等身大の今、登場人物とリンクして冒険に出ませんか?もしくは、あの頃の自分と重ねて懐かしい想いを呼び起こしてみませんか?今回は大人が読み返しても楽しい中学生向きのおすすめ小説をご紹介いたします。

- 著者
- 宮部 みゆき
- 出版日
- 1993-09-29
- 著者
- 乙一
- 出版日
- 2005-06-25
- 著者
- 貴志 祐介
- 出版日
- 2002-10-25
- 著者
- 赤川 次郎
- 出版日
- 著者
- 米澤 穂信
- 出版日
- 2001-10-31
- 著者
- 湊 かなえ
- 出版日
- 2010-04-08
綾辻行人の「館」シリーズの第一作目をご紹介します。叙述トリックを駆使していますが、叙述トリックを使うがために発生しやすい違和感のようなものがほとんどなく、最後の最後まで犯人を当てることが非常に難しい作品です。
- 著者
- 綾辻 行人
- 出版日
- 2007-10-16
大学の推理小説研究会のメンバーが無人の孤島を訪れ、半年前に殺人事件があった十角館で一週間を過ごすことになります。一方、本土では研究会のメンバー宛に怪文書が届けられており……。
推理小説研究会のメンバーが著名な推理作家の名前をニックネームとして呼ばれていることや、島と本土のそれぞれの話がうまく絡み合っており、終盤での一行で衝撃を受けることは間違いありません。
王道ミステリーでありながら、前に挙げた4作品に通じる綾辻行人独特の雰囲気がしっかり漂っており、続く9作品も読まずにはいられません。なお、2012年に出版された『奇面館の殺人』で、館シリーズは残念ながら完結するとされています。この『十角館の殺人』を読んだ後、続く9作品もゆっくり楽しんでみてはいかがでしょうか?
また、本作品の推理小説研究会メンバー7人のニックネームである推理小説家の作品を順に読んでみるのもおもしろいかもしれません。
1980年に発表された推理小説。若干12歳でありながら、IQ208の天才少年囲碁棋士の牧場智久と大脳生理学者の須藤信一郎のコンビによるミステリーシリーズの第一作です。
囲碁のタイトル戦で行われた棋士同士の殺人事件に巻き込まれながら謎を解いていく、という趣向を持っています。この『囲碁殺人事件』を含む「ゲーム三部作」には他に『将棋殺人事件』『トランプ殺人事件』があり、短編には「チェス殺人事件」があります。
- 著者
- 竹本 健治
- 出版日
- 2017-02-15
これらの「ゲーム三部作」は「囲碁」「将棋」「トランプ」といったプロの選手が存在します。プロフェッショナルとアマチュアが存在するゲームの世界を扱いながら、その狭い世界で作られる人間関係が重要なテーマです。
そこにはそれぞれのゲームの持つ「密室性」が、ミステリー小説自体を客観性を持たせるという、他に類のない構成をしています。「囲碁」のもつ陣地を拡大していくゲームの形式が、人間の心理と類似していく過程が魅力です。また、小説の中に出てくる「鬼」などのオカルト的趣向が、ミステリー小説を読む楽しみにつながります。
探偵の天才少年と助手の脳生理学者のコンビや、天才少年の姉の存在など、キャラクターづくりにも余念がありません。「竹本健治入門編」として持って来いの作品です。
主人公、理帆子は他人から距離を置き、周りの人を“スコシ・ナントカ”と分析する遊びをする高校生です。例えば友人たちを“スコシ・ファインディング”や“スコシ・フリー”と、元恋人を“スコシ・フコウ”などと考えています。また自分自身を“スコシ・不在”とし、息苦しさを感じている中、とある青年と出会うことで、彼女の世界は変わり始めます。
- 著者
- 辻村 深月
- 出版日
- 2008-11-14
正直、彼女は読んでいて気持ちのいい人間ではありません。しかしその他人に対する、自分自身に対する彼女の鋭い眼差しはどこか共感できてしまい、読んでいるうちに分かる分かると頷いてしまいました。
そんな誰しもが持ちながら、なかなか直視できない冷たさを抱えた彼女ですが、人と出会い、また事件に巻き込まれていくことで、日常が変化していきます。そして平穏は次々と壊れていき、彼女は茫然と立ち尽くしてしまいます。その中で自身の本心に気付き、優しく照らされるのです。
