気になるけど、価格や大きさで手に取るのを躊躇してしまった小説ってありませんか?そこで今回は、文庫本化されたことでお手軽に読めるようになった恋愛小説をご紹介いたします。

- 著者
- 村山 由佳
- 出版日
- 1999-06-18
- 著者
- ["伊坂 幸太郎", "石田 衣良", "市川 拓司", "中田 永一", "中村 航", "本多 孝好"]
- 出版日
- 2007-09-01
- 著者
- 姫野 カオルコ
- 出版日
- 2007-02-24
- 著者
- 川上 弘美
- 出版日
- 2004-09-03
- 著者
- 犬村 小六
- 出版日
- 2011-08-09
- 著者
- 金城 一紀
- 出版日
- 著者
- 舞城 王太郎
- 出版日
- 2008-06-13
- 著者
- 唯川 恵
- 出版日
- 2004-10-20
- 著者
- 森見 登美彦
- 出版日
- 2008-12-25
- 著者
- 山本 文緒
- 出版日
結婚したばかりの笑子と睦月。実は笑子はアル中で、医者の睦月は同性愛者で紺という恋人がいます。そんな三人をめぐるストーリーは、もちろん王道の恋愛小説とは少し違います。
- 著者
- 江國 香織
- 出版日
- 1994-05-30
笑子も睦月も紺も、お互い脛に傷を持つ者同士でありながらも、ひどくまっすぐで、とても魅力的な人物です。夫婦の両親の思いも絡み合いながら、時に互いを傷つけ、傷つけられたりしながらも、読んでいて嫌な気持ちにならないのは、やはり登場人物が、皆お互いのことを思っているからでしょう。
「男が好きなわけじゃないよ。睦月が好きなんだ」「それじゃあ私と同じだ」このやりとりが作品のすべてを表しているのではないでしょうか。人をおもうというシンプルなこと。その気持ちに性別や条件は関係ないのです。自分の人を思う気持ちを見つめ直したいときに、ぜひ読んでいただきたい作品です。
- 著者
- 島本 理生
- 出版日
- 著者
- 原田 マハ
- 出版日
- 2008-05-12
- 著者
- 松尾 由美
- 出版日
- 2016-02-10
- 著者
- 市川 拓司
- 出版日
- 2014-07-24
- 著者
- 吉本 ばなな
- 出版日
2003年に公開された同名映画も話題を呼んだ表題作『ジョゼと虎と魚たち』を含む、短編8篇を収録した作品集。20代〜30代の女性に特にオススメしたい、心の奥深くにそっと触れる珠玉の恋愛短編集です。
- 著者
- 田辺 聖子
- 出版日
- 1987-01-01
特にオススメしたいのはやはり、表題作「ジョゼと虎と魚たち」。元々本書のファンだったという人もいれば、映画を先に観てから本書を手に取ったという人もいるでしょう。本書に収録されている他の短編は30代以降の大人の恋愛を描いているのに対し、「ジョゼと虎と魚たち」で繰り広げられるのは20代前半の若者の恋愛模様。
主人公は大学を卒業したばかりの恒夫と、ほとんど外の社会に触れてこなかったジョゼ。二人の恋愛は自然に始まり、また何事もなかったかのように自然と結末を迎える物語が胸を打ちます。ジョゼの純粋さがいじらしく、何とも表現しがたい不思議な気持ちになる読者も多いに違いありません。特にジョゼが恒夫と結ばれた後彼に言う一言が、読了後も読者の心に切ない余韻を残します。
「アタイ、好きや。あんたも、あんたのすることも好きや。」(『ジョゼと虎と魚たち』より引用)
約30年前に出版された本作品集ですが、時代の移り変わりを感じさせない、瑞々しさが作品中に溢れています。特に20代〜30代の女性にオススメですが、10代の多感な時期に読んでもまた違う読後感があり、楽しめるはず。その後20代、30代と歳を重ねていくにつれて違った読み方ができ、新しい発見もあることでしょう。登場人物が発する大阪弁も、作品全体にじんわり効いてくるスパイスのような役割を果たしています。
26歳で恋愛経験ゼロの主人公、江藤良香。彼女の頭の中は片想い中の憧れの彼イチと、突然告白してきた同僚ニのことで忙しい。彼女の脳内で繰り広げられる妄想に共感し、読んでいるうちに切なくなってきます。微妙な人間の心の揺れを繊細に捉えた秀作です。
