ブラウン一家と出会う、はじめての絵本『クマのパディントン』
ブラウンさんと奥さんが、クマのパディントンと初めて出会い家に連れて帰るまでのお話です。駅に娘のジュディを迎えに行った二人は、荷物預かり所に小さな毛むくじゃらのクマが座っているのを見つけ話しかけます。するとクマは、ペルーからマーマレードを食べながらこっそり列車に乗ってきたと言うのです。
「どうぞこのクマの面倒をみてやってください。お願いします。」という札を首にかけているクマを、置いていくわけにはいきません。ブラウンさんたちは、駅で出会った記念に「パディントン」という駅名と同じ名前を付け、クマを家に連れて帰ることにします。
- 著者
- マイケル ボンド
- 出版日
世界中で有名なクマ、パディントンの登場を可愛いイラストで描いた絵本です。イギリス・ロンドンが舞台のお話で、何事にも動じないブラウンさんと優しい奥さん、活発な子どもたちの姿が絵本からあふれ出してきます。お風呂でも赤い帽子をかぶったままのパディントンがとってもキュート!こんなクマさんが家にいたらいいな、と思わずにはいられません。
読み聞かせには少し長いお話ですが、パディントンがケーキのクリームでベトベトになったり、お風呂で溺れそうになったりするストーリーは愉快で、子どもたちも夢中になって最後まで飽きずに楽しめます。騒ぎをおこしてはいけないと思い、小さな声で助けを呼ぶだなんて、随分紳士的なクマです。
お風呂上がりのパディントンはフサフサの毛がモフモフとしていて、触ってみたくなります。素敵な花柄の椅子に腰かけ、身の上話をしている途中で眠ってしまうところは最高に可愛いイラストです。眠ってしまったパディントンの話の続きが何だったのかは、とても気になるところですけれど。
パディントンがマーマレード色の石で素敵な庭を作る絵本
パディントンはブラウンさんの家で幸せに暮らしています。ある日、自分の庭を小さく区切ってくれたブラウンさんから、自分の庭を造るように言われたパディントンは大喜びです。ブラウン一家が熱心に手入れをしている庭は静かで、立派な木や花が咲いています。
ブラウンさんの子どもたち、娘のジュディと息子のジョナサンは、花を植えたり石を並べたりしてそれぞれの庭造りにとりかかっていますが、パディントンにはどうしたら良いかわかりません。近所へ庭を観察しに行く途中、市場で庭造りの本を買いそれを参考にするのですが……。
マーマレード色の石で飾られたパディントンが作った庭は、「全国にわの日コンクール」で金メダルを受賞します。さて、どうやってそんなに素敵な石を手に入れたのでしょう?パディントンのドタバタと周囲の人たちの温かい人柄が、読者の胸をホンワリさせる絵本です。
- 著者
- マイケル ボンド
- 出版日
生まれ育ったペルーを離れ、ブラウンさんの家で暮らし始めたパディントンはとても幸せです。自分の部屋が持てて、寝心地の良いベッドがあり、マーマレードが毎日食べられて……。ブラウンさんとパディントンの出会い『クマのパディントン』を読んだお子さんたちなら、満足そうな姿のパディントンを見て嬉しくなるでしょう。
今度のパディントンは、市場や工事現場で騒ぎを起こします。市場で見つけた「にわをつくるなら」という本に書かれているとおりに、どんな庭にしたいかを想像して目を閉じたまま歩き電柱とぶつかったり、高い所から庭を見てみようと工事現場に入り来み、足場の梯子を上ってしまったりするのです。
置いていたマーマレードの上にコンクリートを流しこまれたと勘違いしたパディントンに頼まれ、工事のおじさんたちは作ったばかりのセメントの固まりを壊してあげます。「金色の、たいせつなビン」という言葉に、まさかマーマレードが入っていたとは思わないおじさんたちのズッコケ具合も愉快です。
割り壊したセメントにマーマレードがこぼれ、偶然オレンジ色の石ができます。工事のおじさんたちには価値がなくなってしまった石ですが、これがパディントンにはぴったりの庭造りの材料になるのです。思いがけず金賞を受賞したマーマレード色のパディントンの庭を、見てみたくなります。
小学生からは、お話がたっぷり詰まった児童書で『くまのパディントン』を楽んで!
前掲の絵本『クマのパディントン』同様に、パディントンがブラウンさんと駅で出会うストーリーから始まります。8つの楽しいお話が詰まっていて、漢字には読み仮名もふられているので小学生でも読みこなすことができるでしょう。ただし、こちらの挿絵は白黒で、あの赤い帽子に青いコートの可愛いクマのイラストが見れないことは残念ですが……。
ペルーから来たパディントンはとても礼儀正しいクマです。いつでも真面目にやっているのですが、菓子パン1つ食べるのにカフェのテーブルを滅茶滅茶にしてしまったり、お風呂を泡と水だらけにしたり、駅のエスカレーターを止めて大騒ぎを起こしたりと、あれこれトラブルを巻き起こします。そんなパディントンに振り回されながら、温かく見守るブラウン家の人々も素敵です。
- 著者
- マイケル ボンド
- 出版日
- 2002-06-20
パディントンが巻き起こす、ドタバタの連続が楽しい本です。絵本よりも深くブラウン一家との関りを知ることができ、愛らしいパディントンの愉快な姿が想像の中に広がります。
何をするにも礼儀正しく真面目なパディントンが、人間の社会で生活をするには「初めて」がたくさんです。初めてのお風呂にエスカレーター、地下鉄やデパート、劇場での観劇やお誕生日会での手品など、どれもふざけているわけではないのに、おかしなトラブルを起こしてしまいます。「ぼく、またへましちゃったみたいなんだ」と言ってしょんぼりしているパディントンに、読者は思わずクスクスと笑ってしまうでしょう。
ロンドンのパディントン駅でブラウン一家に出会ったことが「パディントン」という名前の由来であったことや、ブラウンさんの奥さんがデパートで買ってくれたコートこそ、パディントンといえば思い浮かぶ、あの青いダッフルコートと黄色いレインコートだったりと、ファンなら知っておきたいお話が満載です。是非とも、この1作目の『くまのパディントン』から読み始めることをおすすめします。