ラストシーンはあまりにも素敵すぎて、涙が止まりませんでした。何度も何度も読み返しては泣いてしまう、お気に入りの一作です。
廃部寸前の吹奏楽部でフルート奏者をする穂村チカは顧問の草壁先生に恋をする高校生です。そして彼を“吹奏楽の甲子園“と呼ばれる普門館に連れていくため、旧友の上条ハルタとともに部員集めに走ります。
- 著者
- 初野 晴
- 出版日
- 2010-07-24
吹奏楽部を中心に穂村と上条が日常の謎に挑んでいく連作短編集です。科学部から盗まれた劇薬の行方、全ての面が白いルービックキューブ、演劇部との即興劇に色彩辞典にもない色の絵画など、魅力的な謎に巻き込まれていきます。そしてそれらの謎は関わっている人物たちの思いと重なっており、解決とともに謎も彼らの気持ちも大きく変えていくのです。
中でも表題作である「退出ゲーム」はシチュエーションが面白く、また浮かび上がる心情は感動的で、ほろりと涙がこぼれる作品です。
学園ミステリーと落語ミステリーが融合した、大倉崇裕の人気シリーズ。落語に関する事件を2編収録しています。落語のうんちくも満載で送る連作集です。
廃部の危機にある、オチケンこと落語研究会に半ば無理矢理入部させられることになった大学生の越智健一は落語には関心がありませんでしたが、落語の天才・岸と爽やかながら武術の達人・中村という個性の強い2人の先輩に振り回される毎日を送っていました。さらに、部室の争奪に関わる陰謀にも巻き込まれていくことになります。
- 著者
- 大倉 崇裕
- 出版日
- 2011-11-17
収録作は、誰もいないはずの部屋に落語の「寿限無」が流れるという、不可思議な状況に隠された真相を巡る「幽霊寿限無」。そして、大学内でも権力を持つ馬術部のスキャンダルにまつわる事件「馬術部の醜聞」。キャンパス内で巻き起こる奇妙な事件を中心に、物語が展開していきます。
元々は中高生をターゲットにして発表された作品のため、殺人の起こらないライトなミステリーとなっています。どちらかといえばほのぼのとした作風で、ストーリーのテンポも比較的ゆっくりとしているので、登場人物の個性や落語に絡んだ謎解きをじっくりと咀嚼することができます。もちろん落語の豆知識もきちんと掲載されているので、今回も初心者に安心の内容です。
部員が3人を切ると強制的に廃部になってしまうため、「オチケン」という名前を理由に連れて来られた健一。2人の先輩のおかげで授業にもろくに出られず、しぶしぶ事件解決に乗り出します。彼のキャンパスライフはいかに?著者による落語解説も収められており、隅々まで楽しめる1冊です。
天才数学者でありながら高校の数学教師をし、不遇な生活をしている石神。彼は娘と暮らしている隣人の靖子の殺人に気づき、彼女らを救うべく、完全犯罪を計画します。
- 著者
- 東野 圭吾
- 出版日
- 2008-08-05
主人公は物理学者の湯川学です。本シリーズの探偵役であり、石神と親睦が深い人物です。彼の頭脳によって作り上げられていく推理は想像のわずか先にあるもので、真相が明かされた時には鳥肌が立ちました。
また浮かび上がってくる石神の思いはあまりにも悲痛で、胸が締め付けられます。さらに友人である湯川は早い段階で、真相と石神の気持ちに気付いており、そんな中での行動はあまりにも切なく、読み返しては涙が溢れてしまいました。
彼の慟哭は映画でも有名なシーンですが、映画ではカットされていたりする部分もあるため、ぜひ原作もお楽しみください。
蛍川鉄道の藤乃沢駅では、霊が出たとの噂があり、日常的にトラブルが発生していました。
料理が得意な鉄道員の主人公・夏目壮太は、どんな緊急事態が起きても冷静。藤乃沢駅の同僚たちと協力しながら、蛍川鉄道で起こるトラブルを解決していきます。
- 著者
- 二宮 敦人
- 出版日
- 2015-05-13
第三章では、大雪により電車の運行が厳しく運転見合わせという事態が起きるシーンがあります。一本の電車が藤乃沢駅と一つ前の駅の間で身動きが取れなくなってしまうのですが、藤乃沢駅員総出で救援が向かって行くのです。
また、このシーンでは、ホームで列車の復帰を待つ乗客も、力を合わせて除雪をするのです。人は、誰かの為に一生懸命になれるんですね。心が温まる作品になっていますので、是非読んでみてください。