芦沢央は、長い下積みの後にデビューしたミステリー作家です。人の闇を感じるような作品たちは、人間の感情をとてもうまく描いています。それでは、この先も期待される作家の作品を5作紹介していきます。

『バック・ステージ』は四つの小さな物語から構成されている作品です。離婚したてのシングルマザー、昔の同級生と再会した大学生、舞台出演のチャンスを掴んだ新人俳優、認知症を発症した大物女優とそのマネージャー……。
このまったく関係のなさそうな四つの物語に繋がりを持たせるのが、とある会社の新人社員の松尾と、先輩にあたる康子の二人です。
新入社員の松尾は、ある日先輩・康子が会社で不審な行動をしている場面に出くわします。康子は、パワハラ上司が会社で不正を行っているとにらみ、その証拠を探していました。成り行きで、松尾も康子とともに不正の証拠を掴もうと奔走する羽目になります。
- 著者
- 芦沢 央
- 出版日
- 2017-08-31
二人の掛け合いが、テンポが良くて心地よく、楽しく読み進めることができるでしょう。
構成されている四つの物語も、一本一本が魅力的で読み応えがあります。そしてそれぞれの奇妙な繋がりが、最後にパズルのピースのようにピタリとはまり、それは爽快感を感じさせるほどです。
表舞台だけではなく、その裏側にも物語があると感じさせる作品で、この「バック・ステージ」というタイトルも、作品にぴったりとはまります。
人間のバック・ステージ、人間の本質を描いたこの作品は、涙を誘ったり、スカっとしたり、ほっこりしたり。そして最後の、爽快感と充実感あふれるラストをぜひ味わってください。
妻に早くに先立たれ、父子で一生懸命生きてきた安藤にとって、加奈の死は受け止めきれないものでしょう。なぜ早くに気付くことが出来なかったのか、理解できていなかったのか、と思い悩みます。しかし、加奈の残したものによって、これは咲たちの仕業なのではないか、という疑問が湧いてきたのです。
- 著者
- 芦沢 央
- 出版日
- 2015-04-25
ヒューマンドラマが描かれている作品でもありますが、芦沢の代表手法であるミステリーの要素も組み込まれています。
- 著者
- 芦沢 央
- 出版日
- 2016-11-29
誘拐の謎に迫るこの作品は、最初読み始めるだけでもググッと引き込まれること間違いないでしょう。最後、どうなるの?という気持ちがこみ上げてくるのです。
- 著者
- 芦沢 央
- 出版日
- 2015-12-26
表題作の「許されようとは思いません」という作品は、題名からして興味をそそります。何を許されなくていいのだろうか、そんな感覚に陥るこの題名は、芦沢のミステリー作品にピッタリでしょう。
- 著者
- 芦沢 央
- 出版日
- 2016-06-22
いかがだったでしょうか。芦沢央は、女性の独特な視線から、人間の闇を描くような作品を描いています。どれを読んでも鳥肌が立つような文体と内容に、怖さをつくセンスを感じることでしょう。興味を持ったものからぜひお手にとって下さい。