当に没にされてしまう場面から物語が始まります。女子高生でありながら作家であるという特別な存在であるがゆえに、学校では浮いた存在だった桃香は、次回作を書けないことで小説家としても失格だと感じ、学校にも居場所がなく、次第に思い悩んでいきます。そんなあるとき、彼女は旧校舎の屋上で吸血鬼の幼女「シギショアラ」と出会うのです。自分のことを吸血鬼(ノスフェラトゥ)と名乗る少女との出会いは、孤独な桃香にどんな影響を与えるのでしょうか……。
このように、ちょっと寂しげなスタートを切る本作。しかしここまでは桃香の視点で描かれたストーリーであり、別の登場人物の視点に切り替わることで物語の様相がガラッと変わっていくのです。メインテーマともなっている主観の違いによって表現される面白さや、意外性は他では得られない感覚になることでしょう。まさに作者さがら総の腕の冴えといえます。
別の視点にすることで見えてくる、同一人物のギャップに笑い転げられるこの物語は、登場人物の3人と、もう1人の登場人物によって紡がれるラストシーンへと向かいます。3人の主観が合流するその最終回は、決して単純な結末ではありません。ぜひその結末を、本作で楽しんでくださいね。
日を追うごとに、彼女に寄せる好意が大きくなる隠館厄介。だけど、会うたびに発せられる言葉は「はじめまして」。少しも進展しない二人のラブストーリーも、この作品の見所の一つです。
- 著者
- 西尾 維新
- 出版日
- 2014-10-15
幼い頃から知っている大好きな執事・鳳 が自分のものになると思っていた花穎でしたが、自分の執事になったのは、見たこともない若い男でした。また、衣更月も自分の理想を押し付けてしまいがち。お互いの理想を押し付け合い、ぶつかり合いながら、ゆっくりと歩み寄る新米主と新米質人が変わった事件に遭遇する物語です。
- 著者
- 高里 椎奈
- 出版日
- 2014-03-25
青年の持ち込む些細な謎や、二人が遭遇してしまう事件を美しいバリスタは、コーヒー豆をコリコリと挽きながら解決へと導きます。本を読みながら、今にも漂ってきそうな香ばしいコーヒーの香りに至福のひとときが得られます。
- 著者
- 岡崎 琢磨
- 出版日
- 2012-08-04
架空の推理ゲームを主題にしたオンラインゲームが舞台の作品です。
- 著者
- 明月 千里
- 出版日
- 2009-12-15
ある日主人公、都築初のクラスに車椅子に乗った美少女が転入してきました。彼女の名前は月見月理解。彼女は推理ゲーム≪探偵殺人ゲーム≫の超一流のプレイヤーであると同時に月見月財閥の探偵でもあったのです。そんな彼女に勝負を挑まれた初は、理解と共に推理ゲームに挑んでいきます。
主人公である初はオンラインゲーム≪探偵殺人ゲーム≫で唯一、理解に勝利したプレイヤーでした。そのことから理解に興味を持たれてしまうのですが、この理解は壊滅的な性格をしていました。
いきなり主人公にディープキスをするわ、言動は傲慢だわと、滅茶苦茶なキャラクターです。しかし、理解のそのやりすぎなくらいのキャラ設定が、作品にある種の斬新さを出しているのは否定できないでしょう。
さて、主題となる≪探偵殺人ゲーム≫ですが、これは「人狼」をイメージするとわかりやすいかもしれません。≪探偵殺人ゲーム≫は、三日間のうちに死亡せずに、アイテムを使用しながら、そして多数決で決定される監禁を駆使して殺人鬼を殺して生き残るゲームです。
このゲームはなかなかルールが複雑になっています。そのため、序盤はページを戻りながら読み進めていくことになりそうですが、わかりやすい文体で執筆されているので、読み進めていくうちにゲームのルールは自然と把握できるでしょう。
さて、再びキャラクターの話に戻りますが、実は主人公である初にもある秘密があります。詳細については終盤の展開に関わってくることなので、ここでは書きませんが、この秘密によって読者は終盤に驚かされることになるのです。
『ライアーゲーム』や『嘘喰い』のような騙し合いの心理戦が好きな読者様には、本当におすすめできる作品です。その真相はぜひ本書を手にとって確かめてください。
「探偵・日暮旅人」シリーズは、視覚以外の感覚を失った代償に、人に見えないモノが見えるようになった探偵が主人公のシリーズ作品です。
- 著者
- 山口 幸三郎
- 出版日
- 2010-09-25
保育士の山川陽子、そして探偵である日暮旅人、桃代灯衣の三人の登場人物を主軸に物語は展開していきます。ある日、陽子は保護者の迎えが遅い灯衣を自宅まで送り届けますが、そこにいた父親は視覚以外の感覚を全て失った探偵、旅人でした。
なぜか名字の違う二人に興味を引かれた陽子は、二人と触れ合ううちに旅人の能力に気がつきます。旅人は目に見えないモノを視ることができるといいますが、果たしてそれがどのように謎の解決に繋がっていくのでしょうか?
