北海道を舞台に綴られる警察小説の数々。直木賞作家・佐々木譲作品の魅力を、まだ読んだことのないあなたにご紹介します。迫力あるミステリーを通じて、北海道という土地ならではの面白さや怖さも同時に堪能できる”一冊で二度おいしい”作品たちです。

3部構成で、警官を描いた物語です。1部は祖父、2部は父、そして3部は子供。親子3代に渡る約60年間を描いた作品となっています。
警察小説となると、勧善懲悪のストーリーを予想される方がいらっしゃるかもしれませんが、この作品はそれに当てはまりません。
正義とは何か。正義の為に、小さな悪は見逃せるのか。また、親子3代に渡って受け継がれるものの強さ。そういったものを描いています。
- 著者
- 佐々木 譲
- 出版日
- 2009-12-24
戦後間もなくの日本、東京の天王寺周辺地域。そこで1部の主人公である「清二」が警官の採用試験を受けるところから物語が始まります。無事警官となった清二は天王寺の駐在へ。
ある夜、駐在のすぐそばにある五重塔に火災が発生します。火災騒ぎの陰で清二は謎の死を遂げることに。物語は清二の息子である民雄を主人公に、2部へ。そして最終的には、清二の孫にあたる和也を主人公とした3部へと突入していきます。
それぞれの章で主人公と共に時代も移り変わります。事件内容もその時代独特のもの。1部では戦災による浮浪者や強盗グループ・詐欺グループによる事件や抗争。2部では昭和の学生運動・過激派の活動が主になります。作中では実際にあった事件にも触れる部分があり、その時代の空気がどんなものであったのか、生々しく見事に表現されています。
また、時代だけではなく、主人公の個性も三者三様。謎を引き継ぎつつも、それぞれがどう生きたのか、そして何を感じたのかが描かれており、1つの章が1つの物語として独立しています。しかしながら、主人公3人の根底にあるのは、自身の信念を貫く強さ。読んでいる内に、タイトルに込められた本当の意味がわかります。
この作品はミステリーではありますが、同時に人間ドラマでもあります。最後の1文を読み終えた時には、清々しさを感じられる作品です。
- 著者
- 佐々木 譲
- 出版日
- 著者
- 佐々木 譲
- 出版日
- 2012-01-04
- 著者
- 佐々木 譲
- 出版日
- 2009-01-28
- 著者
- 佐々木 譲
- 出版日
- 著者
- 佐々木 譲
- 出版日
- 2008-05-15