ノワール小説(暗黒小説)のイメージが強い、新堂冬樹。そのせいで手に取るのを悩んでしまう方も多いと思いますが、一度読んでみると作風にハマってしまうこと請け合いです。そんな新堂冬樹の作品のおすすめ作品をご紹介します。

- 著者
- 新堂 冬樹
- 出版日
- 著者
- 新堂 冬樹
- 出版日
- 2002-08-01
- 著者
- 新堂 冬樹
- 出版日
- 著者
- 新堂 冬樹
- 出版日
- 著者
- 新堂 冬樹
- 出版日
- 2007-07-30
- 著者
- 新堂 冬樹
- 出版日
七瀬拓海は小笠原のダイビングショップに勤め、観光客のガイドなどをしている青年です。拓海にはテティスという名の年老いたイルカの友達がいます。昔テティスとその母イルカは心無い観光客に追われ、母イルカは命を落としテティスも体に傷を負いました。
テティスの心には深い傷と人間への不信感が残っていましたが、なぜか拓海にだけは心を開き、自ら近寄ってくるのでした。拓海は海の申し子のような青年で、世界チャンピオン並みの潜水能力と海の生物と心を通わせる力を持っています。
ある日拓海は、浜辺で歌を歌う1人の女性と出会いました。その歌声は極めて美しく、拓海以外の人間にはまったく寄り付かないテティスですら浜辺に顔を出していたのです。拓海はその女性を海の女神のように思い、この出会いは運命だと感じるのでした。
女性は柏木流香といい、声楽家を目指して東京の音楽大学に通う女子大生です。同じ大学の友人に誘われ、小笠原に小旅行に来ていました。流香は幼いころの悲しい経験から人の愛を信じられなくなっているのですが、流香の心の傷を察した拓海は、流香の力になりたいと願います。後日、流香の出場するコンクールに招待され東京に出てきた拓海は、流香の過去と苦境を知り、ある決意をするのでした。
- 著者
- 新堂 冬樹
- 出版日
- 2006-02-01
邪念がなくひたすら優しく純粋な拓海は、青く美しい小笠原の海を象徴するような存在です。一方、様々な出来事に傷つきながら必死に生きている流香は、雑多な都会を象徴するように思えます。
人を思いやる余裕がなく些細な事で意地を張り、拓海に酷いことを言う流香に読者は腹立たしさを覚えるかも知れません。しかし海のように全てを包み込む拓海の心はそんな読者の心すらも浄化してくれます。海と空の美しい青が心に広がる、透明感に溢れた切なく哀しく、そして優しい物語です。
グロい作品が多い、新堂冬樹。しかしその中にも必ず人間の弱さ、切なさが巧みに織り込まれており、読者を引きつけて離しません。不思議なバランスを保つ魅力に、ぜひ触れてみてくださいね。