『すいか』『野ブタ。をプロデュース』『Q10』など人気ドラマのシナリオを多数手がけたことで知られる脚本家夫婦、木皿泉。お互いに助け合いながら創作に取り組む2人の魅力がたっぷり詰まった5作品をご紹介します。

「パンの焼ける匂いは、これ以上ないほどの幸せの匂いだった。店員が包むパンの皮がパリンパリンと音をたてたのを聞いてテツコとギフは思わず微笑んだ。たった二斤のパンは、生きた猫を抱いた時のように温かく、二人はかわりばんこにパンを抱いて帰った。」(『昨日のカレー、明日のパン』より引用)
- 著者
- 木皿 泉
- 出版日
- 2016-01-07
主人公は信用金庫に勤めるOL、早川基子。34歳の彼女は結婚しておらず、親離れも出来ずに平凡な日々を暮らしていました。しかしそんなある日、同期の馬場ちゃんが3億円を横領していたことが発覚し、逃走を図ったことから物語がはじまります。
- 著者
- 木皿 泉
- 出版日
- 2013-08-06
本書の前半を占めている、神戸新聞に連載されたエッセイ「木皿食堂」のテーマは「食べる」です。脚本と同様に和泉務が各回のテーマを決め、妻鹿年季子が執筆するスタイルをとっての連載とのことですが、彼らの食に対する価値観がそのまま作品に反映されているように見受けられるため、非常に興味深い内容となっています。
- 著者
- 木皿 泉
- 出版日
- 2013-05-21
本書は2010年に佐藤健・前田敦子主演で放送された人気ドラマ『Q10』のシナリオブックです。
平凡な高校生活を送る冷めた高校3年生の深井平太は、ある日理科準備室で女の子の姿をしたロボットを発見し、起動させてしまいます。Q10(キュート)と名付けられた彼女は人間名「久戸花恋」としてクラスに編入することに。平太を「親」として慕い、人間について学んでいくロボットの彼女。ともに過ごしていくうちに、何事にも冷めていた平太の心にも、ある変化が訪れます。
- 著者
- 木皿 泉
- 出版日
- 2011-01-19
「僕が恋した転校生は、ロボットだった。」のキャッチコピー通り、この作品は恋愛ものです。そのテーマは間違いなく「愛」それも究極愛だと思います。ロボットと人間の恋というSF風味な設定ですが、木皿泉の手にかかればロボットにも人の心が宿り、彼女が発する純粋で切実な思いのこもった台詞は平太の心のみならず、読者の心をも動かします。また彼らを取り巻く人々にも人間味溢れる魅力的なキャラクターが多数登場し、名台詞が多いことで知られる本作ですので、台本形式で書かれた本書を読めばきっとドラマを観たくなるはず。
2人の恋は周囲を巻き込みながら進み、やがてQ10がやってきた理由に迫る、壮大なストーリーが展開されていきます。
かわいらしい2人のやりとり。心温まるストーリー。そして、涙なしでは見られないラスト。彼らが出会ったことは重要な意味を持つことだと、木皿泉は教えてくれます。ぜひ、この究極的な恋の行方を、自分の目で見届けてください。切なく愛おしい1作です。
佐藤健が出演した映画、テレビドラマを大解剖!実写化でキャラが【実物】になる理由
- 著者
- ["白岩 玄", "木皿 泉"]
- 出版日
原作では男子であった野ブタは木皿泉の希望で女子に変更されています。またストーリー展開や登場人物の設定も原作とは大きく異なりますが、木皿泉の手腕により原作の良さを壊すことなく、物語は希望の持てるラストへと向かいます。
この作品は、単なる青春ドラマではありません。軽いノリと疾走感のあるストーリー展開で楽しく観られる作品ではありますが、舞台は教室、題材は「いじめ」です。
登場人物は皆それぞれに悩みや問題を抱えていますが、木皿泉はそれを繊細な表現力で的確に描写することで彼らの発言に深みを持たせています。読者は教室という閉鎖的な空間で織りなされ変化していく人間関係を前に、様々な思いを抱くことでしょう。彼らが交わすたくさんの言葉は、私たちに周囲を大切にすることは自分を大切にすることだと改めて気付かせてくれます。人間関係に悩みを抱えた時に是非、読んで頂きたい作品です。
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いかがでしたでしょうか。夫婦二人三脚で素晴らしい作品を生み出し続ける木皿泉。彼らが懸命に描くドラマは、人生に役立つ大切なことを教えてくれます。ぜひ読んでみてください。