読書によって、新しい世界観やこれまでとは違う考え方を知ることができるのは、とても素敵なことですね。ここでは、大学生の方々にぜひおすすめしたい文庫化された面白い小説を、ジャンル問わずご紹介していきましょう。

オーディションのただならぬ緊張感に引き込まれ、臨場感たっぷりの演技シーンには、まるで本当にその演技を、目の当たりにしているような感覚を味わいます。演じることの奥深さや厳しさが、これでもかと描かれ、目が離せなくなってしまうでしょう。
- 著者
- 恩田 陸
- 出版日
- 2011-06-23
作品全体には切なさが漂っていますが、美しく感動的なだけの物語が綴られているわけではありません。そこには、人間が心に秘める、どろどろとした醜さやズルさなども描かれ、生きた人間のリアルな姿があります。ですが、重いテーマを扱っているにもかかわらず、決して物語は暗くならず、静かな温かささえ感じられる不思議な魅力のある作品です。
- 著者
- 本多 孝好
- 出版日
- 2005-09-16
なんといってもこの作品は、レトロ感漂う独特の文体が魅力です。一見堅苦しいように見える文面ですが、笑ってしまうようなユーモアが満載で、リズミカルな語り口にとても心地良く浸ることができます。その世界観に1度ハマりこめば、なかなか抜け出せなくなる、なんとも癖になる作品です。
- 著者
- 森見 登美彦
- 出版日
- 2008-12-25
ワタナベと直子の関係を描くのと並行して、物語ではもう1人のヒロイン、緑とワタナベの関係についても綴られていきます。ワタナベの周囲には常に人の死の影が漂い、生と死の境界線がどこか曖昧な不思議な世界観に、言葉では言い表せない、心の深いところにある何かを刺激される作品です。
- 著者
- 村上 春樹
- 出版日
- 2004-09-15
3部構成になっている本作は、万葉、毛毬、瞳子と順に主人公を変え、赤朽葉家の盛衰を描くとともに、戦後の間もない頃から現在に至るまでの日本の史実が豊富に盛り込まれています。時代の移り変わりに沿って、まったくタイプの異なる3つの物語が展開されていき、濃密な読書時間を体験できる1冊です。
- 著者
- 桜庭 一樹
- 出版日
- 2010-09-18
一方作品内には、SF感漂う3つの独創的な短編小説が挟み込まれています。内容はどれも、愛する女性を失う物語。読者は、治と柿緒の愛の物語と、この不思議な世界観が広がる3つの小説を、交互に読んでいくことになります。
- 著者
- 舞城 王太郎
- 出版日
- 2008-06-13
シリーズ通して、実に108人もの英雄たちが登場し、どの人物も非常に魅力的に描かれています。壮絶な戦いの中、多くの英雄たちが戦死することになりますが、それぞれの人物にしっかりとスポットが当てられ、読み応えのある様々なエピソードに、どんどん引き込まれてしまうでしょう。
- 著者
- 北方 謙三
- 出版日
- 2006-10-18
時代の流れとともに、主人公は高杉晋作へと移り、幕末を生きた激動の人生が綴られていくのです。作品を通して、時代がめまぐるしく流れていくのを感じ、わくわくしながら一気に読めてしまうでしょう。
- 著者
- 司馬 遼太郎
- 出版日
- 2003-03-10
官能的な描写が次から次へと綴られていきますが、作品は優しさと透明感であふれています。起きた出来事を静かに淡々と語っていき、目の前にいる女性たちの様々な欲望に、真摯に向き合っていく主人公の姿がとても印象的です。
- 著者
- 石田 衣良
- 出版日
- 2004-05-20
この戦いは、単に赤松運送とホープ自動車だけの対立に止まらず、巨大なホープグループ内の力関係や、ホープ自動車内の複雑な勢力図についても濃密に描かれています。警察やマスコミの内情などにも触れ、その抜群のリアリティーに、のめり込んで読み進めることができるでしょう。
- 著者
- 池井戸 潤
- 出版日
- 2009-09-15
島には、様々な人が様々な思いを抱えて登場します。昔から島に住む住人たちの、温かい人付き合いや醜い確執、新たに島を訪れる人々との交流などが、高校生たちの視点から丁寧に綴られている作品です。医療や自治体についてなど、小さい島ならではの問題についても触れられ、そんな島の様子を見ながら、真っ直ぐに成長していく4人の姿は、とても眩しく魅力的です。
- 著者
- 辻村 深月 五十嵐 大介
- 出版日
- 2013-06-05
1人の大学生の日常を描いているだけなのですが、世之介ののんびりとした独特の雰囲気が微笑ましく、無性に心惹かれてしまうことでしょう。物語の途中には、世之介が出会った人々の数十年後の様子が挟み込まれ、それぞれに世之介と過ごした日々を回想していきます。
- 著者
- 吉田 修一
- 出版日
- 2012-11-09
これまで経験したことない華やかな世界に、どんどんはまり込んでいく主人公の様子には、共感できる女性も多くいるのではないでしょうか。それでも、何人もの愛人を抱える男に尽くし続ける彼女が、次第に狂気の色を見せ始めたあたりから、なんとも言えない恐怖に背筋が寒くなる思いを感じるようになります。
- 著者
- 山本 文緒
- 出版日
描かれる世界観には、このような事件が実際に起こったのでは、と錯覚してしまうほどの圧倒的なリアリティーがあり、最後まで展開の読めないスリリングな様相にハラハラしてしまいます。技術を駆使した監視社会や、報道の影響力の大きさには、薄ら寒くなるような怖さを感じ、得体の知れない巨大な陰謀から必死に逃げ続ける主人公を応援せずにはいられません。
- 著者
- 伊坂 幸太郎
- 出版日
- 2010-11-26
村の風習や、林業という仕事の特殊性には本当に驚かされ、同時にどこまでも広がる雄大な自然に心を奪われてしまいます。はじめは文句ばかりだった主人公が、個性的な村の人々や美しい自然に囲まれ、徐々に変わっていく姿に微笑ましさを感じることでしょう。都会っ子の主人公を村の人たちが受け入れていく様子は、読んでいて嬉しい気持ちになってしまいます。
- 著者
- 三浦 しをん
- 出版日
- 2012-09-07
大学生の方におすすめの、文庫化された小説をご紹介させていただきました。どれも読み出したら止まらない、とっても面白い作品です。気になる小説があったら、ぜひ読んでみてくださいね。