本当に「ほしいもの」「大切なもの」は何だろう?
お子さんに「一番大事な物って何?」と聞いてみたら何と答えるでしょう。ゲーム、おもちゃ、ぬいぐるみ……。一番といわれて悩む子もいるかもしれません。
『なんでももってる(?)男の子』はそんな疑問に一石を投じる作品です。初版は2010年と比較的新しい本。登場人物は「なんでも持ってる」大金持ちの一人息子とその遊び相手に選ばれた普通の男の子。金持ちの息子の退屈しのぎに普通の男の子が遊び相手に選ばれますが……。
- 著者
- イアン・ホワイブラウ
- 出版日
- 2010-04-16
タイトル『なんでももってる(?)男の子』の「(?)」が気になりますよね。確かに金持ちの男の子は両親がなんでも買ってくれます。おもちゃだけではなく、自分だけのサファリパークまであるのです。ですが、どれだけ物に囲まれていても男の子の物欲は満たされません。実は、本当に満たされていないのは「心」だったのです。「(?)」の持つ意味は重いですよね。
両親は仕事や自分の用事で忙しく、息子の誕生日がきても3分の電話しかしなく、男の子の世話は執事に任せきりなのです。金持ちの男の子は寂しい気持ちを紛らわせようと普通の男の子を呼び(連れ去り?)自分の持っているものを見せびらかし羨ましがらせようと企みます。
しかし、羨ましがられようと思っていた相手は、自分にないものを持っていると知り、金持ちの男の子は逆に羨ましくなってしまいます。しかもそれはいくらお金を積まれても譲れないもの。世界にはそんなものがあるという事に気が付きますが……それは一体なんでしょう?
この作品は大人が読むと少々身につまされるものがあります。ぜひ保護者の方も読んでいただきたい一冊です。
ほねほねザウルスが食玩の世界から飛び出してきた!
お菓子メーカーのカバヤが食玩(おまけのついたお菓子や飲み物)として発売している「ほねほねザウルス」が楽しい物語になりました!ここでご紹介する『ほねほねザウルス (1) ティラノ・ベビーのぼうけん 』はその第一作として2008年に初版発行され、その後シリーズ化されている作品です。
お菓子と物語のコラボという、ありそうでなかった楽しい作品としておすすめです!
- 著者
- ぐるーぷ アンモナイツ
- 出版日
- 2008-04-24
低学年の男子は冒険が大好きですよね。まして、大人気食玩の「ほねほねザウルス」が冒険する物語なのですから、子どもの興味をひくことは間違いありません。中を開くと、漫画風のイラスト、そして文章がバランスよくレイアウトされていますから、ちょっぴり本が苦手な子でも読みやすい作品です。
ティラノ・ベビーがきらきら光る不思議な赤い石を拾い、その謎を解くために友達のトップスとゴンちゃんと冒険の旅に出ます。
食玩でおなじみのほねほねザウルスのキャラクターがたくさん登場しますし、もともとのほねほねザウルスの特徴もよく表現されています。たとえば「暗くなると光る」「オリジナルのモデルが作れる」など……。ですから、子どもたちも読んでいてぐいぐいと物語の世界に入り込んでいきますよ。
ストーリーとしては冒険物の超定番ですが、ここに描かれてる「友情・正義・努力」は子どもたちとってはシンプルではありますが、だからこそ忘れてはならないことですよね。お話を楽しみながら、お子さんの心も成長していくことでしょう!
知らない世界を手さぐりで進むまるで夢の中のよう……。
「ガラス」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?綺麗、冷たい、もろい……。タイトルにもなっている、このお話に登場する「ガラスのうま」は主人公・すぐり君の憧れの存在。すぐり君がこのガラスのうまを手にした時から、不思議な冒険の旅が始まります。
初版は2001年。林明子の挿絵がとてもお話にマッチしています。林は作者の征矢清の他の作品にも挿絵を描いていますよ。
- 著者
- 征矢 清
- 出版日
『ガラスのうま』を手に取ると、他の本とちょっと違うところに気が付くでしょう。「そで」と呼ばれる表紙カバーの折り返しには、普通はその本の内容や作者の紹介が書かれていますが、『ガラスのうま』にはそれがありません。折り返しは空白なのです。
折り返しの文を読む事でその作品のイメージを掴む方も多いでしょう。しかし、ここが空白ですから、読者も予備知識ゼロの状態でドキドキしながら本を読むことになります。それはまるで不思議な世界に紛れ込んだすぐり君の心のようです。
そして、この作品は読み進めていくと、まるですぐり君の夢の中にいるような気持ちになります。まさしくファンタジー作品なのです。ファンタジーと言っても、ドキドキする心の葛藤ありハラハラするアクションもありで、低学年の男の子にも楽しめる要素も充分詰まっています。
少し長めのお話ですが、だからこそ読み終わった後に達成感を覚えるでしょう。お子さんがこの作品を読破したら、ぜひ褒めてあげてくださいね。その大人の姿は、ラストのお母さんのシーンとシンクロするかもしれませんよ。