「万城目ワールド」とよばれる独特な世界観をもつ万城目学。ファンタジー作家ではありますが、ファンタジーだけではないんです。ここではファンタジーだけじゃない万城目学作品をランキング形式でご紹介します。

本作は、西遊記をベースにした作品です。猿の孫悟空、豚の猪八戒、河童の沙悟浄が三蔵法師を守りながら旅をするという物語で、乱暴者だけれども強くて機転が利き頼りになる孫悟空と、食いしん坊でお調子者の猪八戒の2人が主に原作の物語を盛り上げていますが、本作は西遊記では特に目立つところのない沙悟浄を主役に描かれています。
ある日、三蔵法師の一行は孫悟空の留守中に敵の妖怪に捕らえられてしまいます。縛られて閉じ込められている間、沙悟浄は昔から気になっていた猪八戒の過去の事を聞いてみることにしました。
沙悟浄が以前に天界の人々から聞いた話によると、猪八戒は豚の妖怪に転生する前は、神々の世界で「天蓬元帥」と呼ばれ天の川の水軍を従える無類の戦上手の武将だったのですが、酒席で酔った勢いで天女に言い寄ったため罰として下界に落とされたのだというのです。今の猪八戒を見る限り到底信じられないという沙悟浄に、猪八戒は自分の過去を話し始めるのでした。
- 著者
- 万城目 学
- 出版日
- 2016-12-23
表題作の「悟浄出立」の他、中国の史記や三国志などの古代中国の物語に着想を得た短編が続きますが、どの話も共通して原作では脇役もしくはほとんど描かれていない人物を主人公にしています。
原作の脇役にスポットを当てて別角度から原作を解釈する作品は珍しくありませんが、歴史をモチーフにした作品に定評のある作者は、それぞれ原作の意外な所に着目し、原作を存分に生かしつつ巧みなアレンジを織り交ぜ、独特な面白さと新たな感動を作り出しています。
巻末に「著者解題」として万城目学が原作を簡潔に紹介していますので、この部分を先に読んでから本作を読むのも楽しいかも知れません。知的好奇心を高めてくれる一冊です。
本作は、何小説とカテゴライズしにくいいろいろな要素を持っています。ひとつは万城目学作品に共通するSF・ファンタジーですが、他にも琵琶湖をテーマとした地元の伝承や地域性などの歴史的背景や、高校生活における青春小説な部分なども持っています。
- 著者
- 万城目 学
- 出版日
- 2013-12-13
- 著者
- 万城目 学
- 出版日
- 2013-01-25
- 著者
- 万城目 学
- 出版日
- 2016-09-02
- 著者
- 万城目 学
- 出版日
- 2009-02-25
- 著者
- 万城目 学
- 出版日