藤本ひとみとは
藤本ひとみは1951年生まれ、長野県飯田市出身の女性作家です。
高校卒業後、12年間国家公務員として厚生省で働いていた経歴を持ちます。公務員の仕事をしながら漫画を書き始め、1984年にコバルト・ノベル大賞を受賞。1992年からは西洋史をベースにした歴史小説や、犯罪心理小説なども手掛けるようになりました。
1992年に刊行された『ブルボンの封印』は大ヒット作となり、それからも「鑑定医シャルル」シリーズや『ジャンヌダルクの生涯』など、次々とヒット作を飛ばしていきます。
また藤本ひとみは本名ですが、王領寺静と言うペンネームでもファンタジー系の作品を書いており、「異次元騎士カズマ」シリーズなどの人気作があります。
その他にも漫画の原作や原案を手掛けたり児童文庫を出版したりしているので、こちらから名前を聞いた事がある人もいるかもしれません。
藤本ひとみが描く、ユダヤ青年の宿命と友情の物語
舞台は1700年代のヨーロッパです。ユダヤ人の居住地区で産まれ育った少年エリヤーフーは、ある事件の後自らの宗教を捨てることに。そして名前も変えて別人になり、外の世界へと旅立っていくのです。
キリスト教に改宗したエリヤーフーは、自らの主君であるフランツの妻、ハプスブルク家のマリア・テレジアと恋に落ちてしまいます。王位継承をめぐる争いに巻き込まれながらも、一途に前を向き続けるエリヤーフーは逞しく成長していきます。
- 著者
- 藤本 ひとみ
- 出版日
フランツやマリア・テレジアなど実在していた他のキャラクターと共に、激動の時代を駆け抜けていく主人公のエリヤーフーが生き生きと表現されています。
ユダヤ人の迫害や差別など、史実を元に詳しく書き連ねられた内容は一見難しそうですが、怒涛のように次々と起きる事柄は読みやすく、かつ的確に表現されています。歴史に詳しくない方にも、その複雑な情景を思い描かせる藤本の手腕により、ページをめくる手を止められなくなるはずです。
もちろん歴史に詳しい読者はさらに深く読み込んで、この世界に浸ることができる作品になっています。
藤本ひとみの代表作
フランスの政治家マザランが、ルイ13世の遺言に従いある屋敷に向かっていた途中、事故を起こしてしまいます。その時に出会った赤ちゃんを連れ、到着した屋敷にいたのは、ジェームズという少年でした。
マザランが出会った赤ちゃんは、肩にあった刻印からマリエールと名付けられます。ジェームズとマリエールの2人の子供は成長し、お互いに恋心を抱くように。しかし自分の出生を知るため、彼らはそれぞれ旅に出ることになりました。マリエールはその旅先で、ジェームズそっくりのルイ14世と出会い、2人の男性の間で揺れ動くのです。
- 著者
- 藤本 ひとみ
- 出版日
本作は、フランスで語り継がれる鉄仮面伝説とルイ14世双子説を、藤本ひとみが新たに解釈したものです。
1600年代のフランスが舞台にされ、恋愛、嫉妬、策略、争いなど様々な要素が詰め込まれた、展開の激しい内容となっています。
深いキャラクター設定や場面の情景などが繊細に描かれていて、中盤からクライマックスへの流れは、息もつかせない程の怒涛の勢い。あっという間に読み切ってしまいます。藤本ひとみを一躍有名にした本作をぜひ読んでみて下さい。