女性の心の深層から普遍性あるテーマを描ききる小説家林真理子
小説家林真理子は女性の感情、特に負の感情と呼ばれる嫉妬やそねみなど、普段我々が目を背けたくなるようなドロドロとしたものに焦点をあて、文学としてそれらを昇華させる手法を得意とする小説家です。
しかしそんな負の感情をテーマに描かれたそれらの小説を読んだ読後感はどこか爽やかな読後感があります。数々の困難の中でひたむきにそれらを乗り越えていくという女性が多く描かれます。勇気と自分を信じる心を分けてもらうことが出来る、そんな読者が前向きに生きることができる実用的な知恵も多く散りばめられた作品が多いと言えるでしょう。まさに人間の善なる心、ひたむきさを描いた作品群となっています。
ここでは、そんな林真理子作品を読んだことがないという人向けに入門編として最適な作品をランキング形式でご紹介していきたいと思います。女性の人生というものを多様な切り口で描かれた読み応えのあるものばかりです。それでは初心者にもピッタリのおすすめ5作品を紹介していきます。
5位 キャリア女性の感情渦巻く人間ドラマ 『コスメティック』
題名からわかるように、化粧品業界を舞台としてそこに携わる人々のドロドロとした人間ドラマの現実感あふれる作品です。まるでその場にいるかのようなリアルな筆致で描き切った林真理子の代表作の一つです。
- 著者
- 林 真理子
- 出版日
これは彼女の得意とする人間の負の感情を描いた、言わば真骨頂と言っていい作品でしょう。働く女性のリアルな困難が数々物語の中で起こります。それら困難にさらされる女性の内面や行動を精密な視点によって描いた、現在の働く女性必携の書であると言えるでしょう。
主人公沙美は激しいPR戦争が繰り広げられる化粧品業界で働くキャリア女性。嫉妬や裏切り、そして不倫など深く暗い人生の渦に巻き込まれ時にめげながら、それでも真っ向から立ち向かう、まっすぐな働く女性像を描いた作品となっています。
彼女の作品の初心者にもその作風が理解しやすい、独自の作風エッセンスが凝縮された一冊と言えます。入門編としては最適です。
4位 大好きな本を携えて、波乱の人生を歩む『本を読む女』
この本は、人生の荒波に翻弄されながらも懸命に生きた女性の生涯を描いた大河小説です。
- 著者
- 林 真理子
- 出版日
- 2015-06-25
舞台は大正時代。裕福な菓子商を営む両親のもとで生まれ、学業優秀であった万亀は女学校に進む。やがて学校を卒業し教師として人生を歩んでいく。進学や就職、そして結婚など数々の人生の試練に晒されながらも、彼女は大好きな本を携えて立ち向かっていく…。
大正時代という今よりも女性の自由が制限されていた時代を舞台に、大好きな本の言葉の数々に助けられ勇気と想像力をもって力強く生きた女性の姿を描いた作品。林真理子初心者の皆さんにもおすすめの一冊です。生きていく勇気をもらえる一冊です。