ヤッさん
小説で一番難しいのは「色」と「食」―。 そんな例えがあるほど、「食べ物」に関する小説の描写は読者に深い印象を与える、重要なシーンとなります。 単なる食事というだけではなく、登場人物の心象やその時の状況、または物語の展開に影響することもある大切な小道具でもありますね。 近年では「料理」を題材にした作品が増えてきました。それも味覚にまつわる人間ドラマを描き出す、重厚な内容の小説が人気です。 一皿に込められた思いが胸を打つ、料理が際立つおすすめ小説5作品をご紹介します!

タカが連れて行かれたのは築地市場。勝手知ったる様子で一軒の魚屋さんに入ったヤッさんにすすめられるまま、手にしたのは「マキ」と呼ばれる車海老の小さいものでした。頭をとってミソを吸い、殻を破ってぷりぷりの身をそのまま口に入れると、信じられないような弾力と甘味に魅了されてしまうのでした。ヤッさん
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ヤクザと同居しながらの就活という異常事態にも関わらず、やがて良太は柳刃の男らしい生き方に憧れを抱くように。そして面接前のある日、食事をとる余裕もなく出かけようとする良太に、柳刃はありあわせのレトルトカレーにスパイスを加え、大阪風のドライカレーを用意します。
- 著者
- 福澤 徹三
- 出版日
- 2014-12-04
それを象徴するのがレシピの最後に挙げられた「すっぽん雑炊」。
- 著者
- 田中 経一
- 出版日
- 2016-08-05
そこで元刑事の経験を活かし、店主自ら探偵さながらの調査を重ねて思い出の味の再現に取り組むのです。
- 著者
- 柏井 壽
- 出版日
- 2015-05-08
長崎滞在中のある日、いつものように朝帰りしたところ、朝食中の龍馬にばったり出くわします。気まずい思いから陽之助はおどけて、龍馬が食べようとしていた厚揚げの煮付けをせがむのです。
- 著者
- 司馬 遼太郎
- 出版日
- 1998-09-10
これらはすべて、「食べさせる側」、「作る側」の視点がメインとなっています。
それは単なる「グルメ」という言葉では表現しきれないような、食べてくれる人のことを思いやる心を描いた物語です。
読みながらお腹が空いてしまうのはもちろんのこと、きっと大切な誰かに一皿の料理を食べさせてあげたくなるのではないでしょうか?