はじまりの物語『ちいさいモモちゃん』
モモちゃんが産まれた日から3歳になるまでを収録した1冊。
モモちゃんが産まれるとお祝いに来たのはにんじん、じゃがいも、たまねぎに、ガムやソフトクリームなどのファンタジックな仲間たちです。
すくすくと生長するモモちゃんの元にやってきたのは黒猫のプーや、プーが咥えてきた白ネズミのチュッチュ。そしてあかちゃんのうちで出来たお友達のコウちゃん。
モモちゃんは素敵な仲間たちと共にたくさんの経験をして、立派なお姉さんへと成長します。
- 著者
- 松谷 みよ子
- 出版日
- 1974-06-27
モモちゃんにはお父さん、お母さんがいます。お母さんは働いているので昼間過ごすのは"あかちゃんのうち"(保育園の乳児クラス)。オムツ外しもしますし、哺乳瓶も卒業しますし、水疱瘡にだってなるんです。
モモちゃんの本は現実とファンタジーが絶妙に入り乱れた世界です。よってモモちゃんは、黒猫のプーや白ネズミのチュッチュと話し、にんじんやたまねぎやじゃがいもと話し、ママとケンカをしたときには空に昇る電車にも乗ります。
このシリーズでは、現実の中にフッとあり得ないことがおこってくるのですが、あれ?と疑問に思う間もなくいつの間にか不思議な世界へと入り込んでしまいます。その世界観は、子どもにはもちろん、大人にとっても心地良いものでしょう。
モモちゃんの3歳から入学前を描く『モモちゃんとプー』
3歳になったモモちゃんが学校に入学する前までの物語です。
3歳になったモモちゃんはお友達のコウちゃんと遊ぶことが増えます。お手紙ごっこをしたり、テレビを見たり、すっかり子どもらしくなりました。
一方、プーにもジャムという仲良しの白猫ができます。ある晩、2匹はとある約束をしたようですが……。
そして何より、モモちゃんに"アカネちゃん"という妹が産まれます。モモちゃんだけでなく、お母さんやプーや周りのみんなも大活躍する1冊です。
- 著者
- 松谷 みよ子
- 出版日
- 1974-06-26
この本の主役は間違いなくモモちゃんです。しかしお母さんとプーを見逃せません。
まず、「かげをなめられたモモちゃん」のお母さん。ウシオニに影を食べられて病気になってしまったモモちゃんの為にスリッパのまま料理道具を持って追いかけ、とうとう見つけたウシオニのお尻をペンペンペンとたたきます。
そして「あなたはだいたいうしでしょう、うしというものは草食性なんですよ。」と影でなく川っぷちに生えている草を食べるように指示をし、ご丁寧に塩まで渡してくるのです。お母さんの圧倒的存在感はとても愉快で、思わず声に出して笑ってしまいますよ。
一方、黒ネコのプーと大の仲良しの白ネコジャムは夜な夜な原っぱでたくさんの語り合いをしています。2匹は人間の知らないところでとてもたくさんのお手伝いをしてくれているようですよ。人間の目から見ると、いたずらばかりしているように見える猫たちですが、実はモモちゃんよりもずっと大人なんです。
プーとジャムの恋愛模様は読みごたえのある素敵なシーンとなっています。
愉快で幸せになる物語の多い本作では、モモちゃんの妹となる赤ちゃんが誕生します。「モモちゃんとアカネちゃんの本」シリーズに欠かせないシーンです。ワーキングマザーであるモモちゃんのお母さんの苦労が如実に現れており、現実的で読み応えのある物語です。
小学生になったモモちゃんを描く『モモちゃんとアカネちゃん』
「モモちゃんとアカネちゃんの本」シリーズ3巻目。この本でモモちゃんはこの物語で小学校に入学します。そして、『モモちゃんとプー』で産まれたアカネちゃんも赤ちゃん時代のモモちゃんのように大活躍を始めます。
元気にすくすくと育つ子どもたちの一方で、アカネちゃんが産まれてからおかあさんの具合が良くないようです。お父さんの姿も見えません。ある日おかあさんのところに死神がやってきて……。
- 著者
- 松谷 みよ子
- 出版日
- 1974-06-28
小学1年生となりすっかりお姉さんらしくなったモモちゃんと、入れ替わるように色々な経験を積み始めたアカネちゃん。
アカネちゃんの1番のお友達は靴下の双子の兄弟タッタちゃんとタアタちゃんです。2人の声は1年生となったモモちゃんには聞こえません。赤ちゃんであるアカネちゃんとのみ会話が出来るのです。赤ちゃん時代、大人が首をかしげてしまうようなものに固執したことありませんか?もしかしたら、あなたにも物のお友達がいたのかもしれませんよ。
そして、前作でとても元気だったお母さんの様子が今作ではおかしいようです。お父さんも出てきません。死神に取りつかれてしまったお母さんは「森のおばあさん」に相談に行きます。
「あるく木とそだつ木が、ちいさなうえ鉢の中で、根っこがからまりあって、どっちもかれそうになるところへきているんだよ。」(『モモちゃんとアカネちゃん』より引用)
おばあさんのこの助言にドキッとする方もいらっしゃるでしょう。感情だけでなく、根柢にあるものを冷静に見据えて説明をする森のおばあさんとのシーンは子どもには少し難しい内容かもしれませんが、とても深いものとなっています。
おばあさんの助言により、お母さんはお父さんと離婚。お母さん、モモちゃん、アカネちゃんの3人は森の向こうへお引越しをすることとなります。引越し先では森の優しいクマさんがモモちゃんを助けてくれますよ。