舞台設定、探偵、トリック。全てから推理小説への愛が伝わってくる……有栖川有栖の小説はミステリーファンのハートをがっちりと掴みます。今回は丁寧で論理的な推理が楽しめるおすすめ作品を紹介します。

火山の噴火がもたらしたクローズドサークルの中で犯人を当てる。非常にシンプルで、何か特殊な知識やオカルト的な発想は必要ありません。山中で起こった事件ですから犯行に使える物も限られています。
- 著者
- 有栖川 有栖
- 出版日
「学生アリスシリーズ」の最高傑作に推す声も多い本作は、シリーズの既定路線を継承しつつも、やや実験的な仕上がりです。
- 著者
- 有栖川 有栖
- 出版日
「学生アリス」シリーズの第4作目の長編です。「学生アリス」シリーズと「作家アリス」シリーズは、パラレルな存在で、「作家アリス」シリーズの有栖川有栖が「学生アリス」シリーズを書き、「学生アリス」シリーズの有栖川有栖が「作家アリス」シリーズを書いているという設定になっています。
大学に姿を見せなくなった江神二郎を心配して、残された推理小説研究会のメンバーは、江神の行先に向かいます。そこは、急成長している宗教団体の聖地である神倉でした。城と呼ばれる総本部で江神の安否は確認できたものの、殺人事件が発生して……。
- 著者
- 有栖川 有栖
- 出版日
- 2011-01-26
外部と隔離された状態で真相究明を試みるも、事件が次々と起こっていきます。前作出版から時間が空いたためか、非常に分厚く読みごたえがあるので、じっくりと腰を据えて読みたい作品です。
密室にこだわったと聞いてしまうと、機械的なトリックばかりの作品を想像してしまいがちです。しかし、この作品は密室は大事な要素ではあるものの、それだけではありません。
- 著者
- 有栖川 有栖
- 出版日
- 2009-08-12
長編のイメージが強い有栖川有栖ですが、本作は短編集。しかも、本作は本格推理でありながらも雰囲気を重視した作品で、表題作以外が建物に関連しているだけでバラバラの作品です。
- 著者
- 有栖川 有栖
- 出版日
- 2004-01-28
「雪上の足跡なき殺人」というのは、かなり使い古された設定ではありますが、よく作りこまれているからか不思議と古臭さはありません。
- 著者
- 有栖川 有栖
- 出版日
- 1998-05-15
全て旅行先で起こった事件であるという統一感が心地よい短編集。しかし、舞台は廃業間近の旅館から、リゾートホテルまで幅広いです。
- 著者
- 有栖川 有栖
- 出版日
- 2003-10-01
順番に書かれた2つの中編「猿の手」と「残酷な揺り籠」の間に「幕間」というつなぎ部分を加筆したのが本作です。
- 著者
- 有栖川 有栖
- 出版日
- 2012-04-12
表紙や表題こそポップですが、時刻表トリックや双子、エラリー・クイーンの『Xの悲劇』の作中からとったタイトル「比類のない神々しいような瞬間」など、ミステリーファンが思わずにやりとしてしまうような嬉しい内容になっています。
- 著者
- 有栖川 有栖
- 出版日
- 2007-01-11
幽霊が捜査をする……非常に不思議な感覚の、風変わりな作品です。一般に本格推理というのはファンタジーとは遠い存在であることも多いですが、丁寧に練られた設定がうまく機能していて違和感はありません。
- 著者
- 有栖川 有栖
- 出版日
- 2003-07-15
「空閑純」シリーズの第1作目です。なお、タイトルは”やみのらっぱ”と読みます。舞台は日本が南北に分断され、北海道が独立国家になっているという平成21年のパラレルワールドです。
私的探偵行為を禁止するという法律が成立した世界で、名探偵としてかつて名を馳せた両親を持つ少女空閑純は、母の故郷に父と移住し、行方不明の母の帰りを待っていました。そこで身元不明の他殺死体がされたことで、事件に巻き込まれていきます。
- 著者
- 有栖川 有栖
- 出版日
- 2014-07-15
2013年に発売された作品で、当初ヤングアダルト向けに書かれたということもあり、それまでの有栖川有栖作品と比べると、少女の青春小説とも読むことができ、ミステリーを今まで読んだことのない方も、読みやすい作品です。他の作品にはあまり登場しない少女が、どのように探偵として成長していくのかをお楽しみください。
本格推理の初心者向けというよりは、ライトノベルを読む層のための有栖川有栖入門編といった位置づけでしょうか。アニメ風の表紙や挿絵は若者には馴染み深いものです。
- 著者
- 有栖川 有栖
- 出版日
- 2013-10-31
「国名」シリーズの第1作目で、短編6作品が収められています。「国名」シリーズとは、「作家アリス」シリーズの中でも、タイトルに国名が付いているものを指し、「国名」シリーズとしては第1作目、「作家アリス」シリーズとしは第3作目となります。ここでは第5話で、タイトルにもなっている「ロシア紅茶の謎」をご紹介します。
- 著者
- 有栖川 有栖
- 出版日
- 2012-12-28
登場人物のメインは、火村英生と”私”こと有栖川有栖です。新進の作詞家が自宅で行われていたパーティの最中に、ロシア紅茶を飲んだ後に中毒死します。当時の来客は5人。皆同じロシア紅茶を飲んでおり、毒物を混入できるチャンスがどこにもなく、配られたカップも無作為でした。一体誰がどのように毒物を混入したのでしょうか。
犯人が毒物を混入した方法には、誰もが驚くでしょう。そして、失敗すれば自らも命を落とすことになるにも関わらず、そんな方法を取らずにはいられなかった犯人の気持ちを思うと、少し同情の念すら覚えるのではないでしょうか。
本作品は、麻々原絵里依作画で漫画にもなっていますので、そちらも併せてお楽しみください。
この作品はシリーズものではなく、12編からなる短編集です。ここでは、第9話の「タイタンの殺人」をご紹介いたします。
- 著者
- 有栖川 有栖
- 出版日
- 2017-06-06
この話は、なんとSFミステリーとなっています。地球連邦の第五植民地であるタイタン星。その星都タイタン・シティーには、三百万人の地球人と千人ほどの異星人が住んでいます。そのタイタン随一の名門ホテルで、地球人が殺害されるのです。犯人はエイリアン3人のうち誰なのか?タコのようなエイリアンか。鳥のようなエイリアンか。それともウサギのような耳を持つエイリアンか。
読んでいて、つい笑ってしまわずにはいられません。ですがなんと、そんなおもしろく、かつ、楽しい作品にも関わらず、”読者への挑戦”があるから、驚きです。楽しめて、推理もできる作品は、他にあまりないのではないでしょうか。
そのほかの短編も、他の有栖川有栖作品と比較すると少し異色ですので、まだ手に取っていない方には、おすすめしたい作品です。
ミステリーは難しいイメージがありますが、有栖川作品は起承転結がはっきりとしていて非常に分かりやすいです。本格推理を全く読んだことがない方でも読みやすい作品です。