何かと忙しく過ぎていく日々。気づくとゆとりなく過ごしていませんか?少し立ち止まって、今日は涙を流して心の掃除をしませんか?大人になって失ってしまった「何か」に響くおすすめの小説をご紹介します。

すい臓を病んでしまった少女と主人公の闘病生活を描く感動の物語と安易に想像してしまいますが、実は二人の青春を焦点にしている作品です。全体的に軽い調子で進んでいく会話が、一見「死」からかけ離れているように流れていきます。しかしその少女の発する言葉には「死」を連想する言葉が散りばめられており、逃れられない「死」のにおいが濃厚です。
- 著者
- 住野 よる
- 出版日
- 2017-04-27
更に数十年後、二人は老人ホームにいます。アリーはアルツハイマーに罹り、記憶を失ってしまいます。そこでノアはアリーのために二人の軌跡を書き綴り、毎日毎日アリーに読み聞かせるのです。
- 著者
- ニコラス スパークス
- 出版日
sideB
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
- 2015-12-04
放送部員となった真弓子は、ある日失敗して落ち込んでしまいます。そこに大河原が、君の声はいいと褒めてくれ、真弓子の心に恋心が芽生えました。しかし、気持ちを伝えられぬまま、大河原は下級生の蔦岡るいと付き合い始めてしまます。二人を見守ることしかできない真弓子…それが歯がゆくて歯がゆくて、受け身すぎる真弓子に思わず読みながら、頑張れ‼と叫びそうになってしまいます。
- 著者
- 山本 幸久
- 出版日
- 2013-07-24
それは、「家族を悲しませたくない」「家族に『楽しい』を感じていてほしい」という三村の優しさなのですが、その遺される家族のために考えたことが、自分の死後に家族を支えてくれる人、つまり…妻の再婚相手を探すという企画でした。びっくりしてしまうようなシナリオがタイトルと繋がり、クスリと笑みが零れます。
出てくる登場人物達の悪意のないユーモアがそれぞれ微笑ましかったりします。余命宣告されていることをつい忘れてしまうテンポで展開されていくストーリーですが、笑わせて知らぬ間に胸をジンワリさせてくれます。
- 著者
- 樋口 卓治
- 出版日
- 2015-02-13
「好意を注ぐのは勝手だけれど、そちらの都合で注いでおいて、植木の水やりみたいに期待されても困るの」とは、健吾に対して放った華子のセリフ。彼女の生き様を如実に表した印象的なセリフだと言えます。読み手としては、健吾に同情しつつも、華子に共感の念をも抱くのではないでしょうか。
- 著者
- 江國 香織
- 出版日
人と人とが深く繋がるとき、それはつまり愛というのでしょうが、そこには痛みが生じます。そしてその痛みは言葉や時間が癒してくれます。ムコはツマと初めて出会った時、そして何かあるたびに言います。「大丈夫ですよ。」きっとこの一言が安心の素で、優しく包まれているという安らぎを生み出しているのだと思います。
- 著者
- 西 加奈子
- 出版日
- 2008-03-06
アメリカの小説家、トルーマン・カポーティによって執筆された本作。表題作の他、短編3つが収録されており、村上春樹が翻訳をつとめたことでも知られる作品です。オードリー・ヘプバーン主演の映画が有名ですが、原作となる本書も、映画の魅力に負けず劣らずの名作です。
『ティファニーで朝食を』の主人公「僕」は、何年も前から行方が分からなくなっている、ホリー・ゴライトリーという女性のことを思い出します。今では立派な作家となった「僕」ですが、当時は作家を目指し、ニューヨークに出てきたばかりの青年でした。あの頃アパートには、ホリー、「僕」、ユニオシの3人が暮らしており、アパート内に入る扉の鍵をいつも持っていないホリーは、真夜中でもお構いなしに「僕」やユニオシの部屋のベルを鳴らしていたのです。
