2016年には『植物図鑑』が映画化されるなど映画化やテレビドラマ化も多数されている作家有川浩。今回はそんな有川の執筆した作品の中でおすすめの作品を紹介していきたいと思います。

舞台となるのは2019年の架空の日本。公序良俗を乱し人権侵害をする表現を規制するために「メディア良化法」という、メディア良化委員会が不適切だと判断したものは検閲を受ける法律が制定されています。検閲執行の際に妨害行為を行うならば武力制圧も行われるといった過激な法律であり、その法律に唯一抵抗した存在が「図書館」でした。図書館は「図書館の自由に関する宣言」をもとに「図書館の自由法」を制定し、良化特務機関と長きにわたり対抗していました。
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
『塩の街』は塩害により塩で埋め尽くされ、社会が崩壊しかけた東京を描く物語です。元・航空自衛隊二等空尉の主人公・秋庭高範は塩害により両親を失った女子高生小笠原真奈と出会い、真奈を助けたことから彼女の保護者として生活することになります。塩害により東京が塩で埋め尽くされようとした世界の中で互いに助け合い、惹かれあう、そんな元航空自衛官と女子高生の恋愛SF作品となっています。
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
作品はすべて自衛隊員の恋愛について書かれてはいるのですが、有川浩の他作品と比べ恋愛要素が強いため、ミリタリー系が絡んだものを読んだことがないという方でもサクサク読めると思います。サクサク読めるのには上記の理由もあると思いますが、もう一つ短編集ならではのテンポの良さもあると思います。
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
- 2012-06-22
ある冬の晩、飲み会から帰ってきたOL・さやかがマンションの下で行き倒れている一人の男を見つけるところから始まります。彼の名はイツキ。所持金もなくなり死にそうになっていたイツキはさやかに「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか?」 「咬みません、しつけのできた良い子です」と言い、さやかに一晩止めてほしいと言ってきます。さやかはイツキを部屋に上げて寝床と食料を提供することに。
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
- 2013-01-11
“キヨ”と呼ばれる清田清一は、職場を定年退職しますが、自分が世間から「おじいちゃん」のカテゴリーに入れられてしまうことに不満を持っています。剣道の師範で、姿勢もスタイルも良く、孫の祐希も働いているゲームセンターに再就職します。“シゲ”こと立花重雄は元柔道家で、居酒屋を経営。今は息子の康生が店を受け継いでいます。“ノリ”こと有村則夫は工場経営をしていて機械に強く頭脳派。娘の早苗を溺愛しています。
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
- 2012-03-09
舞台となるのは阪急電鉄・今津線の車内。電車を利用する乗客たちの、16のエピソードが描かれます。1話1話は短いですが、どんどん視点を変えて描かれる乗客たちの物語が、少しずつ混じり合い、知らず知らずのうちに起こる、人の関わり合いがなんとも絶妙で面白いのです。
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
- 2010-08-05
主人公・空井大祐は、航空自衛隊に所属する自衛官です。空自の花形である、ブルーインパルスのパイロットを夢見ていましたが、突然の交通事故によりパイロット生命を絶たれてしまいます。空井は広報課に異動になり、個性的な先輩たちに囲まれ、慣れない広報官の仕事に苦労する日々を送っていました。
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
- 2016-04-12
本書は表題作「クジラの彼」を含む全6篇の短篇で構成されています。有川浩の人気三部作『塩の街』『海の底』『空の中』のうち、『海の底』のスピンオフとして執筆された表題作をはじめ、全篇通して描かれる甘い恋愛模様が読者の心を惹きつけます。
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
- 2010-06-23
有川浩と言えば、自衛隊三部作と呼ばれる『塩の街』『海の底』『空の中』をはじめ、自衛隊を題材にして物語を紡ぐことで有名な作家。
表題作「クジラの彼」は『海の底』のスピンオフとして執筆された作品ですが、ドラマティックな展開を見せる『海の底』とは違うテイストに仕上がっています。海上自衛隊に所属する主人公、冬原と、合コンで出会った聡子との恋愛模様。タイトルは聡子が冬原に言った、「潜水艦ってクジラみたい」という言葉から来ています。一度任務についてしまうとなかなか帰ってこられないクジラ乗りの冬原。なかなか会えない聡子との恋愛は少しずつ試練の兆しを見せ始めます……。
今すぐ会いたいと電話越しに訴える恋人に会うため、「脱柵」を試みた自衛隊員の恋愛を描く『脱柵エレジー』も秀作。若い女性と男性の心理をよくついていて、登場人物の心模様に読者も少なからず類似点を感じるはず。少し長いですが、作品中のある箇所をご紹介します。
「…結局のところ、離れて会えない状況を彼女は充分に楽しんでいたのだ。まるで悲劇のヒロイン気分で。たった数日が待てない、というのは少し大げさに言って気分を盛り上げる演出で、それを真に受ける必要などなかったのだ。ごめんな辛い思いをさせて、でも好きだよ。優しくそう慰めて、引き離されて会えない気分を盛り上げてやればそれで良かったのだ。でも、その計算外がそのときは少し気に入ったのだ。基地を脱走してまで私に会いに来ようとする彼、彼に会うために家を抜け出して夜中の電車に乗る私。こんなドラマティックな状況もそうはない。ロミオとジュリエットもかくやの気分で電話を切って、それからはたと我に返ったのだ。」(『クジラの彼』より引用)
何だか身につまされるような、恋愛の核心をつく表現力。甘い恋愛模様の中にも現実感が見え隠れする、絶妙な味加減が魅力の作品です。
主人公・元山高彦が入学した電気工科大学には「機械制御研究部」(通称・キケン)というサークルがあり、そのサークル部員は先輩たちの中である意味恐れられている一癖も二癖もある変な男たちでした。入学早々そんなサークルに引きずり込まれた元山と同期生たちは、日々繰り広げられる様々な事件や犯罪スレスレの行為に振り回されていきます。
- 著者
- 有川 浩
- 出版日
- 2013-06-26
今回は有川浩の数ある中から8作品を紹介いたしました。どの作品もそれぞれの個性が出ていてとても面白い作品となっています。基本的に自衛隊三部作や自衛隊ラブコメシリーズについては読む順番はありません。この二つは似たような作品の分類と思ってくださってかまいませんが、図書館戦争シリーズに関しては1シリーズ通して設定や登場人物が同じですので、しっかり順を追って読まないとわからなくなってしまうと思います。
有川浩は自衛隊と絡めた作品が多い作家ですがその中にもしっかりと恋愛要素が練りこまれているので、恋愛小説好きにもおすすめです。