全てが謎に包まれたミステリー作家、北川歩実。作品も幾多の謎で包まれており、本気で読んだ者にしか答えを与えない重厚なミステリー・サスペンスが繰り広げられます。新感覚ミステリーと評された北川の作品の中から、選りすぐりの5冊を紹介しましょう。

この作品の評価すべき点は、ここまでSFのような設定を繰り広げ、あらゆる回収できないような伏線をちりばめながら、全てをラストで解決することです。まさかそんな終幕があるとは……と息をのみ、読後はしばらく動けなくなるかもしれません。
- 著者
- 北川 歩実
- 出版日
- 1998-06-30
「私が一体誰なのか」というアイデンティティそのものが崩壊した疑問は、作品の複雑さとともに読者に不安定な感情を引き起こします。前作同様のミルフィーユのように重なるエピソードが用意され、読者はついていくのが精いっぱいというような上級者向けの一冊です。
- 著者
- 北川 歩実
- 出版日
カギを握る存在は頭脳が明晰で精神面だけ幼稚な子供という所が面白く、謎を解く過程での大人たちとのコミュニケーションが見どころです。設定も魅力的で、教育センターにおける子供たちへの扱いに対する問題や、天才の定義など考えさせられるポイントは多々あります。
- 著者
- 北川 歩実
- 出版日
心理戦に焦点をあてた「幻の男」、健忘症をテーマにした「告白シミュレーション」、ミステリー構築の定番を楽しませる「風の誘い」。どれも意図的に使うテクニックを変えながらも、読者が期待する北川歩実らしいラストのめまいは共通で残してくれています。後を引く嫌なモヤモヤ感が垂れこめているので、感受性の強い方だとトラウマになるかも……。
- 著者
- 北川 歩実
- 出版日
- 2009-11-27
おすすめは「婚約者」。女性を誇張した女性が登場し、人間の不条理な感情の動きをち密に描いています。また、北川歩実のミステリーはどんでん返しがなくちゃ、という方は「替玉」を読むと北川ワールドに引き込まれることでしょう。
- 著者
- 北川 歩実
- 出版日
いかがでしたでしょうか。
北川歩実の作品は、「私自身が謎だけれどね」と微笑みながら北川から届けられる挑戦状のような作品ばかりです。ミステリーが好きな方であればあるほど、その謎の奥深さに首をひねりながらも読まずにはいられない魅力があります。
新感覚ミステリーと呼ばれ、書評家からは賛否両論の作品を残した北川歩実。読書の上級者は複雑怪奇な読むパズルに、挑戦してみてください。