石川啄木の短歌を斬新に現代語訳したエッセイ集!
明治時代に活躍した歌人、石川啄木の短歌を、現代風にアレンジして綴った枡野浩一のエッセイ集『石川くん』。
国語の授業で、誰もが1度は触れたであろう啄木の短歌が、面白おかしいエピソードとともに紹介され、漫画家兼イラストレーターの朝倉世界一のイラストが素敵に作品を彩っています。
- 著者
- 枡野 浩一
- 出版日
- 2007-04-20
本書は、石川啄木のこの一首からスタートします。
「友がみなわれよりえらく見ゆる日よ 花を買ひ来て 妻としたしむ」(『石川くん』より引用)
この石川啄木の代表的な短歌が、いったいどのように姿を変えるのでしょうか。枡野の手によって現代風に書き換えられると、なんとも親しみやすく面白い短歌になるのです。
石川啄木を「石川くん」と呼び、枡野独自の言葉選びでわかりやすく訳された短歌の数々は、とても興味深く読むことができます。知られざる破天荒な啄木の私生活までもが存分に描かれており、イメージが大きく変わることでしょう。
あまりにも赤裸々に暴露されているので、驚かされることも多々ありますが、石川啄木という偉大な歌人に、興味を持つきっかけをくれる作品です。枡野浩一の啄木愛に溢れた1冊となっているので、気になった方はぜひ一読してみてはいかがでしょうか。
ツイッターで高い評価を受けた枡野浩一の人気詩集
前向きな言葉の数々に、くじけそうなときがあるという枡野浩一が綴る詩集『くじけな』は、ツイッターにつぶやかれてきた詩を1冊の本にまとめた作品です。
作品内の詩には、「くじけな」「夢をあきらめな」「小さいことにくよくよする」など、人を元気づけるときに使われることの多い言葉の、語尾を伏せたと思われるものがタイトルとして付けられています。少し変えるだけで、意味がまったく違ってくるのは面白いですね。
- 著者
- 枡野 浩一
- 出版日
- 2011-06-14
愛の言葉にくじけそうなときは、くじけてもいいのだと綴り、くじけた心でしか見えないものがあるという言葉に、様々なことに気づかされる思いがします。紡ぎ出される柔らかい日本語の数々が心地よく、1遍が140字以内と短いので、あっという間に最後まで読み終えてしまうことでしょう。
くじけないで、がんばって、夢をあきらめないで、君はそのままでいい、といった前向きな言葉の数々に励まされることがある一方、そこはかとない圧迫感を感じてしまう方もいるのではないでしょうか。本書は、そんな方にうってつけの言葉で溢れています。
『くじけな』の書籍化が決まった直後に3.11の震災が起こり、それ以降の詩から言葉のテイストが微妙に変わっているところにも、誠実さを感じられる作品になっています。
短歌を通じてイケメン2人の青春を描く枡野浩一の長編小説
枡野浩一による、初の長編小説となった『ショートソング』は、短歌を通して出会った、対照的な2人の青年を主人公とした青春小説です。
- 著者
- 枡野 浩一
- 出版日
国友克夫はハーフで内気な19歳。美少年であるにもかかわらず、その性格が災いし、未だに童貞であることをコンプレックスに感じています。そんな国友が、ある日大学の憧れの先輩、須之内舞子に誘われました。すっかりデートだと思い込んでいたのですが、先輩に連れてこられたのは、古いビルで行われていた歌会。まったくの素人である国友は、訳もわからぬまま短歌を詠む羽目になるのです。
その歌会で出会ったのが、長身で眼鏡をかけたプレイボーイの天才歌人、伊賀寛介です。国友の詠む短歌に才能を感じた伊賀は、短歌をはじめるよう国友に勧め、こうしてまったくタイプの違う2人の男が、短歌を通じて交流を持つようになります。
2人の主人公が、視点を交互に変えながら物語は進みます。舞子も加えた3人の日常が、淡い恋心も交えて展開されていき、全体的にコミカルでとても読みやすい作品です。文章の合間には、登場人物たちの心情や状況に上手く重ねられた、様々な短歌が挿入され、独特の魅力を醸し出した内容から目が離せなくなっていくでしょう。
吉祥寺を舞台に、実在するカフェも多数登場し、葛藤や挫折を経験しながら成長していく若者たちの青春物語が、時におしゃれに、時にユーモア満載の文章で描かれていきます。短歌に興味はないという方でも最後まで面白く読める小説なので、ぜひ気軽に読んでみてください。