4位:何度でも繰り返し、強くなる
異世界人が地球に侵略するために送り込んでくる「ギタイ」と戦うために、統合防疫軍に初年兵として入隊したキリヤ・ケイジという青年がこの作品の主人公です。
彼は初出撃で絶望的な戦場に送り込まれてしまい、「サーバ・アルファ」と呼ばれるギタイと相打ちとなって死亡してします。しかし、彼はなぜか意識を取り戻し、確認すると出撃前日の朝に時間がまき戻ってしまっていて……。
- 著者
- 桜坂 洋
- 出版日
- 2004-12-18
ジャンルとしてはループものと呼ばれるタイプの作品です。何度死んでも、出撃前日に戻り、苦しさと経験だけが蓄積されるキリヤは、その経験を活かし驚異的なスピードで成長していきますが、それと同じくなぜか彼を狙ってくるかのようにギタイたちは行動を変化していきます。
そんな日々の最中、キリヤは初出撃を共にした凄腕の兵士リタと出会い、キリヤと同じようにループを繰り返してきた彼女から、このループを脱出する方法を提案されます。
何度もギタイにやられ、それを経験として生かしていく凡人兵士の戦いがこの作品では描かれていくことになります。キリヤは100回、200回とひたすらに痛みを伴いながら死を繰り返すのです。
ただ一人同じ境遇になっていたリタだけが、彼の心を慰めてくれる存在です。極限状態の中で絆を深めていく二人が一体どうなってしまうのか、無事に脱出することはできるのか、ループ体験に伴う痛みを一冊の中に濃縮した作品です。
3位:「時間」を軸に展開される、少年と少女の物語
7作の短編が載せられた短編集です。テーマは、温かくておかしくてちょっとフシギなボーイミーツガール。表題作の「ある日、爆弾が落ちてきて」はテレビ番組「世にも奇妙な物語」でドラマ化もされ話題にとなりました。
「ある日、爆弾が落ちてきて」はその名の通り主人公の遠山聡の上に落ちてきた爆弾を巡る物語です。もちろん、ただの爆弾ではありません。それは女の子の形をした爆弾でした。しかも聡の高校時代の同級生とそっくりな顔をしています。
彼女は聡に対して、自分は人型の爆弾であること、胸の時計の針が12時を指すと爆発すること、その針は胸のドキドキで進むことなどを説明し、そのまま彼をデートへと誘い出します。彼女の目的とは何か、そして本当に爆発してしまうのか、どこか切ない結末を迎える物語です。
- 著者
- 古橋 秀之
- 出版日
どの短編にも普通じゃない設定をもった女の子が登場します。
いずれも時間がテーマとなっていて、たとえば「恋する死者の夜」では死者が何度もある日の行動を繰り返す世界で、ヒロインのナギと共に遊園地へと行く姿が描かれます。「三時間目のまどか」では窓に映った違う時間を生きる少女との交流が描かれます。
どれも時間を切り口とした作品ですが、切なかったりおかしかったりと様々で、多様性ある物語が楽しめる一冊です。
2位:人と違う眼を持つ少女を助ける方法とは
「電撃文庫MAGAZINE 11月号増刊」に掲載された短編に、中編とエピローグの書き下ろしで構成された「少し不思議な」日常系SFライトノベルです。
物語の軸となるのは自分以外の人間が「ロボット」に見えてしまうという眼を持った毬井ゆかりで、彼女の親友である波濤学の視点で語られていきます。電撃文庫MAGAZINEに掲載された短編は彼ら二人の奇妙な日常を、書き下ろしの後半部分は物語を大きく動かし、彼女が死んでしまう未来をなんとかしようとする物語です。
- 著者
- うえお 久光
- 出版日
- 2009-07-10
ゆかりによって左腕に携帯電話を埋め込まれた学が、死んでしまう未来のあるゆかりを助けるため、平行世界の情報を集め救おうとするお話です。
主人公であり視点人物である学ですが、彼の行動はどうにもうまくいきません。それが一体なぜなのか、彼らの行く末はどうなるのか、ループものとしては少し珍しい展開をする作品です。