児童文学を中心に、エッセイや時代小説など、幅広い作品を世に送り出す人気作家、あさのあつこ。ドラマや映画、漫画にアニメなど、メディアミックスも多くされている作品群を紹介します!

夏の甲子園を目指して高校野球の地区予選を勝ち進んできた県立采女高校は、過疎の町にある地元唯一の県立高校です。初めての甲子園を夢見る地元住民の応援を受け、鴻山真郷はバッターボックスに立ちます。しかし状況は九回の裏ツーアウト、ランナー無し、すでに相手に4点差をつけられた絶望的な状態の中、真郷はこれまでの自分を回想するのでした。
中学時代の3年間をピッチャーで四番打者、常にチームのエースとして活躍してきた真郷には高校からのスカウトもありましたが、父を亡くし母子家庭だったこともあり地元の高校に進学します。そして高校2年の時に肩を壊しピッチャーを辞めるのですが、真郷は肩を壊す以前から自分の野球の才能に限界を感じていたのです。ただ野球が好きで野球をすることが楽しかった少年は、努力だけでは突破できない壁を知り、自分の才能では超えられない山があることを思い知らされ、心に鬱屈を貯めていきます。
- 著者
- あさの あつこ
- 出版日
- 2010-06-25
物語はその後、野球が大好きな少女、かつて野球少年だった中年男性、野球選手を夢見ていたのに死んでしまった少年の母親などを主人公にした話が描かれますが、全ての主人公は何らかの形で野球に関わりをもっています。
人は野球に限らず様々なスポーツ、または勉強や仕事や人間関係といった経験を通して、自分の思い通りにならないことや失敗すること、努力してもどうにもならないことに突き当たり、挫けたり悩んだりします。また周りの誰かと自分との比較によって傷つくこともあるでしょう。そのような誰にでもある様々な経験を「野球」と「甲子園」という分かりやすいビジョンに絞ることによって、読者には登場人物のそれぞれの人生がより鮮明に想像できます。
そして物語は最後に再び真郷の立つ球場へと戻ります。全ての物語を読んだ後、たとえ野球を知らない読者でも爽やかな感動につつまれ、きっと胸が熱くなることでしょう。
- 著者
- あさの あつこ
- 出版日
- 2008-08-07
- 著者
- あさの あつこ
- 出版日
- 著者
- あさの あつこ
- 出版日
- 著者
- あさの あつこ
- 出版日
- 2003-12-25
- 著者
- あさの あつこ
- 出版日
- 2006-10-14