小野不由美、という作家を知っているでしょうか。背筋がぞっとするようなホラー、精緻に作られたファンタジーといったジャンルをまたにかけ、魅力ある作品を生み出す作家です。 今回は話には聞くけど、何を読んでいいか分からない、そんなあなたに向けておすすめ作品をご紹介します。

小野不由美のホラー短編集です。でも単に恐ろしいというホラー集とは違って、なんで恐ろしいことが起きるのかということと、対応策が淡々と示されています。それがなんとなくスッキリ腹落ちして安心するというホラー集です。ストーリーとしてはもちろん怖いんですが、読後感はさっぱり開放的になります。
古い家には歴史が積み重なっています。その他の「なにか」も積み重なっているのです。その「なにか」とは、過去の不幸やお守りであり、それが怨霊や幽霊となって出てくることもあります。古い家に新たに住み始めた住人たちは、いろいろ困って方々相談した挙句、尾端さんにいきつくのです。尾端さんは営繕かるかやの主人で、普段は大工の棟梁の仕事を手伝っています。
尾端さんは淡々と対応してくれます。ここが尾端さんに依頼した人にとっても、読者にとってもうれしいところです。変におどろおどろしくなりません。だからといって「そんなことありえないですよ」、なんて冷たい態度をとるということではないのです。きちんと寄り添ってくれます。
- 著者
- 小野 不由美
- 出版日
- 2014-12-01
対応するときもお祓いみたいなまがまがしいことではなく、祟って出てくる幽霊たちがしたいようにさせることで、ことを落ち着かせます。きっと水が飲みたいんだ、ということであれば部屋の軒先に出入り口をこしらえ、水飲み場を準備ししてあげるのです。子どもの幽霊がガレージから出たがっているのであれば、シャッターを外し、格子戸にしてあげます。
いずれの対応でも、幽霊の気持ちにも寄り添ってあげることで、平穏を取り戻しているのです。そのころには依頼者達も過去の出来事に思いをはせ、理解してやっぱり心を寄せています。
- 著者
- 小野 不由美
- 出版日
- 2015-07-29
- 著者
- 小野 不由美
- 出版日
- 1999-04-26
- 著者
- 小野 不由美
- 出版日
- 2010-11-19
- 著者
- 小野 不由美
- 出版日
- 2002-01-30
- 著者
- 小野 不由美
- 出版日
- 2012-06-27
いかがでしたでしょうか。精緻な世界観と、その中で繰り広げられる恐ろしい物語、個性的な登場人物たちなど多くの魅力を持つ小野不由美作品。特にホラー描写は格別です。読むときはぜひ、真夜中にじっくりと読んでみてください。素敵な夜を過ごすことができるはずです。