3位: 筒井康隆が、大学と文学を皮肉る『文学部唯野教授』
タイトルの通り、文学部の唯野教授を主人公として、筒井康隆独特のブラックユーモアがたっぷり詰まった衝撃作になっています。
- 著者
- 筒井 康隆
- 出版日
- 2000-01-14
早治大学・英文学部教授の唯野仁は、大学には内緒で小説の執筆をしていますが、その作品が文学賞の候補に上がってしまいます。物語では様々な大学教授が登場しますが、どの教授も間の抜けた、大人になりきれていない人ばかり。そんな彼らの権力争いに、唯野はいつも振り回されているのです。
赤裸々に語られる大学の裏事情とともに、物語の合間に挟まれる、唯野教授の文学理論についての講義は圧巻。どうしても小難しく感じられる文学理論や文学批評が、わかりやすく、面白おかしく説明されていて、文学の歴史についてまで勉強できてしまう作品です。
作品内にちりばめられた過激なブラックジョークは、どうしても好き嫌いがわかれてしまいますが、筒井康隆という作家に興味のある方には、ぜひおすすめしたい作品です。
2位: 筒井康隆による、不朽の名作『時をかける少女』
50年近く前に発表された作品であるにもかかわらず、今なお多くの人から親しまれている不朽のSF小説です。幾度となく映像化されている本作は、筒井康隆の作品を読んだことのない方でも、聞き覚えのあるタイトルではないでしょうか。
- 著者
- 筒井 康隆
- 出版日
- 2006-05-25
主人公は、高校1年生の芳山和子。ある日、クラスメイトの深町一夫、浅倉吾朗とともに理科室の掃除をしていた和子は、物音を聞き、実験室のドアを開けます。ガラスが割れる音と同時に人影を見ますが、割れた試験管からこぼれ出た液体から発せられるラベンダーの香りを嗅いでしまい、意識を失います。
その出来事から数日後の朝、和子と吾朗は一緒に学校に向かっていました。ところが、そんな2人に向かって暴走トラックが突っ込んできたのです。その瞬間、死を覚悟した和子は目を閉じましたが、衝撃を感じることはなく、目を開けるとそこは自分の部屋。なんと和子は、タイムリープができる体になっていたのです。
なぜ突然、時と場所を越える能力を持ってしまったのか。その真相は、作品発表当時としては画期的なものだったのではないでしょうか。筒井康隆の作品には珍しく、淡く綺麗な恋心も描かれた、時をかけて愛され続ける青春SF小説です。
1位: 話題が話題を呼び大ヒット中の注目作品!『旅のラゴス』
生涯をかけて旅をする男・ラゴスの一生を描いた連作短編集です。30年以上も前に発売されたロングセラー作品ですが、2015年頃から、出版社も理由がわからないという突然の大ヒットを記録し、2016年現在、最も注目されている筒井作品です。
- 著者
- 筒井 康隆
- 出版日
- 1994-03-01
舞台となるのは、突然高度な文明を失った「この世界」。SF感も漂う本作の登場人物には、度々超能力を持った人たちが現れ、主人公・ラゴスは一瞬で移動することができる集団移転や、壁を通り抜けることができる壁抜けなどを体験することになります。
1話1話がとても短く、テンポよく旅が進んでいくので読みやすい作品になっています。少年だった頃からラゴスの旅は始まり、旅が進むにつれ、ラゴスも年を取っていきます。ただひたすら旅を続ける物語ですが、旅を通したラゴスの成長やリアルな世界観に、なんとも言えない充足感がわいてくるでしょう。
普段ほとんど本を読まない方にもおすすめできる作品です。魅力的な主人公・ラゴスとともに、あなたも素敵な旅に出てみませんか。