石川達三は日本の小説家で初代芥川賞受賞作家です。彼は社会批判をテーマにした小説を多く残しています。小説が発禁処分になるなどの経験もしましたが、彼は一貫して社会派作家として活躍しその生涯を終えました。今回はそんな彼の小説を5作、ご紹介します。

そもそも「蒼氓(そうぼう)」というのは「もろもろの民」という意味です。題名の通り、船の中には様々な方言を話す人達が一つの船の中に集まります。
- 著者
- 石川 達三
- 出版日
「また武装解除した捕虜を練兵場へあつめて機銃の一斉射撃で葬つた、しまひには弾丸を使うのはもつたいないとあつて、揚子江へ長い桟橋を作り、河中へ行くほど低くなるやうにしておいて、この上へ中國人を行列させ、先頭から順々に日本刀で首を切つて河中へつきおとしたり逃げ口をふさがれた黒山のやうな捕虜が戸板や机へつかまつて川を流れて行くのを下流で待ちかまへた駆逐艦が機銃のいつせい掃射で片ツぱしから殺害した」(『生きている兵隊』本文より)
- 著者
- 石川 達三
- 出版日
- 1999-07-01
これは神代辰巳監督のもと映画化もされている作品で、これから活躍するであろう青年の人生が何らかの出来事によって躓いてしまう、という物語の展開はセオドア・ドライサーの『アメリカの悲劇』に連なる点も多いと指摘する人も多いです。
- 著者
- 石川 達三
- 出版日
- 1971-05-27
この小説にはいつの時代にも存在する、ある女性像が描かれています。愛されるのが当然で、お金があるのも当然。自分のほしいものは何が何でも手に入れようとしますが、他人の関心など興味もありません。他人がどうとかは二の次で、まずは自分の幸せを第一に考える女性です。
- 著者
- 石川 達三
- 出版日
- 1967-06-30
中年男性の欲望を描いた作品で、吉村公三郎監督のもとに映画化もされました。大人の心の中に潜む欲望を露に書かれた作品になっています。大人だけでなく、若い年齢層も十分に楽しめるでしょう。
- 著者
- 石川 達三
- 出版日
- 1958-10-30
様々なジャンルの石川達三の作品を見てきましたがいかがでしたか?彼は初代芥川賞受賞作家という名前にふさわしい、素晴らしい作品を数多く残した作家です。戦後という時代を描きながらもどこか今の私達にも共通する思い、感情を書いています。この機会にぜひ、石川達三の世界に触れて見てはいかがでしょうか。