村上春樹は、ノーベル賞が発表されると必ずと言って良いほどノーベル文学賞の候補に話題が挙がる、世界的作家です。今回は春樹の短編、エッセイのおすすめをご紹介したいと思います。

- 著者
- ["村上 春樹", "佐々木 マキ"]
- 出版日
- 2008-01-16
- 著者
- ["村上 春樹", "佐々木 マキ"]
- 出版日
- 1989-11-08
- 著者
- 村上 春樹
- 出版日
- 著者
- 村上 春樹
- 出版日
- 2007-11-28
主人公「僕」が、友人「キヅキ」、その恋人「直子」、大学で出会った一歳年下の「緑」との出会いと別れの中で、「生と死」について考え成長していく過程を描いた一編です。
高校生の僕は、「わかりあえないぐらいなら、友人なんていない方がましだ」と考えていたこともあり、キズキ以外に友達はできませんでした。
ある日キヅキから彼女を紹介されます。それが直子でした。
3人は、キヅキが間に入らないと、会話がうまく出来ませんでした。僕と直子には共通の話題が無かったからです。
そんなある日、キヅキは自宅で練炭自殺をしてしまいます。遺書もありませんでしたから、原因は分かりませんでした。キズキの死で僕と直子も自然と疎遠になりました。
- 著者
- 村上 春樹
- 出版日
- 2004-09-15
大学生になった僕と直子は再会し、時々デートをするようになり、直子はキズキと付き合っていた頃の「性」の悩みを打ち明けたりします。そして直子の家で、彼女の20歳の誕生日パーティーが開かれた夜、僕は直子とセックスします。しかしその日を境に直子は僕の前から姿を消してしまいました。
直子が姿を消してから、僕は文学部の1年後輩の緑と付き合い始めます。でも心の何処かではいつも直子を探し続けていました。そしてついに直子の居場所を見つけ……。
作者は、生と死は二律背反ではなく、隣り合わせの現実であり、「性」と「生」もまた同じだと言いたいのかも知れません。
文学というより恋愛小説という言葉が似合う本作は村上春樹入門にぴったりの作品です。ぜひ。
本作は第一部「泥棒かささぎ編」第二部「予言する鳥」第三部「鳥刺し男」の三部構成になっています。全体を貫いている3つのテーマがあります。自分以外の「人」や「社会」との結びつきの大切さ、人間の心の中に潜む複雑な感情、妥協しないで戦いつづけることの意義です。
勤めていた法律事務所を辞めて家事(主夫)に専念している主人公亨は、雑誌編集者として働く妻クミコと、平穏な結婚生活が送れていると思っていましたが、クミコは突然姿を消してしまいます。
自分の気持ちを優先していた、と反省した亨は、クミコが出て行ったのは、そんな自分に愛想が尽きたからだろうと、彼女の気持ちを理解しようとします。
時間が経つにつれ、それは自分の独りよがりの「逃げ」ではないかと考え、自分にとってクミコという存在がどれ程大切であったかに気付くのです。これはこの物語のテーマのひとつでもあります。
- 著者
- 村上 春樹
- 出版日
- 1997-09-30
クミコの失踪の原因を追ってゆくうちに、亨は彼女の兄(マスメディアの寵児となっている綿谷ノボル)が、今回の家出に何らかの影響を与えているのでは?と思い始めます。
ノボルは過去に、近親相姦という黒い噂を持った人物でもありました。人間が心の奥底に潜ませている不気味な感情(ねじ緩め鳥的感情)、この物語のふたつ目のテーマでもあります。
クミコに去られた後、亨は井戸の底に降ります。見上げると上方に丸い光が見えました。暗い井戸の底で見た光、亨はその光に向かって戦い続けようと決心します。様々な障害を乗り越え、彼(ねじまき鳥)はクミコを救い出すのです。
どんな時でも、戦う手を緩めればそこですべてが終わってしまいますが、どんな時でも、この機会が今だけしかないと認識すれば、人は目的を達成できるもの。「あきらめ」は最大の「敗北」だと作者は言いたいのだと思います。
ファンタジックでとにかくスケールの大きな一編です。
- 著者
- 村上 春樹
- 出版日
- 2016-09-28
- 著者
- 村上 春樹
- 出版日
- 2012-09-04
- 著者
- 村上 春樹
- 出版日
- 2010-06-10
- 著者
- 村上 春樹
- 出版日
- 著者
- 村上 春樹
- 出版日
- 2015-07-24
直感に素直に身をゆだね、自分の感じたとおりに小説を書き続ける、それが村上春樹の一番の創作の秘訣なのでしょう。創作をされる方、そしてもちろんハルキストの方々にぜひ読んでいただきたいエッセイばかりです。
謎の多い短編は、人によって解釈が色々だと思います。読み返すうちに解釈が変わることもあり、何度でも楽しんで読めることも、村上春樹の作品の良さだと思います。短編集にはここにあげた他にも面白い作品が数多くあるので、みなさんの好みの物語を見つけてみて下さい。