認知症の母とねじめ正一の切ない思い出
ねじめ正一本人が、母親の介護をした体験を事細かに記していった作品です。母親の妄想につきあう作者や、自分のことを忘れられた様子を描いています。正一のことを名前で呼ばなくなり、好きな食べ物を食べなくなる、そんな様子が描かれていく切ない物語です。
- 著者
- ねじめ 正一
- 出版日
- 2014-11-07
一生懸命介護をして、母親のために尽くしている作者とは裏腹に、母親の症状は日々変化していきます。
介護を経験、または身近に認知症の方がいらっしゃる人は、同じ気持ちをしたことがある、と感じる場面があるはずです。
重い題材ですが、ねじめ正一独特のユーモアによって、会話や行動が非常に楽しく描かれています。それゆえ読みやすいのですが、それでも作者の母親に対する思い、症状が進むにつれ切なさが増す家族の気持ちが痛いほど伝わってくる作品です。
一番心に残る出来事は、母親が息子のことを認識していたにもかかわらず、最後の方ではもう息子すら分からなくなってしまうことです。どんなことを言われても、息子と認識している方がましだという部分がとても切ないと感じます。
もしかしたら、自分も同じ経験をするかもしれない、その前にできることがあるはずです。そんな気持ちをもって読んでほしい作品となっています。
詩や歌の授業を受けよう
何人もの作者や作品から例に出しながら、言葉の面白さや楽しみ方を指南する作品です。詩人、詩、絵本作家、歌など幅広く「言葉」について紹介しています。
お気に入りのフレーズが見つかること間違いなしの1作です。
- 著者
- ねじめ 正一
- 出版日
- 2009-10-21
まず目を引くのは目次です。題名の「塾」に添い、目次も「○時間目」という表し方をしています。まさに、ねじめ正一の塾に通う生徒になった気分です。自分の好きな、興味の湧いた授業からとってみましょう。
この作品の中には、多くの有名な作家が現れます。まど・みちお、甲本ヒロト、町田康……現代の作家ならではの作家のチョイスに、正一への親近感が浮かぶことでしょう。
私のおすすめの時間は、「声で遊ぶ朗読」です。朗読は、読む人の声や技術などを感じ取れるため、好きな人もたくさんいると予想されます。しかし、結局詩や文の面白さは、言葉によって表現されているのです。
また、声で「遊ぶ」という表現をされている部分も非常に粋な題名のつけ方なのではないでしょうか。
詩、というのは文学よりも芸術寄りで、詩を理解できないという方もいらっしゃるでしょう。しかし、この本を読むと、言葉自体に面白さを感じるはずです。
つまり、この作品は、ねじめ正一が思う「言葉が持つ力」が存分に表されているのではないでしょうか。
詩に長けた正一ならではの、詩を中心とした言葉遊びから、言葉って面白い、と感じるはずです。
こんなお兄ちゃん欲しかった!
ねじめ正一が原作を手掛けるこの作品は、お兄ちゃんが病気の妹のために奮闘する作品です。おにいちゃんにわがままを言う妹に、献身的に面倒を見るお兄ちゃん、誰もが心温まる作品となっています。
- 著者
- ねじめ 正一
- 出版日
「アイスが食べたい」と言う妹に、買ってきてあげるお兄ちゃんの関係性がとてもかわいく描かれています。
風邪をひいているからと言って、超わがままな妹はお兄ちゃんに勝手なことばっかり言うのです。しかし、お兄ちゃんはそんな妹が可愛くて仕方がなく、ついつい、甘やかしてしまいます。
バニラアイスが食べたいという妹のために買ってきたのに、妹は今度はいちごアイスが良かったとわがままを言います。いちごアイスを買ってくると、今度はプリンがいい、と言ってくるのです。それでも妹のためを思うお兄ちゃんが描かれています。
もちろん子どもにとっても、お兄ちゃんの優しさを感じることができる作品ですが、大人が読んでも面白い作品です。お子様がいる方は、ぜひお子様におすすめしてみて下さい。そして、一緒に読んでみて欲しいです。
これを読めば、こんなお兄ちゃんが欲しかった!と思うこと間違いなしの作品となっています。