- 著者
- 綿矢 りさ
- 出版日
- 2012-08-03
物語は主人公良香の妄想のつながりで進んでいきます。流れるような感情を表す文体の中に、かつての自分の気持ちを重ね合わせる読者も多いはず。
一見妄想に走り現実離れしているように思える良香ですが、一方でとても冷静に状況分析や人間観察をしていることが分かります。一章の冒頭にはそれが色濃く現れています。
「とどきますか、とどきません。光りかがやく手に入らないものばかり見つめているせいで、すでに手に入れたものたちは足元に転がる沢山の屍になってライトさえ当たらず、私に踏まれてかかとの形にへこんでいるのです。」
「足るを知れ、って言いたいのかって?ちょっと違う、足らざるを知れって言いたいの。足りますか、足りません。でもいいんじゃないですか、とりあえず足元を見てください、あなたは満足しないかもしれないけれど、結構良いものが転がっていますよ。色あせてなんかいません、まだ十分使えます。ほかの誰かにとっては十分うらやましいんじゃないですか、その縁が欠けたマグカップ。水玉柄がかわいい。求めすぎるな、他人にも自分にも。」(『勝手にふるえてろ』より引用)
頭の中では色々な感情が回っているけれど、それをなかなか言葉にできない良香。イチに対して持つ憧れ、手の届かない存在への想いとは逆に、自分に近づいてくるニに半ば上から目線で対応する良香。手の届かない存在への収拾のつかない感情を打ち消すかのように、自分が優位に立つ関係の中では態度が変わってしまう心理は、共感できるものがあるのではないでしょうか。
物語の終盤良香はニに対し、私のこと知りたいと思わないのとストレートに気持ちをぶつけます。他人との関係は、感情を自分の中だけに収めておくのではなく、表現してシェアすることで初めてスタートするのだと改めて気付かせてくれます。主人公良香と一緒に読者も心の成長を遂げられるような、稀有で貴重な作品です。
成熟した大人の恋愛を求める読者には、『わりなき恋』がおすすめ。70歳を目前に控えた国際的なドキュメンタリー作家・伊奈笙子と、58歳で大企業のトップマネジメントを務める九鬼兼太がお互いへの恋に溺れていく様子を描いています。
- 著者
- 岸 惠子
- 出版日
主人公たちの出会いはパリへ向かう飛行機のファーストクラス。読者はまずその世界観に惹きつけられ、その後徐々に主人公たちの物語へといざなわれていきます。情景描写が丁寧で、まるで自分も主人公たちの生活を疑似体験しているよう。
2005年の春から2011年秋までの7年間の恋愛が描かれる中、パリやプラハの革命の歴史も物語に織り込まれており、興味深く読み進めることができます。大きい視点で見ると物語は1968年の「プラハの春」から2010年に起こった「アラブの春」までの時間を舞台に繰り広げられ、そして2011年の東日本大震災をも最後に盛り込み、読者を飽きさせません。
タイトルにある「わりなき」とは「理屈や分別を超えてどうしようもない」という意味だそうで、その言葉が表すのは、一回りも年下の妻子持ちの男性に身を焦がしていく笙子の切なさ。恋とは往々にして理屈や分別を超えてしまうもの。そうは分かっていても「所詮恋とはそんなもの」と切り捨てきれない、切なさややり切れなさがこの小説では美しい言葉に乗って表現されています。
お互いに歳を重ね人生経験も積んだ大人だからこそ成り立つ、政治や文学、美術や歴史など広範囲にわたる話題を肴に、関係を進展させていく笙子と兼太。大人の恋愛ならではの醍醐味とほろ苦さが同時に味わえる、魅力的な作品です。
ドラマ化もされ、大きな反響を呼んだ本作。予想外に舞い込んだ仕事に奮闘する女子の毎日を描いた、恋愛小説というより仕事愛?をうたったガールズコメディ。リズムよく進んでいく物語と前向きな主人公に、気づけば元気付けられている読者も多いはず。
- 著者
- 宮木 あや子
- 出版日
- 2016-08-25
