推理小説や時代小説の巧者として人気を博している作家、小杉健治。中でも得意としている法定ミステリーの読み応えは抜群です。ここでは、裁判とともに描かれる、重厚な人間ドラマが胸を打つ、小杉健治のおすすめ小説をご紹介していきましょう。

第1章では母と娘の物語が中心に描かれ、第2章に入ると凄惨な一家殺人事件の全容が徐々に明らかになっていきます。柳瀬はなぜ無実の罪を被ったのか。真犯人はいったい誰なのか。序盤から物語の世界に引き込まれてしまい、夢中になって読み進めることができる作品です。
- 著者
- 小杉 健治
- 出版日
- 2005-06-01
2009年に導入された裁判員制度ですが、実際にどんなものかわからない、という方も多いことでしょう。本作では、裁判の流れが丁寧に描かれ、その問題点にもスポットが当てられています。
- 著者
- 小杉 健治
- 出版日
- 2013-06-13
物語は全て法廷内で展開されていきます。被告人と弁護人、そして検事と証人の会話からだけで真実が明らかになっていく過程には、魅力的な緊張感が漂い、終始飽きることがありません。
- 著者
- 小杉 健治
- 出版日
麻美子と圭一の物語が、交互に入れ替わりながらストーリーは進んでいきます。様々な謎が次々と浮上し、息もつかせぬ展開から目が離せなくなることでしょう。2つの家族の物語が初めて交差する場面では、思わずテンションが上がってしまい、没頭して読み耽ってしまいます。
- 著者
- 小杉 健治
- 出版日
- 2006-03-14
小杉健治の『二重裁判』は、裁判法廷ものミステリーであり、事件発生時のマスコミ報道姿勢に一石を投じる作品です。
社長殺しの容疑で逮捕された古沢克彦は、一貫して無実を叫び続けたのですが、あるとき拘置所で自殺してしまいます。妹秀美は兄が逮捕されたときから兄の無実を信じ、弁護士を選任するなど支えてきましたが、逮捕直後からの新聞決めつけ報道に、追い詰められていくのです。兄の死により、判決が確定しない公判中の被告人の死は、有罪ではなく無実、という裁判制度上の規定により再審請求もできないということが判明します。
秀美は自分の手で兄の真実を明らかにするために、兄の人間関係を洗うのです。そしてある奇策を講じます。それは疑わしい人物に関する事件に自分自身が関わり、その裁判を通して兄の裁判もまたやり直させようとするものでした。
- 著者
- 小杉 健治
- 出版日
- 1991-04-01
「裁判で有罪の判決が出るまでは無罪、ということになっているが、実際には警察に逮捕された時点で、マスコミにより有罪判決を受けている。裁判にて無罪が確定しない限り、"有罪"なのである。」
本作品ではこの部分の社会矛盾を訴えるために全体が構成されています。事件詳細に加えて、法廷での検察官、弁護士のやりとりが真に迫り、読者を「法廷」へどんどんと引き込んでいくのです。
また、本作品は複雑な事件を表現するための伏線や背景が細かく設定されており、見事な構成です。そこには小杉健治の物語に対するこだわりを感じることができます。
真実を明らかにすることで、亡くなった者の名誉を回復したいという気持ちと、彼らが大切に守ろうとしたものも白日の下にさらしてしまうという葛藤。一方で事実とはなにか、それを取り扱う検察、弁護士、マスコミの使命とはなんなのか?そういった裁判を中心とした人間模様が鮮やかに展開されます。
物語は、裁判員に選ばれた1人の青年の視点から展開される裁判と、被告人の過去の回想が交互に描かれていきます。娘を殺された被告人の「寛恕の念」には敬服させられるばかり。いったい誰のために黙秘を続けているのかと、その理由が気になって仕方なくなってしまいます。
- 著者
- 小杉 健治
- 出版日
- 2010-01-20
小杉健治のおすすめ法廷ミステリーをご紹介しました。登場人物たちの様々な想いが胸を打つ傑作ばかりですから、興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。