3位:異色のミックスで宮部みゆきワールドに吸い込まれる!
江戸を恐怖に陥れる辻斬り“かまいたち”の犯人を捜す主人公「およう」の視点から描かれた時代小説ミステリー。「かまいたち」の他に「師走の客」「迷い鳩」「騒ぐ刀」の4本の短編小説で構成されています。
- 著者
- 宮部 みゆき
- 出版日
- 1996-09-30
「迷い鳩」「騒ぐ刀」は超能力をテーマとした作品。時代小説×超能力とはなんとも異色な組み合わせですが、とても読みやすく、ファンタジー小説としても通用するような雰囲気を漂わせています。
タイトルとなった「かまいたち」には主人公「およう」を手助けする医者「新吉」が登場し、その男っぷりにはうっとりさせられます。短いながらも適切な人物設定がされており、納得のいく展開で完成度が非常に高い作品です。
2位:ホラーなのに心温まる、お化けと少女、心の交流
料理屋「ふね屋」の一人娘「おりん」は、高熱で生死を彷徨ったことにより幽霊が見えるようになります。そんなおりんが様々な亡者と心を通わせ、三十年前に起きた事件の真相に迫っていくというストーリーです。
- 著者
- 宮部 みゆき
- 出版日
- 2006-12-22
タイトルにもなっている“あかんべえ”をする少女、美男若侍など、ふね屋にいる五人の亡者は皆魅力的でお茶目、優しくて謎めいています。彼らとおりんの触れ合いはとても温かく、読み進めるうちにおりんの心情に吸い込まれていきます。
五人のお化けはなぜ成仏できないのか?お化けたち自身もその理由をわかっていません。そこでおりんは幽霊たちとともに成仏できるよう謎に迫っていくのです。
本作はホラーとミステリーとファンタジーの3種が融合しており、時代小説が初めての方にもおすすめの作品となっています。
1位:短編から長編へ、一冊で二度楽しめる
本作品は長編好きにも短編好きにもおすすめな、宮部みゆき渾身の一冊。本作の主人公はいわゆる「ぼんくら」な怠け者の用心棒、平四郎です。
一話完結型のエピソードを読み進めていくと、長編ミステリーへと繋がっていくという構成になっています。
- 著者
- 宮部 みゆき
- 出版日
- 2004-04-15
宮部作品で必ずといっていいほど感心させられる登場人物の描写の素晴らしさですが、この作品も魅力のあるキャラクターが次々に登場します。
愛らしい平四郎だけでなく、皆の世話役・未亡人のお徳や事件を共に探る美少年で頭の切れる甥っ子・弓之助など個性豊かなキャラクターに出会えるでしょう。
『ぼんくら』の後に『日暮し』『おまえさん』とシリーズ化されており、どんどん続きを読み進めたくなります。