マフィアにやくざに不良少年などといったアウトローをメインに描く馳星周。女性は少々引いてしまうかもしれませんが、はまると抜けられません。そんな馳星周の作品のおすすめを9作ご紹介します。

- 著者
- 馳 星周
- 出版日
- 著者
- 馳 星周
- 出版日
- 2015-02-06
- 著者
- 馳 星周
- 出版日
- 2001-10-25
- 著者
- 馳 星周
- 出版日
- 著者
- 馳 星周
- 出版日
- 2010-05-20
馳星周の作品の中でもストーリー性が秀逸で、馳作品を今まで読んだことのない読者の皆さんにもおすすめできる、手に汗握る作品となっています。
舞台はバブル真っただ中の東京。六本木のディスコの黒服としてうだつの上がらない日々を消化していた彰洋が、かつての幼馴染である麻美と再会したことから物語が始まります。
麻美は「地上げの神様」と呼ばれる不動産王・波潟の愛人の座におさまっており、愛情こそないものの、いつ波潟に捨てられ金を失うことのなるのかと不安を抱えています。そんな麻美を介して、彰洋は美千隆という青年実業家と知り合うことに。美千隆は、いつか波潟に取って変わろうと野心を燃やし、そんな美千隆に麻美は惹かれています。
物語は彰洋と麻美の二人の目線で進められ、登場人物全てが他人を出し抜こうと躍起になり奔走します。裏切りに次ぐ裏切り。嘘に嘘を重ね、いつしか身動きが取れなくなり、それでも一攫千金を夢見る。この狂ったマネーゲームに勝利するのは誰か……。
- 著者
- 馳 星周
- 出版日
- 2006-04-01
読み進めるたびに新たな展開を迎え、続きが気になって一気に読破してしまう作品。馳星周の作品の中では、比較的ハードさが抑え目です。それは登場人物が若く洗練されているために不潔感がなく、スタイリッシュに読めてしまうからではないでしょうか。
この最高にスリリングでエキサイティングなマネーゲームのラストをぜひ目撃していただき、そしてその世界観にまだまだ浸っていたい!と感じたならば、2014年に刊行された続編でも、また彰洋や麻美の暗躍が味わえますのでご期待を。
物語の核となるのは、「真言(マントラ)の法」という名の新興宗教団体です。5000人を超えるという信者の頂点に立つのが、教祖である十文字源皇。十文字は日々、修行と称して金や奉仕を信者に強要し、思いのままの生活を送っていました。
その十文字の側近で侍従長の幸田は、元弁護士。教団の金庫番でもある彼は、十文字の行いを辟易としながらも、その生み出す巨額の金に完全に取りつかれていました。
公安警察官の児玉はスキャンダルが元で左遷され、自分をはめた関係者に復讐を誓い、公安二課長の手駒となり盗聴や監視・尾行を重ねます。
そんな中、顔見知りの幸田を街で見かけた児玉は、彼を尾行することを思いつき、「真言の法」に辿り着きます。巨額の金を生み出す新興宗教団体の闇。そこに嚙みついた児玉は、自らもどんどんと暗い闇に引きずり込まれていきます。
- 著者
- 馳 星周
- 出版日
- 2011-12-24
この作品は、読み進めるとすぐに気がつくように、実際に起こった宗教団体のテロ事件を題材にしています。児玉や幸田は作品の中にしか登場しませんが、その他の一連の事件や教団の内部事情はかなり現実に近いものがあり、馳星周は相当な探求心を持って取材に臨んだのだと感じます。
史実に基づいて書かれた作品ではありますが、あの事件に馳ならではのダークさとエンターテインメント性を加えており、人間が堕ちていく様を書くテクニックは見事の一言です。
- 著者
- 馳 星周
- 出版日
- 2015-09-18
舞台は返還直前の沖縄。孤児院出身で英字新聞社「リュウキュウポスト」の記者である伊波尚友は、日々ぶつけどころのない怒りを抱え、何とかしてグリーンカードを手に入れてアメリカへ渡りたいと考えていました。
ある日伊波は、米軍関係者からスパイの話を持ち掛けられ、その話に乗ります。スパイとして優秀な働きをし、数々の情報を集めることに成功しますが、伊波にとって米軍さえも憎しみの対象でありました。
伊波と同じ孤児院出身の女性活動家・照屋仁美や、天才的な頭脳を持つ「遊び人」比嘉政信など、伊波は彼らの存在に影響を受けながらも、危険な方へと導かれるように進みます。
- 著者
- 馳 星周
- 出版日
- 2012-02-25
この作品は、2017年現在でも米軍基地のある沖縄という地の、課題や怒りを浮き彫りにした作品です。沖縄はリゾートや楽園といったイメージもありますが、とても多くのものを背負った地であり、この作品はそれらを忠実に表現しています。
馳星周は他にも沖縄を舞台にした作品をいくつか発表していて、この地に並々ならぬ思い入れを感じます。米軍に対する怒り、また沖縄の人々に対する歯がゆい思い。単なるノワール小説ではなく、読後にとても考えさせられる作品です。その重さと、返還前の混沌とした沖縄を感じながら、時折感じる馳星周節も味わいつつ、読み進めていってください。
アウトローの登場するノワール小説だけでなく、優しくしっとりした物語まで幅広く描く馳星周。ぜひいろいろな作品を読んでいただけたらと思います。