犯罪の周りにうごめく人間の心理にスポットライトを当てた作品を書き続けている薬丸 岳。作品ごとにテーマは違いますが、薬丸作品は、登場する被害者家族、加害者、友人、捜査に当たる刑事、個々の感情の動きを丁寧に表現しています。

- 著者
- 薬丸 岳
- 出版日
- 2008-08-12
- 著者
- 薬丸 岳
- 出版日
- 2011-05-13
- 著者
- 薬丸 岳
- 出版日
- 2014-07-15
- 著者
- 薬丸 岳
- 出版日
- 2012-06-15
- 著者
- 薬丸 岳
- 出版日
- 2015-09-16
もし、あなたの友達が大罪を犯した罪人だったなら。あなたは、それでも友人として付き合っていけますか?
薬丸岳著作、『友罪』はそんな衝撃的なテーマの元執筆された作品です。
主人公の益田純一は、就職した町工場で、同期の鈴木秀人と知り合い、共に働くこととなります。どこか陰のある鈴木に近寄りがたい印象を覚えていた純一ですが、ひょんなことから打ち解けあい、ついには友情を築き上げるまでに至りました。
そんなある日、純一はたまたま見つけた写真に既視感を抱きます。14年前、日本全土を震え上がらせた凶悪少年犯罪「黒蛇神事件」。その犯人、青柳健太郎とされる人物は、恐ろしい程、鈴木秀人に酷似していたからです。
鈴木は青柳なのか? こびりついた疑問を拭えず、やがて事態は取り返しのつかないことに……。
- 著者
- 薬丸 岳
- 出版日
- 2015-11-20
本作における重要なキーワード、それはずばり「過去」です。誰もが積み重ね、逃れようのない過去。『友罪』ではそんな過去の中でも、とびきり重苦しく、拭い去れない記憶を背負った人々が集い、それぞれ向き合っていくこととなります。
いじめに晒されていた同級生を見捨てた者、恋人に唆され裏ビデオに出演してしまった者、そして凶悪犯罪に手を染めてしまった者。どの過去も凄絶で、目を覆いたくなる程悲惨なものばかりです。ですがそれでも心折れず、自分なりに答えを見出して前を進んでいく彼らの姿を目にした時、きっと読み手の側にも強く響いてくるものがあるでしょう。
そして、本作で最も見逃せないポイントは、純一と鈴木の友人関係です。作中のある出来事をきっかけにして、互いに友人と呼びあえる程仲を深めた2人。しかしその関係は、運命の悪戯か悪魔の采配か、徐々に狂い出していくことになります。
絆とは何か、友情とは何か。そして、罪人を友と呼ぶことは悪なのか? 過酷な現実に翻弄される中、2人が出した答えは涙と無念無くしては読めないでしょう。
現代社会の病巣、その一端を切り取った珠玉の作品。結末はぜひ、あなた自身の目で確かめてみて下さい。
- 著者
- 薬丸 岳
- 出版日
- 2016-07-08
デビュー作から一貫して犯罪に翻弄される人間を描いてきた薬丸岳。彼は、被害者の持つ一方的な憎しみだけではなく、罪を犯さずにはいられなかった者の悲しみ、そして憎しみを昇華させて前へ進もうとする者の姿をも丹念に描き、読む人の心をとらえています。薬丸作品を読む度に、どれだけのエネルギーを込めて書いているのだろう、と圧倒されてしまいます。多くの方に読んでいただきたい作家です。