ぼくと仲良しの『すみっこのおばけ』
『すみっこのおばけ』は、ぼくの机の下にいるおばけ。目がまん丸で白くてふわふわ。チカチカ光ったり消えることもできて、ぼくが勉強をしていると寂しがり屋だから足をくすぐってきます。
自分の机の下にこんなおばけが住んでいたらいいなぁという気持ちになるストーリー。学校で嫌な事があった時もその話を聞いてくれて、味方もしてくれます。そしておばけのじゅもんで願いを叶えることも。
ぼくの目だけに見える『すみっこのおばけ』は、クラスでなかなかやんちゃな子がいても仕返しができない少し気弱な彼をいつも肯定してくれます。
- 著者
- 武田 美穂
- 出版日
おばけと言えば多くの子どもが怖がる存在ですが、この物語に登場する男の子は、おばけととても仲良し。おまけにこのおばけは、お下がりの女の子用の自転車もかっこいい男の子用にポンと変えてくれたりします。でもこれは主人公の男の子だけにわかる魔法で……。
ある日、男の子はクラスで大好きな女の子に『すみっこのおばけ』のことを話しますが、信じてもらえず、家に帰って大泣きしてしまいます。
この絵本に登場するおばけは、ぼくの心の支えになっているように感じます。本当にぼくの机の下にいるのか、心の中に存在するのかはわかりません。気弱なお子様にも「そのままで大丈夫。」という気持ちを込めて渡したくなるような内容です。きっと自分とよく似た男の子に親近感を感じてくれるのではないでしょうか。
母子のきずなを描く『おかあさん、げんきですか。』
タイトルとは裏腹に親子バトルのような表紙の絵が気になる『おかあさん、げんきですか。』は、後藤竜二作の物語に武田美穂が挿絵を描いた作品です。
小学校で母の日におかあさんへ宛てた手紙を書くことになったけれど、自分の気持ちをしたためるのは少し恥ずかしい男の子。手紙の内容は普段からお母さんについて気になることを書き始めます。
お母さんが登場するページでは、原稿用紙に男の子が落書きしたお母さんがそのまま動き回ってます。ちょっと釣り目で口をきゅっと結んでどこか怖そうなお母さんですが……。
- 著者
- 後藤 竜二
- 出版日
主人公の男の子は小学4年生の男の子。お母さんにいつも「わかった?」と聞かれることをうるさく思っています。彼の気持ちもわかるなぁと思いながら読んでいくと、部屋を掃除された場面へと移り変わっていきます。
豚小屋のようと言われ部屋をお母さんに掃除されますが、お母さんはいくつもの思い出の品も全部捨ててしまうのです。この事に男の子が怒っているかというと全く怒っていないわけではないけれど、それぞれの品について思い出を語り始め、「また、たまってきたからさみしくないよ」と書いています。
そして、この家にお父さんがいないことも男の子の言葉で書かれています。それでもいくつもの習いごとに通わせてくれて、会社にハイヒールでさっそうとでかけるお母さん。時には学校での彼の様子が心配で早退してしまうこともありますが、とても息子を思う母親だということが物語を通して感じられます。
そして男の子も「夕やけ、きれいね」と言ったお母さんの足元で拾ったドングリ。かわりばんこでアイスを食べたことなどお母さんとの思い出がいっぱい。
お子様にはもちろん、思春期にさしかかるお子様をお持ちの方にも読んでいただきたい絵本です。
おばあちゃんのお家はミステリアス!『ふしぎのおうちはドキドキなのだ』
ちょっと気弱なマサヒコは、お母さんが作ったおいなりさんをおばあちゃんちに届けることになりました。でも、彼はおばあちゃんちに行くのが苦手です。その理由は……。
この物語はコマ割りで構成され、ところどころに吹き出しもあり、漫画のように描かれている絵本です。
さて、マサヒコはどうしておばあちゃんちに行くのが苦手なのかというと、自動的に鍵が開くドア、4匹の犬。そして廊下にも蝶の標本などが飾られていてとても怖いのです。
- 著者
- 武田 美穂
- 出版日
そして一番マサヒコが怖いのはおばあちゃんなのです。いつも黒い服を着ていて、いろんな事を知っていて魔法使いのよう。身内でも年が離れていて、一緒に暮らしていないとどんな人なのか色々なことを想像してしまいませんか。そして緊張して会話にも困りますよね。
マサヒコはおばあちゃんとお茶を飲むのが苦手でいつもおばあちゃんの顔を見ず、部屋に飾られている絵を見ていましたが、おばあちゃんはその絵を彼が気に入っているからとお土産に持たせてくれます。ちょうどその時、おばあちゃん宛てに電話がかかってきて、絵のお礼を言えずに帰るマサヒコ。
家に帰ってから、どうして自分が絵を見ているのかを見抜けなかったからおばあちゃんは魔法使いではない、今度はきちんとお礼を言い、顔を見て話をしてみようとマサヒコは思います。
その夜、マサヒコが寝るとおばあちゃんからもらった絵が……。
『ふしぎのおうちはドキドキなのだ』 は、最後まで気が抜けないワクワクする展開が楽しめる絵本です。読後には、物語の続きを想像したり親子で話してみるのもおすすめの作品です。