京都を舞台にした作品を多く執筆し、京都いち愛されていると言っても過言ではない作家森見登美彦。くせのある文体、世界観は好みが分かれますが、ハマってしまえば、森見ファンとなること間違いなしです!

- 著者
- 森見 登美彦
- 出版日
- 2016-10-25
物語の舞台は京都。主人公の小和田君は京都の郊外にある化学企業に勤める青年で、週末を独身寮でゴロゴロとして過ごすことを無上の喜びとしています。そんな筋金入りの怠け者である小和田君は、ある問題に遭遇していました。それは「ぽんぽこ仮面」という狸のお面を被った正義の味方から自分の後継ぎになれと強引に迫られている事です。
ある日突然京都の街に現れたぽんぽこ仮面は、最初はその怪しい姿から警察に通報されていましたが、その後のたび重なる善行から今ではすっかり世間から認知された人気者です。
ぽんぽこ仮面は小和田君に、世のため人のため正義のために自分の時間を犠牲にすることの尊さを一生懸命説きます。しかし怠けることに情熱を燃やす小和田君は、ぽんぽこ仮面のたび重なる要求を拒否してきました。そしてある土曜日の始まりと共に小和田君の身の上には様々な出来事が起こり、小和田君の休日は非日常的な混沌の世界へと変わってしまいます。
- 著者
- 森見登美彦
- 出版日
- 2016-09-07
物語の混沌の度合いとは反対に、作品の文体や登場人物たちの科白は常に大げさなまでに理路整然としています。そのギャップを楽しむのが本作品の読みどころです。
怠けることの尊さもあり、一生懸命行動することの尊さもあり、世の中は常に混沌としている事、物事の全てにはそれぞれ筋と道理があることを本作は教えてくれます。肩の力を抜いて楽しむのにうってつけの一作です。
研究熱心な小学生、アオヤマ君が暮らす郊外の街に、ある日突然ペンギンが現れた!そんな奇想天外な物語なのに、どこか爽やかなファンタジー小説です。
小学四年生のアオヤマ君はとても研究熱心です。いつもノートを持ち歩き、気づいたことをメモします。小学生らしからぬ論理的思考力を持っており、テーマを決めて研究するのです。
アオヤマ君は通っている歯科医院のお姉さんが大好きです。お姉さんもアオヤマ君が好きなんだと思います。歯科医院だけではなく「海辺のカフェ」で会っているのです。「海辺のカフェ」ではお姉さんとチェスをします。そんなお姉さんは、実はペンギンを「創り出す」ことができるのです。
ある日、街の空き地にペンギンが現れます。ペンギンはどこから来たのか?街の人たちはいろいろと考えますが、誰にもわかりませんでした。しかし、あるとき、お姉さんが現れてペンギンを「創り出した」のです。
アオヤマ君は同級生のウチダ君、ハマモトさんと一緒に街の不思議を研究します。研究対象の一つがペンギンであり、お姉さんなのです。
- 著者
- 森見 登美彦
- 出版日
- 2012-11-22
アオヤマ君はお姉さんとチェスをしたり、コーヒーを飲んだり大人の世界を体験します。そして、お姉さんのことを観察し、記録するのです。そんなアオヤマ君をお姉さんはやさしく見守り、導きます。
『ペンギン・ハイウェイ』では、子どもからみた大人の女性へのほのかな憧れを、森見登美彦の独特の文体で表現しています。こましゃくれた子供と街に現れたペンギンを組み合わせて大人世界へのあこがれを表現しているのです。そうすることで純粋な憧れが恋ごころへと変化していく様を見事に表しています。
森見登美彦の不思議な世界観で表現された、ファンタジー物語をぜひ堪能してください。
森見登美彦の『恋文の技術』は実は「恋文への恋文」です。そこには恋文への愛情が満ち溢れています。愛が溢れると物語になります。そんな風に出来上がった素敵な物語です。
守田一郎は、大学の研究の一環で京都から能登に「飛ばされ」ました。能登で、研究以外に何も楽しみのない守田一郎は、手紙に没頭します。文通の相手は親友であったり、元家庭教師の教え子の小学生であったり、ライバル(?)の女性であったり、たまたまつながりのあった女性たちが敬愛する作家である森見登美彦(!)であったりするのです。