ファッション雑誌が大好きで編集の仕事に関わることを夢見てきた主人公、河野悦子。憧れの雑誌の出版社に念願叶って入社できたはいいが、「名前がそれっぽい」という理由で編集部ではなく校閲部に配属されます。
本書ではそんな悦子が毎日の中で遭遇する人や出来事の数々が、小気味良いテンポで描かれます。話のメインではないですが、覆面作家・是永是之として活躍する折原幸人への恋も随所に盛り込まれています。
悦子は苦手な文芸書の校閲に向き合い、入社して2年が過ぎた今も仕事への不満は尽きない日々。考えているのはファッションのことばかり。しかし仕事ができないというわけではなく、
「ダメだよー感情移入したら。冷静に校閲できなくなるでしょ。」(『校閲ガール』より引用)
という言葉に現れているように、校閲の仕事をする上で大切な客観性も持ち合わせています。フィクションですが校閲の仕事や出版業界について興味のある人は、物語の節々からたくさん学べることがあるはず。
「見た目が整っていることは悦子にとって正義で、見た目を整えようと努力することも悦子にとっては正義だ。」 (『校閲ガール』より引用)
という主人公の思い切り・威勢の良さ、スピード感あふれる文章や物語の展開にも目が離せず、一気に読み終わってしまってもまた最初から読みたくなる、そんな作品です。
- 著者
- 天沢夏月
- 出版日
17歳の「私」が語り手になり、同年代の少女たちが描かれる連作短編集『放課後の音符』。この連作短編集からは、鍵付きの日記帳にそっと書きとめておきたいような名言がたくさん零れ落ちてきます。
- 著者
- 山田 詠美
- 出版日
- 1995-03-01
17歳で男性とベッドに入ることが日常になっているカナ、煙草を吸いながらセックスについて話す雅美、酒を飲み煙草を吸いセックスもするマリ、人の彼氏を寝取るヒミコ……。健全を説く大人たちからすれば明らかに不道徳な少女たちですが、彼女たちは決して不潔ではなく美しくて格好いいのです。それは彼女たちが自分に素直に、自然体で生きているからでしょう。
ヒミコは言います。
「友達の男に私が手を出したからって、何の関係もないあんたに言いに行かせる。こんな不自然なことないわ」(『放課後の音符』より引用)
告白に友人がついていく、または振られた女子の友人が振った男子に抗議にいく、などは女子には見慣れた光景かもしれませんが、確かにヒミコの言う通りです。それよりは好きな男がいれば周囲は関係なく好きと伝えるほうがどれだけ健全かしれません。
彼女たちが魅力的な理由はもう1つあって、それは年齢よりも背伸びしている自分の言動にきちんと向き合っているところです。例えばカナは妊娠し、退学して出産する道を選びます。悲痛な決意と共にそうするのではなく、好きな男の人と愛し合った結果としてできたものを捨てたくない、という自然さで。
友人たちを白眼視せず、憧れの気持ちさえ持つ「私」ですが、実は両親の別居に傷ついた過去がありました。
「十五歳の大人もいれば、三十歳の子供もいるということを、私に話してくれたのは、大好きだった母だったけれども、彼女は、今、家を出て、若い男の人と一緒に暮らしている」(『放課後の音符』より引用)
そんな「私」はカナや雅美たちと触れ合う中で、両親も一人の男と女であること、彼らが自分たちらしい決断をしたことを受け入れていきます。
最終章では「私」も好きな男の子ができ、自然と体も結ばれます。その時、母の言葉の真実味を肌で感じ「私たちは、まだ子供。けれど、恋する気持ちは、誰よりも一流だ」と誇らしく思うのです。
自分の体と内面の年齢が合っているかと考えさせられ、格好いいオトナになって恋をしたくなる1冊です。
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
- 2013-01-11
最後までお読みいただきありがとうございました。文庫本化されたことによって、結末や内容が少し変わっていたりと、新たに楽しめる作品も多くあります。懐かしさを感じるものも多く、あとがきや解説、ボーナストラックなど新たな要素も楽しめるはずです。どんなに時が流れても、変わらない感動を感じて下さい。