理想の女はいかにしてつくられたのか
6歳の時、父に連れられて行ったルーヴル美術館で、大兄太子はミロのヴィーナスに強く魅入られます。それから女性の身体に強い興味を持つものの、その心を理解することはできませんでした。それから勉強を続けた太子は東大に進み、物理分野で研究成果を上げます。
そこで研究室の同僚となる越智に出会います。越智は婚約者に裏切られたことがあり、女性にトラウマがあるという共通点を持つ二人は、大兄が身体を、越智が心を担当することで、この世で一番の女性を作り出そうとしますが……。
- 著者
- 野崎まど
- 出版日
- 2013-09-20
様々な実験を経て13年後、「憧れの従順な少女機関」(Yearing-Obedient Maiden Engine)Y-omeと名付けられた組織は、やっと一体の女体を作り出し、心を入れるところまでたどり着きました。唯一の希望である理想の女性、つまりファンタジスタを作り出せるのでしょうか。
アニメ「ファンタジスタドール」の前日譚とありますが、予備知識などがない方でも問題なく楽しめます。アニメをご存知の方にも、ご存じでない方にもおすすめの作品です。
傑作『2』へと続く野崎まどのデビュー作
二見遭一は、映画学科役者コースに在籍する20歳の学生です。ある日、撮影コースの華である画素(かくす)はこびに声をかけられ、彼女の撮る映画に役者として出演してほしいと頼まれます。そして監督である1年生の天才、最原最早が書いたというコンテを渡されます。月の海と題されたコンテを読み始めると、魅力にとりつかれ、なんと2日も読み続けてしまうことに。
そして二見は最原が作ったコンテ、最原自身に魅かれ撮影にのめりこんでいき、ついに映画は完成するのですが……。
- 著者
- 野崎 まど
- 出版日
- 2009-12-16
映画でできることは何でしょうか。人を感動させること。怒らせること。夢を変えてしまうこと。考えを180度変えさせること。
では、人格を変えることはできるのでしょうか。
天才を超えた神ともいうべき最原が作り出した映画で、二見と最原が見たもの、望んだものはなんだったのでしょうか。
あなたは最後まで自分を見失わずに、この映画を見ることができますか?
創作とは愛である
数多一人は、超劇団「パンドラ」の入団試験を乗り越え、ついに劇団員になれるのですが、とある新人がやってきたことにより、何と劇団は解散してしまします。数多とふたりで残された稽古場で、最原最早と名乗る新人はこう言いました。
「映画に出ませんか?」
全ての創作は、人の心を動かすためにある。人を愛したいから、創らずにはいられない。そう言った最早は、一体どんな映画を作ろうとしているのでしょうか。
- 著者
- 野崎 まど
- 出版日
- 2012-08-25
先にご紹介した『[映]アムリタ』の最原最早が登場します。それ以外に、『舞面真面とお面の女』、『死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~』、『小説家の作り方』、『パーフェクトフレンド』の計5作品に出てくる登場人物が出てきます。
単品で読んでも面白い作品ですが、登場人物が出てくる他の5作品を読んでからのほうが、何倍も楽しめます。最初の方はミステリー系ホラーのように思えますが、最後の方では、やはりテーマは愛なのだと思わずにはいられない、なんとも心温まる作品です。