デビュー以降、ハードボイルド小説の旗手として、数々の作品を手掛けてきた矢作俊彦。その活躍は小説家としてだけに留まらず、映画や漫画の業界にまで広がっています。そんな矢作俊彦の名作を活動初期の作品から近作まで幅広くご紹介します。

スペインに渡るまでに詩と出会いのめり込んでゆくまでの中で、大勢の文豪達が垣間見えます。そのあたりから、すでにこの作品は歴史小説なのだと主張しています。日本という国が明治維新以後、どんなバランスで世界と渡り合っていたのか、その答えを感じる作品です。
- 著者
- 矢作 俊彦
- 出版日
- 2008-12-04
主人公は真面目な刑事であったからこそ、ビリーという酒場で出会った友人を手助けします。後にそれが捜査から外される一因となり、とある事件に巻き込まれるのです。次々と描かれる場面と、次々と登場してくる人物達に翻弄されるがまま、物語を読み進めることになるでしょう。あえて関係がなかったかのように思われたそれらが一つに収束するラストに、ほろ苦い韻を感じるに違いありません。アメリカとの関係も、絶妙に描き出されています。
- 著者
- 矢作 俊彦
- 出版日
学生運動と聞くと遠い過去のように感じるかもしれません。それだけの時間を逃亡した先の中国で過ごした主人公が故郷である日本へ戻ってきて、目の当たりにする30年後の日本はどれほど他人行儀に感じるでしょうか。
- 著者
- 矢作 俊彦
- 出版日
物語の始まりは、首都高速から海へ落ちたという松本の事故死に疑いが起き上がってきたことからでした。彼の49日に仲間が行うとしたパーティに向けて、少しずつ互いの思いや過去、それらがどのように影響してきたかが、丁寧に綴られていきます。
- 著者
- 矢作 俊彦
- 出版日
東西で分けられたというと、ドイツのベルリンの壁を連想できますが、まさに同じように、この小説の舞台は、共産主義になった東日本と資本主義になった西日本として壁が隔てている世界です。大阪が首都になるという世界が新鮮に感じることでしょう。日本のシンボルである富士山も重要な場所として登場します。
- 著者
- 矢作 俊彦
- 出版日
- 2009-11-25
ハードボイルドとした淡々と語られる文章の中で、見え隠れする人の感情や大きな謎、歴史事変が描かれた作品が多い矢作俊彦。オマージュされた作品も多いのでとっつきやすい部分もあります。是非、一度作品を手に取ってみてください。