宇宙からのたべもの?
『ぜったいたべないからね』は、お母さんに妹のお世話を頼まれたお兄ちゃんの奮闘記です。
また小さくて手のかかる妹。パパとママはちゃんとめんどうをみておいてね、とおでかけ。そんな簡単に言わないでほしい。妹は好き嫌いが激しいのに!
人参は兎の餌でしょ。豆なんて気持ち悪い色してる。なんて言って絶対に食べない。
- 著者
- ローレン チャイルド
- 出版日
食事の時間になると、妹は案の定文句を言い始めた。まめは嫌。じゃがいも、きのこ、キャベツも嫌。トマトにいたっては絶対に食べない!と宣言。
大ピンチのお兄ちゃんですが、ちゃんと作戦を考えていました。それはよかった、今日のメニューに嫌いなものはひとつもないよ、と言います。
ところが、テーブルにはにんじんと緑豆。いぶかしがる妹を前に説明します。それは、はるばる木星から届いた”えだみかん”と、地球の反対側で空から落ちてきた”あめだまみどり”だよ、と!
そしておまえが食べないならラッキー。めったに食べられないから僕が全部もらうよ、とベテラン保育士さんのような切り返し!妹は惜しくなって、ちょっとかじってみます。なかなかいけるかも?
こんな風にテーブルの上の食べ物全てを特別な貴重な食べ物として妹に興味を持たせます。やまのてっぺんで取れる”くもぐゔゃらん”って何でしょう?人魚も食べている”ころもうみ”とは?子どもならではの発想に脱帽。是非本を読んで答え探しをしてみてください!
最後には妹自ら一番苦手なトマトを食べたい、というまでになります。苦手な食べものをこんな風に特別な意味と名前をつけることで興味をもたせ、試してみようと思わせるこの方法は、好き嫌いの多いお子さんに困っているお母さんにとっては早速試してみたい有り難い技ではないでしょうか?
子どもがペンで描いたものを色鉛筆で色を塗ったような挿絵は、子どもの頭の中に入り込んだよう。お話と相乗効果になって仮想の食べ物が本当にあるんじゃないかな、なんて思えてしまうくらい、なんとも言えないよい味を出しています。
好き嫌いをユーモアで克服できるオススメ絵本、是非読んでみてくださいね。
だじゃれマラソン?
『おやおや、おやさい』は、おやさいたちが、ダジャレでマラソンしているユーモラスな絵本。
色鉛筆画のリアルなお野菜に目玉と手足がくっつけられているだけでも笑いを誘う絵本ですが、マラソン中継そのものがダジャレのオンパレード。
- 著者
- 石津ちひろ
- 出版日
- 2010-06-10
「にんきものの にんにく きんにく むきむき」
「きゅうりは きゅうに とまれない」
「かぼちゃの ぼっちゃん、かわに ぼちゃん」(『おやおや、おやさい』より)
と最初からスピードもダジャレも飛ばしっぱなし。リアルな野菜部分とは反対に手足のとってつけたような描き方がつくも神のように見えてきて、夜中にこんなマラソン大会が本当に行われているかも、と不思議な気持ちに。
さて、一等賞は誰だったのでしょうか?もちろん最高級のダジャレでゴールです!お子さんとわはは、と笑いながら、肩こることなく野菜に親近感を感じることができる名作です!
あるがまま
『いっぱいやさいさん』は、お野菜讃歌ともいうべき、それぞれのお野菜のあるがままを称える絵本です。
表紙からすでにお話が始まっています。半分熟れて真っ赤で半分まだ緑のトマト。今畑から収穫してきたばかり。茎の切り口がまだみずみずしく青いから。隅には本物かと見間違うようなてんとう虫と蟻。
最初のページはきゅうり。きゅうりにたくさんのブツブツ。新鮮なことがわかります。半分にした切り口にはきゅうりの液が小さな粒になって滲み出てジューシーそのもの。傍らには今にも飛び出しそうなキリギリス。羽の透け具体や足のたくさんの棘も図鑑かと思うくらい細かく描かれています。
- 著者
- ["斉藤 恭久", "まど みちお"]
- 出版日
- 1992-06-01
そして、まどみちお氏の詞がページをめくるごとにやさしく語りかけてきます。
「きゅうりさんは、
きゅうりさんなのが
うれしいのね。
すずしそうな みどりの ふくに、
きらきら ビーズを
いっぱい つけて。」(『おやおや、おやさい』より)
「たまねぎさんは、
たまねぎさんなのが
うれしいのね。
ありったけの ふくを、
みーんな きちゃって。
まあるまる
ふとっちゃって。」(『おやおや、おやさい』より)
薄皮が半分めくれている玉ねぎの横で薄皮そっくりの羽を広げているクルマバッタ。尻尾をだしているラディッシュとラディッシュ色のアカガネサルハムシ。ハーモニカのようなコーン。きれいなピンクの足元からふさふさ葉をしげらせるホウレンソウ……。
と、まだまだ野菜讃歌は続きます。
繰り返しのリズムが、読み聞かせる方も聞く方にも気持ちがよく、また野菜を称える言葉が優しく心に響いてくる一冊。
「やさいさんたち、みーんな うれしいのね。
だいすきな やさいさんに してもらっちゃって。
かみさま、ありがとう!っていってるのね。」(『おやおや、おやさい』より)
野菜の魅力を最大限に褒め称え、感謝で終わる詞。野菜さんの命ありがとう。ごちそうさま。そんな気持ちになれるオススメ絵本です。