旅人は困っている人を放っておけない性格で、時には自分の命を犠牲にしてまで他人の役に立とうとします。また、旅人はお金に執着しないので、探偵モノにありがちな依頼料に関するドロドロしたやりとりもありません。非常にハートフルな作品に仕上がっているので安心して読むことが出来そうですね。
また、旅人と陽子の恋愛模様にも注目です。旅人は前述の通り、困っている人を放っておけない優しい性格です。そんな旅人に徐々に惹かれていく陽子。二人の恋がどのように進展していくのかにも、注目しながら読んでいただければと思います。
さて、そんな風に穏やかに物語が展開していくばかりかと思えば、それが一筋縄ではいかないのがこの作品の面白いところ。旅人と灯衣の名字は違うし、終盤には怪しげな刑事が旅人たちに接近してきたり、シリアス要素も満点です。
本書はシリーズ作品ですので、第一巻である『探偵 日暮旅人の探し物』では謎の全ては解き明かされません。本シリーズは、読み進めるごとに徐々に全体の謎が明らかになっていく構成になっています。
旅人たちの秘密とはなんなのか。なぜ、旅人の能力は発現したのか。それらの謎に惹かれながらシリーズを読み進めていくことが出来そうです。
気になった方はぜひシリーズを通してお読みください。きっと全巻一気読みしてしまいますよ。
人の死なないミステリ、いわゆる日常の謎を解き明かしていく作品です。
主人公、牧村ひかげはとある事情から生徒数8000人の超マンモス高校「白樹台学園」に編入します。白樹台学園の運営資金はなんと8億円!この予算はなんとわずか3人の生徒会総務執行部によって取り仕切られていたのです。
生徒会長の天王寺孤徹、副会長・竹内美園 、8億円の予算を差配する、会計・聖橋キリカ。これだけでもびっくりな総務執行部ですが、キリカには会計の他にもう一つの役職、探偵があったのです。
- 著者
- 杉井 光
- 出版日
- 2011-12-02
この作品の特徴は、非常にハイテンションでテンポ良く繰り広げられる、ひかげたちの掛け合いにあります。ミステリーでありながら、お話がまったく暗くならないので楽しく読み進めていくことが出来そうですね。
まるでコントを見ているかのような会話劇が繰り広げられ、ひかげのつっこみも抜群に冴え渡っているので読んでいて飽きることがありません。
さて、本作の主人公、牧村ひかげは単純なつっこみ役ではありません。彼にはある能力が備わっています。周囲の人間たちは彼の能力を「詐欺師」と呼びますが、それが果たしてどんな能力なのか、具体的には本書を読んでからのお楽しみ。
彼がただの狂言回しでは無い、という点は注目に値するポイントでしょう。
そのように、主人公のキャラクターが立っている点も魅力のひとつですが、本作では周囲の人間たちも金の亡者だったり、変態だったり、腹黒だったりと、全てのキャラが風変わりに描かれています。
そのため、個性豊かな面白いキャラクター達の会話するシーンが読みたい人、ありがちなキャラクター造形には飽き飽きしている人にはおすすめできる作品です。
そして、物語のラストには主人公の能力による驚愕の展開が待っています。 人の死なない、ハイテンションラブコメミステリー、『生徒会探偵キリカ』。あなたも爆笑と謎の渦につつまれましょう!