綿矢りさは、2001年に単行本化された『インストール』で当時20年ぶりの文藝賞を受賞、最年少タイ記録として話題になりました。本記事ではその作品群からおすすめする7つの作品をご紹介します。

草食系男子や、二次元メディアの広がりが拡大してる昨今、男女共に26歳で恋愛経験がないというのは珍しくはなくなってきました。だからこそ、この本の内容に共感を覚える人が多く、もし同様の状況になった事がない人でも自分の好きな人と自分を好きな人、どちらがいいのかという問題には身に覚えがあるはず。様々な層のニーズに合致する、誰が読んでも損のない面白い作品です。
- 著者
- 綿矢 りさ
- 出版日
- 2012-08-03
まずそれぞれの内容をご説明します。「かわいそうだね?」の内容は、女性主人公が彼氏に「元カノが失業して金がなくなったから、彼女を居候させてほしい」と言われて、断り切れなかった主人公が彼氏の元カノとヤキモキしながら一緒に住むというもの。
- 著者
- 綿矢 りさ
- 出版日
- 2013-12-04
そんな『蹴りたい背中』の内容は、高校に入ったばかりで、クラスの余り者同士のにな川とハツこと長谷川の関係について思春期特有の恥じらいを散りばめながら描いていく、という物語です。ただの小説として読めばこの作品はライトノベル的ににな川とハツの甘酸っぱい恋愛模様を描いた小説、のように見えますが、芥川賞を取るだけの作品だけあり、実際は違います。
- 著者
- 綿矢 りさ
- 出版日
- 2007-04-05
結婚、恋愛、夢をテーマに3人の女性が道を進んでいきます。
綿矢りさは京都出身の小説家ですが、京都を舞台にして書いた小説はこれが初めてです。出身地だけあり、登場するキャラクターの京都弁が生き生きとしています。
- 著者
- 綿矢 りさ
- 出版日
- 2016-09-30
非常にリアルで不気味なテイストになったこの作品は、「おとな」「トイレの懺悔室」「憤死」「人生ゲーム」の4作品が収録されている短編集です。
- 著者
- 綿矢 りさ
- 出版日
- 2015-03-06
夕子の芸能生活をベースとして、日常の出来事が淡々と描かれています。第三者の目線で描かれているため、登場人物はその時こう感じた、などという感情表現があまりないのが特徴です。その分、登場人物の台詞などからそれぞれの感情を読み取ることができ、それが妙にリアルに感じるのです。幼い頃から芸能界に生きる夕子の絶望感や孤独感がチクチクと刺さるように私たちに届きます。読んでいると、テレビで見る芸能人はこう感じているのかな、などと少し可哀想に感じるかもしれません。
- 著者
- 綿矢 りさ
- 出版日
- 2012-10-05
主人公の愛は高校1年の時、ふとした事がきっかけで同じクラスの「西村たとえ」という変わった名前の男子生徒に恋をします。3年生になって再びたとえと同じクラスになった愛は、教室の後ろの席から彼をひたすら見つめるようになるのです。
愛は成績も良く容姿も整った一見非の打ち所のないような少女ですが、内面は冷酷な性格で、今まで自分に言い寄ってきた男の子を見下し容赦なく退けてきました。しかし自分から誰かに恋をした経験はなかったため、たとえの気を引く方法が分からず悩んでしまいます。
ある日、愛はたとえが人目を忍んでこっそり手紙を読むのを目撃し、たとえがその手紙を教室の机の中に入れっ放しにするのを確認します。夜中に学校に忍び込みその手紙を盗み読んだ愛は、手紙の差出人が他のクラスにいる美雪という少女であることを知り、愕然とすると同時に激しい嫉妬を感じるのでした。
- 著者
- 綿矢 りさ
- 出版日
- 2015-01-28
本作は少女の初恋を描いた青春小説のように始まるのですが、驚くほど意外な方向へと進んで行きます。愛の心理描写には最初から何か危険なものが込められており、嫉妬に狂う愛は徐々に常軌を逸した行動を取るようになるのです。
たとえの後ろの席で折り鶴を折ることに集中する愛の姿は自傷行為を連想させ、折られた鶴は愛の心の滓(おり)のように机の中に溜まっていきます。
『ひらいて』というひらがな4文字のタイトルのやさしい響きからは全く想像できない強烈な展開に、良い意味で裏切られたと思う作品です。
19歳で衝撃の結果を残した綿矢りさ。そのポテンシャルは何年立っても衰える事なく、小説に対して挑戦的で、意欲的な気持ちを自身の本に存分に発揮しています。