江國香織って名前は聞いたことあるけど読んだことない。そんな人におすすめするのがこちらの13作品。ランキング形式でご紹介します。

物語は、38歳の画家である主人公の女性が日記を綴るように進んでいきます。
主人公の恋人の事や妹の事、日々の出来事などが主人公の目線から語られていますが、その合間に主人公の幼い日の出来事やその時感じた事などが織り交ぜられて語られ、読者は主人公の現在と過去を行き来することで主人公の抱える淋しさや不安といった感情を体感させられるのです。
実際に起こったことを語っているはずの主人公の言葉はどこか儚げで幻想的で、思想や行動に重力や熱量といったものが感じられない代わりに、主人公が常に悲しみをまとっていることが感じられます。
主人公は紅茶に添えられた角砂糖のような存在でありたいと望んでおり、それは「役に立たないけれどそこにある事を望まれているもの」という意味なのですが、なぜ彼女がそう望むようになったのかは具体的に描かれていません。
- 著者
- 江國 香織
- 出版日
- 2009-10-28
タイトルの『ウエハースの椅子』とは主人公にとっての幸福のイメージです。「薄くて脆いけれど見事な四角形で作られた、決して腰を下ろせない椅子」で表現される幸福とは何なのか、それについても主人公を動機づける決定的な事や具体的な事は描かれていないのですが、そのことによって読者の想像は読むほどに掻き立てられていきます。
主人公をはじめ全ての登場人物に名前がないことも読者の想像力を広げる要因として作品の奥行きを無限に広めており、作品の解釈は読者自身の経験や感性によって変わることでしょう。
それぞれ自分の解釈を見つけて味わっていただきたい、何通りにも読み解くことのできる不思議な作品です。
東京の神谷町にある広大な洋館に暮らす柳島家の次女・陸子は、ある日両親から兄の光一、弟の卯月と共に小学校に通うようにと言われます。
柳島家では代々子供の教育は家で行うと決められており陸子たちは常に家の中で親や家庭教師から学んでいたため、外の世界をほとんど知りませんでした。小学校に通い始めた陸子たち3人は同年代の子どもたちや学校教育にまったく馴染めず、短期間で学校に行くのを止めて元の生活に戻ってしまいます。
- 著者
- 江國 香織
- 出版日
- 2014-01-17
この物語は、柳島家の人々のそれぞれの人生を描いています。陸子には父親の違う姉もいて、弟の卯月の母親は父の愛人です。
祖父の竹次郎は家業の呉服問屋を廃業して貿易商に転じ財を成した人物で、陸子たちの父親の豊作の家は代々柳島家の番頭を勤めていました。母の菊乃と豊作は親同士が定めた婚約で結婚し、祖母の絹は竹次郎がイギリスで知り合ったロシア人です。さらに柳島家には独身を通す叔父の桐之輔、離婚して戻ってきた叔母の百合も同居しており、物語はこれらの人物が入れ替わり主人公となって柳島家の過去と現在が語られていきます。
各家庭には各家庭が培ってきたそれぞれの文化がありますが、柳島家の文化は非常に独特です。そのため外部の人間に強い違和感を与え、陸子らは異端者として小学校で苛められます。しかし陸子は、自分ではなく学校やその他の生徒たちの方に問題があると断定して外の世界を拒絶するのです。叔母の百合は姑や婚家の雰囲気に馴染めず離婚して柳島家に戻りますが、婚家の方だけに非があるとは言い切れません。
世間と隔絶した空間に存在するかのように長い歴史を刻んできた柳島家は、時代の流れと共に変化せざるを得なくなります。柳島家の子供たちは大人となりそれぞれの人生を選択し、年老いてきた大人たちにもそれぞれの転機が訪れるのでした。
柳島家の人々を通して、家族とは何か、家庭とは何かということ、さらには生きることの意味について改めて深く考えさせてくれます。
本作は「思いわずらうことなく愉しく生きよ」という言葉を家訓とする犬山家の3姉妹を主人公にした物語です。
姉妹の両親は父親の浮気が原因で離婚しており、長女の麻子は専業主婦、次女の治子は外資系のキャリアウーマン、三女の育子は自動車教習所の事務員として、それぞれ別々に暮らしています。
治子は興味を持った男性と肉体関係に至り、その男性と一緒に暮らしています。お互いに気が合い愛し合っているのですが、結婚に興味の無い治子は彼の求婚を受け入れません。
育子は恋愛に夢を抱けず、自分なりの視点で現実と自分の将来を模索しているのですが、肉体関係と恋愛関係が結び付かないため友人の恋人と肉体関係を持つことに違和感や罪悪感がなく、そのことに対して友人が怒ることの方が不思議だと思っています。
麻子は夫のDVにおびえながら暮らしているのですが、そのことを家族に知られないようにしていました。
- 著者
- 江國 香織
- 出版日
- 2007-06-01
3人はそれぞれ人生の決断を迫られる時が来るのですが、そんな時に彼女らの指針となるのが犬山家の家訓です。犬山家の人々は別れて暮らしながらも誰もが強い絆で結ばれていて、その事が3人の姉妹の心の根底を強く支えてくれています。
恋愛は大事ですが恋愛だけが人生の全てではないという事は、むしろ相手と上手くいかなくなった時にこそ見失ってしまうものなのかも知れない事に気づかされると共に、何があっても変わらずに自分を愛してくれる家族の存在は、不幸が襲ってきても乗り越える原動力になることを教えてくれる、勇気づけられる作品です。
- 著者
- 江國 香織
- 出版日
- 1999-05-20
- 著者
- 江國 香織
- 出版日
- 2008-03-07
- 著者
- 江國 香織
- 出版日
- 2003-06-01
- 著者
- 江國 香織
- 出版日
- 2010-02-26
- 著者
- 江國 香織
- 出版日
- 1998-03-02
- 著者
- 江國 香織
- 出版日
- 1999-09-29
- 著者
- 江國 香織
- 出版日
- 著者
- 江國 香織
- 出版日
- 1996-05-29
- 著者
- 江國 香織
- 出版日
- 2002-06-28
- 著者
- 江國 香織
- 出版日
- 1994-05-30
映画化やドラマ化など映像化されている作品が多いため、先にそちらで知っている方もいるかとは思いますが、小説で読むとまた違った感想をもつのではないでしょうか。
少し変わった登場人物が出てくる作品が多いので、初めて読むという方でも面白楽しく読めると思います。