女優であるホリーは、天真爛漫で自由気まま。アパートでもしょっちゅうパーティーを開き大騒ぎです。ですが、身勝手な中にもどこか誠実さが漂う彼女に、「僕」はいつしか心惹かれるようになっていくのでした。
- 著者
- トルーマン カポーティ
- 出版日
- 2008-11-27
舞台となっているのは、第二次世界大戦中のニューヨークです。当時の街並みや人の様子が、味わい深い文章で繊細に表現され、その世界観に引き込まれていきます。主人公の視点から描かれる、どこまでも自由で、掴みどころのないホリーの姿は本当に魅力的。そんな彼女に惹きつけられていく、主人公の心理描写に思わず共感してしまうことでしょう。ホリーの内面に隠した苦悩を感じ取ることもでき、ますます彼女に魅了されていきます。
村上春樹のスマートな翻訳はとても読みやすく、翻訳モノが苦手な方でも違和感なく読めるのではないでしょうか。映画とは、だいぶ印象の違う作品になっていますから、映画で知っているという方も、そうでない方も、ぜひ1度読んでみてくださいね。
古風で物静かな女性麻子。タイトルの『冬のひまわり』は麻子のことを表しています。優しい夫を持ち、穏やかな生活を続ける麻子。しかし彼女には20年も思い続けている人がいました。学生時代に出会った透です。
外国に行っていたはずの彼が日本に戻ってきたとき、ふたりはひとつの奇跡に賭けます。ふたりの思い出の地、鈴鹿での二輪耐久レース会場。人妻の身でありながら、毎年夏になると麻子はそこに出かけずにはいられませんでした。麻子はその夏、会場で透に会えなかったら彼をふりきろうと決意します。でも、もし出会えたのなら……。
- 著者
- 五木 寛之
- 出版日
物静かな序盤、中盤と一転し、終盤はレースの高揚感と麻子、透二人の気持ちが高まり一気に緊張感が高まります。
遠い昔の恋を忘れず思い続ける純粋な麻子、そしてその麻子が帰ってくることを信じてなにもいわずに見守ってくれる麻子の夫、良介。ラストシーンでの良介の涙には思わず「健気」という言葉が漏れました。男性側にこの言葉が似合うというのも珍しいです。
一緒にいて居心地のいいワタルと、出会った瞬間に惹かれてしまった早瀬との間で揺れる主人公、ナズナの恋です。
ワタルを愛しているが、早瀬への恋心を止められない。そんなナズナの心のうちがひしひしと伝わってくるのです。
似たような傷を抱えるからか共鳴し早瀬に惹かれていきますが、その傷を癒してくれたワタルを大切にしたい想いも持っています。どちらもナズナの純粋な気持ちで、誰も悪くないからこそ苦しくなります。
最後にナズナの選んだ道と、驚きのラストに涙があふれるでしょう。
- 著者
- 小手鞠 るい
- 出版日
- 2009-06-04
恋と愛。本作ではその違いを描き出しています。
人を好きになるときはあまりに唐突のため、誰にだって非はないでしょう。三角関係ですがドロドロした感じはなく、清廉な空気を感じさせるのが小手鞠るいの妙。恋と愛の間で揺れ動き、どちらを失ってもなおナズナの心には純粋な想いが残ります。ナズナの心情にすべて共感することはできませんが、それでも否定はできません。
自分自身の今までの恋愛は愛だったのか、恋だったのか。そっと問いかけてくれる作品です。
この物語の中には3つの恋愛があります。①共に編集者として働く森下一浩と夏美の夫婦 ②一浩と女子大生の冬子の不倫 ③夏美と郵便局員の成生の不倫 ダブル不倫ですね。さぞかしドロドロしているのでしょうと思われるかもしれませんが、読んで驚いていただきたいです。背油が乗っているのにサッパリしているとんこつラーメンとでも言いましょうか。どうしてこんなにサッパリと不倫を描けるのか、不思議です。その中でも気に入った文章を抜き出したいと思います。
- 著者
- 山田 詠美
- 出版日
- 2003-01-15
何かに追われる日々に休息のひと時を。今回紹介した作品が、貴方の心を優しく包み込んでくれると思います。