人気のライトミステリーシリーズを描く作家、太田紫織
1978年、札幌で生まれた太田紫織は幼少の頃からコナン・ドイルやアガサ・クリスティーなどのミステリーを愛読していました。そんな彼女が手がける作品の多くもミステリー小説です。札幌出身のためか、北海道を舞台とした作品が多く、自身の体験や経験を作品に活かしている様子が伺えます。
彼女のデビューのきっかけは無料投稿サイト。小説・俳句・写真など、多岐にわたって作品を投稿しており、2012年に発表した『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』が翌年文庫化され、小説家デビューを果たしました。デビュー後も、文芸誌などにて精力的に活動を続けており、続々と新作が発表・書籍化されています。
誰でも気軽に作品を投稿できる現代において、投稿作品が絶大な人気を誇り作家デビューとなった太田紫織。デビュー後は、人気シリーズ作品が映像化されるなど、彼女の活躍は今後も大いに期待できます。
ここではそんな彼女の人気作品を紹介していきます。
アニメ化に続きドラマ化まで!太田紫織の小説家デビュー作
レトロなお屋敷に住む美女・櫻子と平凡な男子学生・正太郎のコンビが本シリーズの主要人物です。櫻子は良家で育ったお嬢様だというのに、骨が好きすぎるという、少し変わった嗜好があります。そんな彼女に、正太郎は日々振り回されてばかりいるのです。
人嫌いで無神経な櫻子とそれに渋々ついていく正太郎は、行く先々で様々な事件に巻き込まれてしまいます。人として欠陥はあるも、検視官・標本士をこなす博識な櫻子は、出会った事件の謎を解かずにはいられません。遺体とその骨から、彼らは事件の謎や真相を詳らかに明らかにしていきます。
無事事件は解決するのか、この奇妙な関係の2人の行く末はどうなるのか。シリーズ作品ですので、長く楽しむことができるミステリー小説です。
- 著者
- 太田 紫織
- 出版日
- 2013-02-23
本作は人気ミステリーシリーズで、アニメ化・ドラマ化されました。投稿サイトへ発表後から、怪盗ロワイヤル小説大賞優秀賞など様々な賞を受賞している作品です。
短編集となっており、櫻子の博識さによる見事な謎解きは感心させられ、主人公2人の会話のやりとりが面白くて読み応えもあります。ライトミステリーといえる本シリーズでは、謎解きだけでなく、このコンビの行く末も気になるところでしょう。
シリーズの中には映像化されなかった話も多数あるため、アニメ・ドラマから作品を知った人でも十分楽しめる内容となっています。
魔女と青年とハーブ
北海道にてハーブ園を経営するのは若い女性です。彼女は人の心が読める「魔女」と自称します。そんな彼女の下で働き、彼女を支えるのが、病気で恋人と職を失い東京からやってきたある青年。そんな2人を中心に物語は始まります。
農園には心に秘密を抱えたお客がやってきました。聞かずとも、その人の心に潜む秘密や嘘を見通してしまうのが、ハーブ園を営む「魔女」。隠された善悪を暴いたあとに残るものとは……。
- 著者
- 太田 紫織
- 出版日
- 2014-11-20
誰もが隠したい秘密や嘘を抱えているでしょう。そしてそれを見破れる力を持ってしまうのは、ある意味不幸なことなのかもしれません。
しかし、隠された秘密は必ずしも悪いものばかりではないはずです。誰かを守るために、誰かを想うがためにつく優しさの嘘や秘密もきっとあるでしょう。
事件よりも登場人物のやりとりに重点を置いた作品のためスラスラと読めますが、そこから伝わる気持ちの葛藤などは考えさせられるものがあります。読んだ後の余韻に、登場人物への想いを馳せてしまうようなヒューマンドラマが描かれた作品です。