地図なのに辞書、辞書なのに地図
『改訂新版 辞書びきえほん日本地図』は、地図を経度ではなく、土地名で都道府県を調べることが出来る画期的な本。
地図の読み方を知らないお子さんでも、ニュースや新聞やお友達の旅行の話などで聞いた県名を知っていれば、あいうえお順からその土地を調べることができます。
- 著者
- 出版日
- 2016-02-15
この辞書の前半分はシンプルでわかりやすいイラストの都道府県紹介。県庁所在地、人口、県のマーク、などの基本情報から特産名産、遺跡、お祭り、郷土料理などが描かれています。
ここまででしたら、あいうえお順で調べるようにしてある、というだけなのですが、この本のすごいところは、本の後半がリアルな写真と詳しい説明の辞書になっているところ。
例えば、最初のページ「青森県」の地図の中で気になった「恐山」を引くと、周りは硫黄の匂いが立ち込め、植物が育たない不思議な場所と写真で説明。その下には関連ワードが。その中から「高野山」を選んで辞書で引くと、世界遺産→127ページとの印。そこで、「世界遺産」ページを見ると、その上に「国宝」のイラスト。奈良の大仏、ああ知ってる知ってる、奈良だよね!と地図ページの奈良へ。奈良の地図ど真ん中にどーんと描いてある三輪素麺。辞書引くと、長ーい素麺が竿に干されている写真。こうして作るんだあ……と次々知識欲が刺激される仕組み!
地図からでも辞書からでも、どちらから引いても楽しめて、と興味と知識がどこまでも広がっていく地図、とても画期的です。
巻末に、川の長さ比べ、山の高さ比べ、島の大きさ比べ、などのわかりやすいイラスト比較。
家族で楽しめる一冊としても、地図に興味を持ってほしい時にさりげなくリビングに置いて置きたい一冊としても、進級進学のお祝いとしても最適です。
旅するマップ
『マップス: 新・世界図絵』はポーランドの絵本作家夫妻が3年をかけて調べ上げて描いたという各国の詳細なイラストがつまった世界地図。
航海時代の海図のような味のあるイラストにまず目を奪われます。世界地図の周りを取り囲む大ダコ、海賊船、羅針盤。紙質も古びた色合いで、あたかも秘密の地図のよう。冒険旅行に出かけるかのようで最初からテンションが上がります。
- 著者
- アレクサンドラ ミジェリンスカ ダニエル ミジェリンスキ
- 出版日
- 2014-09-10
それぞれのページの右下には国の首都、言語、人口、面積、国旗の情報。そして民族衣装も描かれ、その国の言葉で描いた国名が異国情緒たっぷり。
丸みを帯びた可愛いイラストで各国の歴史、有名人、遺跡、食べ物、動物、文化、とジャンルに囚われずにその国を表すものが描かれていて見ていてちっとも退屈しません。なぜか有名人の似顔絵のみが強面なのが、よい意味でインパクト大。
食べ物紹介イラストでは、食べ方まで丁寧に解説。スウェーデン:好きなものを取り分けて食べる「スモーガスボード」。スイス:硬い部分を削ぎ落として温めてたべる硬いチーズ「ラクレット」。メキシコ:小麦粉の皮に豆、肉、米を包んで食べる「ブリトー」。
また、その土地ではあたりまえの日常生活の豆知識も。フィンランド人はコーヒーをよく飲む。オランダ人は自転車が好き。フランスは美味しいチーズがたくさん。インドは豆の種類が多い。ネクタイはクロアチアの兵士がスカーフを首に巻いたのがはじまり。ニュージランド先住民マリオの挨拶は鼻と鼻をくっつける……。
地図というより旅行ガイドを見ているような気分になれます。
さて、ここで気になるのは我が国日本がどう描かれているか。へーそんな風に見られているんだ、と最高に面白いページです。是非お子さんと一緒に世界の国々とそして自分の国のなるほど、をたくさん発見してくださいね。
世界は宇宙の中にある
『こどもがはじめてであう せかいちず絵本』は宇宙的観点から世界を感じられる絵本です。
世界地図、というタイトルから地図をイメージして表紙をめくるとそこには星空。
「ほしのかずさえ かぞえきれない、ふしぎなせかい。
おとなだって、しらない。うちゅうじんだって、いるかもしれない、
そのなかの たったひとつのほしが、わたしたちのすんでいる ちきゅうです。」(『こどもがはじめてであう せかいちず絵本』より)
- 著者
- とだ こうしろう
- 出版日
そして、次のページには宇宙に浮かぶ地球。
3ページ目にやっと世界地図。まあるい地球をひろげて平らな紙に書くと、こうなるので、右の端と左の端はおとなり同士、と説明。なるほど。
それから大陸ごとにカラフルなイラストで世界の国々と名産特産歴史を紹介。
アジア:みんなのすきなカレーライスはもとはインドの食べ物。ヨーロッパ:伝統や文化など古いものを大切にしている。ロシア:1991年にソビエトがなくなり15の国に分かれた。シベリア鉄道は世界一の長さ。アフリカ:人々は音楽が大好き。草原にたくさんの動物がいる。人間の国は52もある……とやさしい言葉で特徴を説明してくれています。
また、南アメリカ:今息を吸っているのはジャングルの木々のおかげ。自然を破壊するのも人間、守るのも人間。オセアニア:美しいサンゴ礁。いつまでもこの姿であってほしいですね。と環境問題についてもしっかりコメント。
世界の山の高さ比べ、川の長さ比べ、時差、世界の動物など、比べるのが好きな子供たちにぴったりのページが続きます。
そして最後。宇宙の星々の中に浮かぶ遠景からの地球。
「いきものが いきているのは もしかしたら ちきゅう だけかもしれない。」
「きのとおくなるような ながいねんげつからみると、きみや ぼくの じんせいは ほんの いっしゅんに すぎない。
だいじに いきよう。」(『こどもがはじめてであう せかいちず絵本』より)
世界地図というと広すぎて自分と関係ないように感じがちだけど、こうして宇宙から見てみると……地図を超えた感動がもらえる絵本、視野が広がる地図です。