【1~2年生向け】小学生にも伝わる、思いやりの心。
クマタの宝物は、何度も何度も読み返すほど大好きな絵本。そこに登場するキツネは、自分の1番の宝物を友達へプレゼントします。そのシーンはクマタにとって、尊敬できる、素晴らしいシーンでした。
自分にとって大切な絵本を手放すなんて、とても出来ないよ、と絵本の中のキツネに語り掛けるクマタ。しかしそんな彼にも、誰かに自分の大切なものを贈るということを真剣に考える時がやってきました。
そのきっかけは、隣の村が大雨のため浸水してしまい、クマタの友達が「僕たちの本をおくろう」と決意したこと。クマタが贈り物として出せる綺麗な本は、毎日読み返している、あの大切な絵本しかないのでした。
- 著者
- ["森山 京", "鴨下 潤"]
- 出版日
- 2012-11-30
絵本のキツネの行動が、クマタには「大事なものを自ら手放す」というように見えたから、キツネの事をすごい、と感じたのでしょう。特にクマタにとって、その絵本は毎日読み返すほど大切にしている宝物。読みながら、もしも自分の絵本がなくなったら……。と想像すると、寂しい思いになってしまうのです。
クマタは贈り物をするにあたって、それはもう真剣に考えます。受け取る相手がどんな状況にあるか、どんなものなら喜ばれるか、とても自然に相手の身になって考えています。クマタが相手思いの、優しい性格なのだということが表現されているのです。
とうとうクマタは、大事なものを誰かに贈るという選択をします。出来る事ならば、ずっと手元で大切にしておきたい程の宝物。考えて、考えて、その上で自分で贈ることを選んだのです。
同じように決断するかどうかは、きっと読者それぞれで異なる事でしょう。同じ本を一緒に読んで、楽しさを共有するのも良いでしょうし、クマタのように、心をこめてプレゼントするのも、非常に素敵なことです。
この本は、クマタの行いに感心するだけでなく、きっと自分の誰かとの関わり方を省みる良いきっかけとなるでしょう。
【2~3年生向け】読み継がれる名作だから、読書感想文向き
主人公は9歳の男の子エルマー。年寄りののら猫から、かわいそうなりゅうの子の話を聞きます。そのりゅうは、「どうぶつ島」に落ちてしまい、そこの動物たちから不当な扱いを受けているのでした。助けようと決心する彼は、リュックの中に身近なアイテムの数々を詰めこんで、猫と一緒にりゅうが捕らえられている、どうぶつ島へ向かう冒険に出発します。
- 著者
- ルース・スタイルス・ガネット
- 出版日
- 1963-07-15
本にはしっかりと、エルマーたちの世界の地図が載っています。地図をチェックして、今エルマーはここにいるんだ、と楽しむ事ができるようになっているのです。未知の場所で、得体の知れない動物たちに遭遇する彼ら。本の風景を想像することももちろんできると思いますが、この地図を辿れば、臨場感をもって物語に触れる事ができるでしょう。
持ち込んだアイテムが一般的なものであることも、親近感を与えてくれます。ガムやキャンディ、輪ゴムなど、どの家庭にもありそうな物ばかり。こうした想像のしやすい物を使って、考えもしないような作戦を決行してしまいます。登場人物が自分に近くなることで、エルマーの行動に驚きと、親しみを感じられるようになっているのです。
馴染みのある道具などが多く扱われていますが、一方では現実世界で出会えないユニークな動物も登場します。島で待ち受ける動物たちはみんな特徴的で、色がストレートに表現されている事で、想像がしやすくなっているのです。
見た事も無いものや未知の状況へのワクワク感と、襲い来るアクシデントによるスリル。それに挑むアクションなど、めくるめく展開が読者を待っています。展開が気になり、一気に読み進めてしまうことでしょう。エルマーと共に経験した冒険を追うだけで色々な感想が沸いてくると思います。
【3~4年生向け】願い事を叶えるものは?
望みを書き込むと、きっと叶えてくれる。そう言って光平は、亡くなる前おばあちゃんに日記を貰いました。確かにそこに書くと、色んな願いが不思議なことに叶っていきます。その日記に、光平はまたいくつかの願い事を書きました。自分がなりたい姿と、誰かの切実な願い。そして、どうしても叶えたいある一つの願い。
- 著者
- 本田 有明
- 出版日
- 2012-08-07
書いたものが何でも本当に叶えてくれるなら、それは本当に魔法のような日記帳。誰でも、そんな日記があるのなら書いてみたい、と思いますよね。そんな誰にでもあるような願望が、この本を読んでみたい、という入口になってくれることでしょう。
光平はあまりしっかりした子供ではありません。片付けはしないし、おばあちゃんにもらった日記も最初は全然使わないでしまい込んでいました。もちろん願いが叶うなんて話も信じていないから、おばあちゃんが死んでしまってからその事を思い出した程です。しかし、日記に書いたいくつかの願い事が叶うと、だんだん日記の効力を信じるようになっていきます。
光平にはできない事がたくさんありました。泳げないし、勉強も苦手。これまでずっとできなかったから、できるようになるなんて思っていませんでした。しかし光平は、今年こそはと願い、日記にも書いて練習を頑張るようになります。さすがに、すぐに結果は出ませんでした。それでも結果的には、これまでよりずっと泳げるようになったのです。
魔法のしかけは、願いを意識する、ということでした。頭の中でぼんやりと抱く曖昧なものではなく、はっきりとどうなりたいかを考えることが、実現のためには大事だと教えてくれるのです。夢のような話ではありません。自分がどうなりたいか。この作品を読めば、一歩先の自分の理想を考える、良いきっかけになるかもしれません。