津島佑子は、多彩な手法によって人間の命と営みを鋭く描いた現代小説家です。父である太宰治を幼い頃に亡くしたことはもちろん、病気で亡くした兄のことなどもその作品に大きく影響しています。特に長篇小説は津島の本領が発揮されていて、おすすめです。

イエズス会の神父たち、夫と子供の後を追うカタリナ、幼いころ捕虜として朝鮮から連れてこられたペトロ、イタリア人船夫が日本人に産ませたガスパルなど、航海は多彩なルーツを持つ人物と共に進みます。
- 著者
- 津島 佑子
- 出版日
- 2016-05-02
勇平が「記録」を手に入れ、それまでほとんど未知であった家の歴史が少しずつ明らかになっていく様子は、仕掛けの効いた構造で、秘密の宝箱を開くようにわくわくさせられます。
- 著者
- 津島 佑子
- 出版日
- 2006-01-13
3.11後に執筆され、話題となった作品です。震災が起き、ミッチが日本に住み続けていたヨン子に連絡を取るところから物語が始まります。
- 著者
- 津島 佑子
- 出版日
- 2013-05-24
何も持たない2人の子どもが、逃避行をするように旅へ出ます。列車が北へ南へと移動するごとに、物語も時空を超えて、過去と現在を走ります。さらに命を落としては蘇り、その過程でカタルシスを得ていくような、不思議な旅です。
- 著者
- 津島 佑子
- 出版日
彼女らを取り巻く差別意識や、自らの中にある卑屈な意識と、長い時間をかけて対峙することになった母娘。弱者とその関係者に対する侮蔑は、見えづらくとも今もなお生き続けていることを考えさせられます。
- 著者
- 津島 佑子
- 出版日
- 2016-08-05
津島作品の中で、通常であれば漢字で書くところをひらがなにしたり、またその逆で表記してあることは、その都度意図を感じさせます。津島はかつて、世界各地で生まれた様々な言語は人間を豊かにしてきた、言葉こそ人間に与えられた恵みである、と語りました。そんな彼女の思いにも作品を通してぜひ触れてみてください。