ひらめきの小悪魔がすべてを解決!
松岡圭祐の「万能鑑定士Q」シリーズの姉妹作にあたるのがこちらの『特等添乗員αの難事件Ⅰ』です。「万能鑑定士Q」シリーズとはまた違ったヒロインが登場します。
中学を卒業して以降ずっと実家暮らしのフリーターをしていた浅倉絢奈は、キャビンアテンダントをしている姉から「クオンタム」という旅行会社の採用試験をすすめられました。しかし結果は不採用。落ち込んだ絢奈はバーでヤケ酒を飲んで酔いつぶれてしまいます。
時を同じくしてそのバーには官僚・壱条那沖も来店していました。彼はバナナの密輸入の強制捜査が失敗に終わった責任を取らされて観光庁に左遷されたばかりでした。
昼間に偶然「クオンタム」に立ち寄っていた那沖は絢奈の添乗員実技試験の現場を目撃していたのです。
添乗員として基本的な知識さえ無い絢奈を見て確実に不採用だろうと感じていた那沖ですが、「クオンタム」の社長に絢奈の間違いだらけの筆記試験答案を見せられた時、心に引っかかりを覚えていました。
彼女の答案は確かに試験の解答としては不正解でしたが、設問の答えとしては成り立っているものばかりでした。那沖は彼女には自分の論理的思考(ロジカルシンキング)とは真逆の水平思考(ラテラルシンキング)の才能があるのではないかと感じ取っていたのです。
バーのマスターの謎かけにあっさりと答えていったこと、そしてバーのテレビで流れた映像に対する絢奈の発想に、那沖はその才能を確信しました。
そうして絢奈は那沖の専属運転手であり、元教育係である能登に水平思考(ラテラルシンキング)の使いこなし方と一般的な教養を叩き込まれることになり……。
- 著者
- 松岡 圭祐
- 出版日
- 2012-02-25
水平思考(ラテラルシンキング)とは思いつきやひらめきによって答えを出すという思考法です。作品の随所で絢奈のひらめきの数々を見られます。
また、絢奈が水平思考(ラテラルシンキング)の使いこなし方を身につける過程もストーリーと連動して描かれているので、ストーリーを追いながら彼女の成長も共に楽しむ事ができる、松岡圭祐の作品となっています。
探偵を調査する探偵の事件簿!松岡圭祐が復讐に燃えるヒロインを描く
北川景子主演でドラマ化もされた作品です。
探偵を調査する探偵・紗崎玲奈が活躍する『探偵の探偵』はこれまでの作品と異なり、非常にハードボイルドな内容となっています。
探偵養成所であるスマPIスクールに入学した紗崎玲奈。彼女にはストーカーに妹を殺された過去がありました。
未成年である玲奈がスクールに入学してきたのを不審に思った社長の須磨は彼女を調べ、過去の事件の事、そして事件が起きた原因がストーカーに妹の情報を与えた正体不明の探偵にある事を知ります。
玲奈の入所目的がその探偵への復讐にあると感じた須磨は彼女を退所させようとしました。しかし玲奈の涙ながらの訴えを受け、ある条件と引き換えに彼女を本格的に探偵として養成しました。
2年後、玲奈は須磨が経営する調査会社「スマ・リサーチ」の社員となり、新設された対探偵課という部署に配属されます。
それは玲奈の為に須磨が作った彼女1人の部署でした……。
- 著者
- 松岡 圭祐
- 出版日
- 2014-11-14
「万能鑑定士Q」シリーズや「特等添乗員α」シリーズと違い、殺人事件や暴力行為などの描写が出てくるなど、緊張感溢れるシーンが多いです。
本作のヒロイン・紗崎玲奈は笑顔を見せることのないクールな女性で、どんな事態にも冷静に、時には暴力や違法行為すれすれのことも辞さずに対処します。
しかし物語が進むにつれ、彼女の抱く葛藤や悲しみが明らかになっていき、とても引き込まれる松岡圭祐の作品となっています。
松岡圭祐の作品をお得に読む
文科省のヒラ事務官はどんな不正も見逃さない!
文部科学省勤めの公務員であるヒロインが活躍する作品が『水鏡推理』です。
ヒロインである水鏡瑞希は国家一般職試験に合格し文科省に入庁した事務官で、官庁勤めの公務員といっても下っ端にあたります。
総合職と一般職の関係性などもリアルに描かれている松岡圭祐の作品です。
文科省一般職事務官の水鏡瑞希は東日本大震災の仮設村で、被災者のある不正を暴きます。
その事を問題視され、瑞希は「研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース」に異動になります。
そこでは書類整理などの雑用ばかりをさせられ、意見しようとすると総合職官僚達から冷たい視線を送られます。
しかし、税金の不正使用を決して許せない瑞希は、持ち前の推理力を武器に研究機関の不正を次々と暴いていきます。
不正を見過ごせない正義感と行動力には、彼女のつらい過去が関係していました……。
- 著者
- 松岡 圭祐
- 出版日
- 2015-10-15
霞ヶ関を舞台に、様々な悪事をヒロインが暴いていくというストーリーになっています。
瑞希が所属するタスクフォースですが、実は文部科学省に実在する部署なのだそうです。東日本大震災などの時事的な要素もふんだんに盛り込まれています。
ヒロインが不正を次々と暴く様が痛快で、楽しく読める松岡圭祐の作品です。はまること間違いなし。