2: 事件×科学!『ガリレオ』シリーズ
『探偵ガリレオ』をはじめとする『ガリレオ』シリーズは、実写化が大ヒットしたことにより、東野圭吾の小説シリーズでも、最も知名度が高いと言えます。大学の物理学助教授である湯川学が、科学を駆使して、不可解な難事件を解決していく小説シリーズです。
- 著者
- 東野 圭吾
- 出版日
- 2002-02-10
難解なミステリーと、圧倒的な人間描写のイメージが強い東野圭吾が、工学部時代の知識をフルに発揮した小説です。読者に科学的な知識がなくとも、説明内容はわかりやすく、ページを捲る手が止まることはありません。まるでパズルゲームのように、淡々とピースをはめていく感覚でミステリーを楽しめるシリーズです。
『探偵ガリレオ』のような短編集は、湯川学が科学的に事件を解決していく姿を楽しめます。一方、長編は、人間描写が濃く、深く描かれています。『容疑者Xの献身』は、湯川が「天才」と言わしめた数学の教師で旧友の、石神哲哉が起こしてしまった悲しい事件を、湯川自身が苦悩しながら追い詰めていく、東野圭吾特融の人間描写も楽しめる内容となっています。
事件も科学も人間描写も楽しめる。読了後は、満足感に浸れること間違いなしの小説シリーズです。
3: 推理小説にはルールがある『天下一大五郎』シリーズ
事件、探偵、謎解き…ただの推理小説かと思いきや、推理小説のお決まり事や暗黙の了解を、皮肉とユーモアを交えつつ、突っ込みを入れていく、探偵小説の舞台裏を描いたコメディ色の強い小説シリーズ。
- 著者
- 東野 圭吾
- 出版日
- 1999-07-15
『天下一大五郎』シリーズでは、自称、頭脳明晰・博学多才・行動力抜群の名探偵である天下一大五郎と、事件をミスリードしたり、間違った推理をしたりするへっぽこ警部の大河原番三が、主な登場人物として描かれます。一見、よくある推理小説ですが、二人は事件の最中、舞台裏へ身をひそめ、事件の問題点などを論議したり、愚痴をこぼしたりします。
推理小説好きが読むと、思わず「わかる!」と頷けることが多く、笑いながら楽しむことができる小説です。「事件に困ったらとりあえず密室にする」「死にかけなのに、ダイイングメッセ―ジを書く余裕がある」「実写化すると、なぜか登場人物が美女になる」等々、ある意味「推理小説殺し」小説とも言えるでしょう。
4: しのぶセンセと少年たちが事件を追う『浪花少年探偵団』シリーズ
『浪花少年探偵団』をはじめとする、大阪の大路小学校の6年5組の担任・大内しのぶと、少年探偵団が身の回りで起きた事件を解決していく推理小説シリーズ。
- 著者
- 東野 圭吾
- 出版日
- 2011-12-15
タイトルを聞くと、「子供向け?」と思いますが、他シリーズ同様、難解な殺人事件が起こります。大内しのぶは、外見とは裏腹に負けん気が強く、口も達者で大雑把な性格です。好奇心旺盛でお節介なので、目の前の厄介事は放っておけず、あらゆる事件に首を突っ込みます。大内の教え子である、田中鉄平や原田郁夫、大内しのぶに思いを寄せる新藤刑事も事件に巻き込まれていきます。
「しのぶセンセ」の愛称で親しまれる大内しのぶは、関西人からみると「こんなおばちゃんおるな」となじみ深く、共感を持てる先生です。東野圭吾らしい難解な事件を楽しめると共に、しのぶセンセを取り巻く人々の人間模様も詳細に描かれており、人間味あふれる、ほっこり笑える小説シリーズです。