有川浩の作品はあらゆる世代からの人気が高く、映像化したものも数えきれないほどです。本好き読者による2011年の好きな作家ランキング女性編では、堂々の1位を獲得している作家。そんな有川浩の人気作品をご紹介します。

有川浩の自衛隊三部作『塩の街』『空の中』に続く三作目ですが、三作とも独立していて話は繋がっていないので、どの作品から読んでも大丈夫です。
春の桜まつりの最中に巨大なザリガニに似た甲殻類の群れが大量に襲い掛かかり、その巨大ザリガニ(3日後にサガミ・レガリスと命名)は人を襲い、噛み殺していきます。人が襲われている様子はかなりリアルで惨忍ですが、なぜか一緒に事件に巻き込まれていく感覚に陥ってしまうのです。
海上自衛隊員である夏木大和三尉と冬原春臣三尉が乗務する潜水艦「きりしお」に、桜まつりにきていた13人の子供たちがサガミ・レガリスから逃げきてから無事に親もとへ帰るまでの六日間。サガミ・レガリスとの戦いに、海上自衛隊、警視庁、自衛隊それぞれのお役所事情が絡み合いながら話は進んでいきます。
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
- 2009-04-25
有川浩特有のジレジレの恋愛も本作の魅力のひとつ。夏木と高校三年生で「きりしお」に避難してきた森生望は、お互いに恋心を持つのですが、異常事態であることと、艦長の死もあり、夏木は気持ちを抑え込んでしまいます。冬原にも、望に恋をしていた中学三年生の遠藤圭介にも、小学6年生の望の弟の翔にも二人の気持ちはバレバレで、とても微笑ましい印象を受けるでしょう。
特に翔が望の気持ちを夏木に言ってしまってからの二人には、どうしてもにやけてしまいます。冬原の「意識しあっている中学生みたい」とはうまく例えてくれたとしか言いようがなく、かわいらしい二人の姿に注目です。
最後まで名前を呼べずに「森生姉」と呼び続け、別れのシーンで「お前らが来なかったら艦長は死なずに済んだって。そんなふうに思われたのが最初なんて嫌だろ。どうせなら幸せに出会って幸せに始まった方がいいだろ」と望が告白しようとした所を遮った夏木。
それに対して望は「私のことは忘れてください」と言い、二人は別れ……。
後に「横須賀甲殻類襲来事件」と名付けられるサガミ・レガリスとの戦いと同時に恋愛小説としても楽しめる小説です。
6話の短編小説から成り立つ本作は、あとがきで有川浩自身が書いていますが、まさに「活字でベタ甘」の小説。スムーズにそれぞれの話の中に入り込めるので、とても読みやすいです。長編小説の番外編もありますが、読んだことがなくても充分楽しめます。中でも印象的なストーリーを2つご紹介します。
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
- 2010-06-23
「クジラの彼」は『海の底』の番外編になり、合コンで知り合った海上自衛官で潜水艦乗りの冬原春臣と、中峯聡子の連絡の取れない遠距離恋愛「けっこうきついバージョン」が描かれます。なかなか連絡も取れない二人のラブラブなお話です。なんだかんだで甘いだけのお話ですが、脇役のキャラクターも最高です。
「ファイターパイロットの君」は『空の中』の番外編です。MHJ技術者の春名高己とパイロットの光稀夫婦が娘に「初めてチューしたところ」を教える話です。初々しすぎる二人のデート場面は、読んでいて恥ずかしくなってしまいます。
全編通して言えることは、肩ひじ張らずにキュンキュンしてしまう激甘ラブストーリーというところでしょうか。文章そのものもすごく読みやすいので、有川浩作品の長編を読む前に読んでみるのも良いでしょうし、すでに『海の中』『空の中』を読んだ人には、番外編を読んでそれぞれのカップルのその後を読んで欲しい作品です。
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
- 2012-06-22
おもてなし課所属の入庁3年目25歳の掛水史貴と、外部からおもてなし課へ配属となった明神多紀の二人がメインとなり、高知県に県外からの観光客を呼び込み、「おもてなし」する心で県の観光を盛り立てようという話です。
観光特使になってもらった作家の吉門喬介と、血のつながらない元親子で元観光部職員の清遠和政とその娘の佐和も絡み合う、胸キュンストーリーでもあります。おもてなし課のメンバーが「多紀ちゃん」と呼ぶ中で、ただひとり「明神さん」と呼ぶ掛水。お互い好意を持っているのが吉門にはバレバレなのに、モダモダしている二人のかわいらしいラブストーリー要素満載。最後に掛水は「多紀ちゃん」と呼ぶことができるのかという点に注目しながら読み進めると、二人の感情の揺れがよくわかります。
一方、血のつながらない元兄と妹の喬介と佐和。お互いが好きな気持ちが通じるまでの長い時間があったからこその急なプロポーズの「あんたの娘を俺にくれ」と和政に告げる喬介の男前なセリフにグッとくる人も多いのでは?
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
- 2013-04-05
有川作品独特の胸キュンだけど、男性キャラの好きな女性に強気になれないじれったさ、恋愛に対するどんくささにじれて読むのも良いでしょう。また、作中出てくる高知県内のアウトドアやネイチャリングスポットも素晴らしいものがあります。「高遠係」となった掛水と多紀が県内を引きずり回されていくうちに自然やグルメを取材するだけでなく、新しい魅力を発見していき、おもてなし課として成長して行く姿。
グダグダなスタートをした高知県庁おもてなし課が、一人の小説家により成長していく話だけではなく、二組のカップルの恋愛小説としても楽しめます。
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
- 2009-06-27
200X年、国際輸送機開発プロジェクトによって開発された日本初の超音速ビジネスジェット機「スワローテイル」は、試験運転で四国沖上空を飛行中、高度2万メートルを超えたところで突如爆発してしまいます。その翌月、航空自衛隊岐阜基地より飛び立った自衛官の武田光稀とその上官の斉木敏郎は演習空域の四国沖上空を飛行中、高度2万メートルに差し掛かったあたりで一瞬の異変を察知した光稀は咄嗟に方向転換して助かり、斉木の飛行機は爆発してしまうのでした。
高知県仁淀川の近くに住む高校生の斉木瞬は、河原で大きなクラゲのような半透明の謎の生物を発見し、幼なじみの天野佳江と共にその生物を持ち帰り「フェイク」と名付け育てることにします。その頃、スワローテイル開発チームに所属している春名高巳は、機体の爆発の原因を調査するため岐阜の光稀を訪れ、光稀と共に事故現場を飛行した春名は、そこで巨大な謎の生物と遭遇するのでした。
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
- 2008-06-25
春名は謎の生物と交信できる人物として生物から見た世界を表現し、瞬は謎の生物のために父である斉木敏郎を失った人間として、人間の世界を表現しています。そこに最初の事故でパイロットの父を失った少女が登場することにより、人間同士の感情が複雑に絡み合い、さらなる悲劇が展開していくのです。
人間の様々なエゴは単一の巨大生物との対比によりその醜さが一層際立ち、人間であるというだけで地球を我が物として振舞う我々人類の思い上がりを教えてくれます。本作はSF小説としても楽しめると同時に、壮大なヒューマンドラマとしての感動も与えてくれる作品です。
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
- 2010-01-23
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
- 2013-01-11
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
- 2011-04-23
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
- 2010-08-05
7つの有川浩の人気小説を紹介しました。読んだことがなくても、タイトルは聞いたことがあるという作品も多かったのではないでしょうか。興味を持っていただけたら、ぜひぜひ手に取ってみてください。