そして、相手からの返信は一切載せず、一方的な文面ながら、創意工夫に満ちたお手紙を披露し続けるのです。手紙では、どれも上から目線なのですが、内容は愛に満ちています。その愛とは何に対する愛なのでしょうか?創意工夫に満ちている手紙に対する愛なのでしょうか、手紙を送る相手への愛なのでしょうか?全編を通して感じたことは、月並みなのですが、手紙と手紙を送る相手への両方への愛だと思います。
- 著者
- 森見 登美彦
- 出版日
- 2011-04-06
相手への思いや愛がないとこれほど大量かつ創意工夫に満ちた手紙は書けません。手紙そのものに思いや愛がないと、やはりこんなに創意工夫に満ちた手紙は書けないと思います。素敵なのは、毎度差出人名と相手先名が変わることです。一番のお気に入りは「無知無知もりた拝」です。
何かへの、あるいはどなたかへの想いを表現する『恋文の技術』を読んで、メールではなく、手紙で想いを伝えてみるのも悪くないかも、なんて思います。本書を読んで、ぜひ恋文と手紙への恋心を感じてみてください。
宵山とは本祭の前夜に行われる祭りのことで、特に京都八坂神社の祇園祭前夜のことです。その宵山を舞台にした森見登美彦作品『宵山万華鏡』はとても不思議なミステリーでもありファンタジーでもあります。
夜店の駒形提灯や裸電球の連なり、紅い幕どりはおぼろげで、しかも妖しげな宵山独特の雰囲気を生み出します。そんな宵山を利用して友達を壮大なドッキリではめる古道具屋がいるのです。
ドッキリ劇場はかなり本格的。劇団元道具担当を雇い、キャストを揃え、町家を予約し、本物感を追求します。そして、当日はまんまとドッキリに仕上げるのです。宵山という、もともとの不思議ワールドに加えて、さらに不思議なキャスト達が宵山の夜を盛り上げます。ドッキリであることが明かされたとき、傍らを赤い浴衣を着た女の子たちが駆け抜けていきます。
しかし宵山では、実際に女の子が消えてしまったのです。娘が帰ってこない家では、毎日が宵山の夜となります。なぜ宵山の夜は繰り返されるのでしょうか。
- 著者
- 森見 登美彦
- 出版日
- 2012-06-26
森見登美彦ワールドは、京都を舞台にしている点と不思議なストーリー展開で一世を風靡しています。その中でも、『宵山万華鏡』はファンタジーとミステリーが複雑に織りなす不思議森見ワールドの最高峰です。混雑した夜店の雑踏の中を颯爽とすり抜ける赤い浴衣の女の子がどのシーンでも必ず現れ、不思議感を盛り上げます。
森見登美彦小説独特の浮遊感の中で、しっとりと語られていくミステリー。『宵山万華鏡』に触れることで一味違った京都祇園祭の夜に触れてみてはいかがでしょうか。
- 著者
- 森見 登美彦
- 出版日
- 2006-05-30
「ゴキブリキューブ」「ソーラー招き猫事件」「砂漠の俺作戦」など個性的な固有名詞のエピソードが満載。読んだ人にしかわからないような奥の深さが魅力的です。 作者が大学在学中に発表し、デビュー作となった「太陽の塔」。森見文学の記念すべき一冊です。
- 著者
- 森見 登美彦
- 出版日
- 2008-03-25
- 著者
- 森見 登美彦
- 出版日
- 2009-10-15
- 著者
- 森見 登美彦
- 出版日
- 2010-08-05
- 著者
- 森見 登美彦
- 出版日
- 2008-12-25
以上、森見登美彦のおすすめ作品をご紹介いたしました。少し癖があるけど魅力的なキャラクターや、情緒豊かな京都の町の描写、森見節とされる独特の言い回しなど、心惹かれるところがたくさんあります。また、読んだ後には実際に京都に行きたくなるという人もしばしば。森見登美彦の本を持って、京都の町を散策してみるのはまた新しい楽しみがありそうですね。お読みいただきありがとうございました。