大正から昭和にかけて、革命詩人として数々の小説や詩を発表してきた作家・中野重治。彼が綴った言葉の数々は、現代でも高く評価されています。ここでは、そんな味わい深い作品を多く残す中野重治の、おすすめの本をご紹介していきましょう。

物語には、大きな事件などが起きることはなく、淡々と平凡な日々が流れています。それぞれの出来事が、少年の視点から断片的に語られ、決して多くのことを細かく描いているわけではありません。それでも、静かに展開されて行く子供の日常は、読んでいてとても心地よく、自然とページをめくり続けてしまいます。
- 著者
- 中野 重治
- 出版日
- 1985-04-16
読み進めるうち、徐々に中野重治の詩には、自分が生きる社会に対する、強い怒りが顔を出すようになり、批判精神や嘆きと、叙情が見事に融合した作品へと変貌を遂げていくのです。時には激しい口調で憤怒を露わにすることもあり、メッセージ性の強い詩が大いに心に響いてきます。
- 著者
- 中野 重治
- 出版日
- 2002-09-18
『汽車の缶焚き』では、機関車を走らせるため、燃料の石炭をくべる機関助手の姿が描かれています。作業現場の様子が細かく生き生きと綴られ、過酷な労働環境や、労働者を取り巻く歴然とした格差が浮き彫りになっていくのです。
- 著者
- 中野 重治
- 出版日
その他にも、明るく屈託のない少女たちをまぶしそうに眺める、学生時代の著者の姿が想像出来る「明るい娘ら」や「たんぼの女」など、なんとも美しく切なげな言葉が並ぶ詩がとても魅力的です。
- 著者
- 中野 重治
- 出版日
- 2000-02-25
上巻では、結婚後投獄され、転向を条件に出獄するまでの手紙、全168通が収められています。獄中や旅先から、妻や母に宛てて書かれた手紙の数々は、取り繕うことのない、本来の中野重治の姿を赤裸々に浮かび上がらせ、ぐっと身近な存在へとイメージを変えてくれるでしょう。
- 著者
- ["中野 重治", "澤地 久枝"]
- 出版日
中野重治のおすすめ作品をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。心に残る言葉が、いたるところに散りばめられた名作ばかりです。気になった方は、ぜひ1度読んでみてくださいね。