花村萬月(はなむら まんげつ)はアンダーグラウンドに生きる人々が傷ついたり傷つけられたりしながらも強く生きていく姿を描いた作品が多い作家です。今回はそんな花村作品のおすすめを6作ご紹介します。

花村萬月の作風を知っていると少し驚きますが、ブルース、ヤクザ、楽器やバイクなどといった彼に欠かせないディテールも既にしっかりと含まれています。
- 著者
- 花村 萬月
- 出版日
- 著者
- 花村 萬月
- 出版日
この作品は冒頭からバイオレンスなのですが、そこを乗り越えれば、素晴らしく面白い物語だとわかります。芥川賞受賞作という輝かしい形容詞を取っ払っても、ありあまるエネルギーの強さに息がつまるような感覚を味わえます。できれば元気なときに読んでいただきたい1冊です。
ちなみに、作品中の修道院兼救護院の描写には、少年時代の花村萬月がキリスト教系養護施設で経験したことなどが反映されているそうです。巻末にある小川国夫との対談によれば、キリスト教聖職者による子供への虐待については、花村自身も実際に体験したとのことなのだとか。
『ゲルマニウムの夜』は芥川賞を受賞し、2005年に実写映画化もされました。映画にて監督を務めたのは大森立嗣。彼の監督デビュー作にもなりました。大森立嗣について詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。
孤独な男と女が出会い、なし崩しのように結ばれ、互いの再生に向かっていく物語です。当然ながら、エロティシズムもアウトローっぽさもあるのに、どことなく優しく爽やかな雰囲気が感じられる不思議な作品。特に諏訪が有美に麦わら帽子を買ってやるシーンなどはなんともいえない可愛らしさに満ちています。花村萬月の作品の中でも、かなりおすすめです。
- 著者
- 花村 萬月
- 出版日
- 2000-02-15
「だからこそ、最後まで嘘をつきとおす。俺たちは宗教団体なのさ。だから、嘘に命をかける。嘘の殉教者にさえなる」と言いながら、山崎はこの疑似家族のような関係を守ろうとします。だからこそ、敵対するものに対して山﨑は苛烈で暴力的になり、家族を破壊するものに対して一切の容赦はしません。
- 著者
- 花村 萬月
- 出版日
前にあげた芥川賞受賞作『ゲルマニウムの夜』の原型でもある作品なのだそうです。生を「性」として描き、死を暴力と殺人という形で表現し、特殊な造形のピカレスクヒーローを彩っています。ストーリーは少しばかり強引で粗削りな部分もありますが、イグナシオが愛する3人の女性が実に鮮烈なリアルさを持っていて、素晴らしい描き方をされています。これを読むだけでも、この作品を手に取った価値はあります。
- 著者
- 花村 萬月
- 出版日
何やら尋常じゃない印象を受ける小説『ブルース』は、個性的なキャラクターに彩られる暴力小説です。
- 著者
- 花村 萬月
- 出版日
波瀾万丈の人生経験を反映したような濃厚な作風が多い花村萬月ですが、尖ったものばかりではありません。是非とも手にとって、その世界を楽しんでいただければと思います。