純文学的でありながら娯楽性の高い小説を多数発表する原田宗典。エッセイストとしても絶大な人気を誇る彼ですが、長いスランプに苦しみ活動を休止した過去があります。無事復活を果たした今、今後の活躍が期待される原田宗典のおすすめ作品をご紹介します。

作者の持ち味であるユーモアと疾走感に溢れており、文句なしに面白いので、原田宗典を読むにあたってまず最初に読んでほしい1作です。
- 著者
- 原田 宗典
- 出版日
- 1992-06-04
本作の主人公は湖のほとりに一人きりで咲く「醜い花」です。その花は、おぞましい見た目をしていて毒のある棘を持ち、強烈な匂いを発するせいで誰からも忌み嫌われていました。もちろん花も、自分のことが嫌いでした。
- 著者
- 原田 宗典
- 出版日
- 2008-11-07
「トム・ソーヤー」というからには、冒険ものであるはず。しかしこの作品は、ありふれた冒険譚とは一線を画した仕上がりです。
- 著者
- 原田 宗典
- 出版日
しかし表題作「劇場の神様」は、他3作品とはあきらかに異なる空気をまとった中編小説です。
- 著者
- 原田 宗典
- 出版日
- 2007-07-30
「昔むかし或るところに 言葉の世界がありまして その真ん中に穏やかな ひらがなの国がありました。「あ」から「ん」までの五十音らが くっつき合って意味をなしつつ 読んで字の如く暮らす国でした。ところが或る日の午下がり 同じ平和な毎日が過ぎゆくだけの この国にちょっとした事件 というか椿事が生じました。南部の鄙びた「や」行の町の 何てことない道ばたに どういうわけか「゛」と濁点のみが ぽつねんと置きざりにされていたのです。主たるべきひらがなもなしに 濁点だけで居るなんて そんな読めもしない不手際は ここ千年に一度もなかったことでした 」(『ゆめうつつ草紙』より引用)
- 著者
- 原田 宗典
- 出版日
若かった当時はとんでもない出来事に思えたような数々のエピソードが、時を経て笑いに変わっていく。この作品にはそんなエピソードが盛りだくさんです。
小学生時代の視力検査で負けず嫌いの心がうずき、確実に視力が悪くなっているにもかかわらず「見えないのは負け」と思い込んだ原田少年は、視力の良い友人に頼んでカンニングしたといいます。そのせいで取り返しがつかないほどの近眼になり、メガネを通り越してコンタクトレンズを目に入れると医師に宣告され、メガネを眼球に押し込まれると想像して顔面蒼白になるなど、少年ならではの笑えるお話が盛りだくさんです。
- 著者
- 原田 宗典
- 出版日
昭和の時代を感じさせるエピソードも多いですが、負けず嫌いで自尊心の高い著者の心の内を正直に語りつくした短編は幅広い世代の人の共感を誘うのではないでしょうか。
一見どうでもいいような事柄を研究熱心に真剣に掘り下げていく内容が多く、嫌なことがあった日にこの本を読むと、それまで自分の頭を悩ませていた事柄がどこか遠くへ消え去ってしまうようなスッキリとした気分を味わえることでしょう。
題名には「十七歳」という文字が入っていますが、この作品には東京から岡山に移り住んだ著者の、15歳からの3年間の高校生活が綴られています。
父親の転勤の都合で、岡山県にある進学校を受験し見事合格した原田少年。東京とは喋る言葉も雰囲気も交通の便も何もかもが違う岡山県で地元になじむために奮闘する原田少年の姿が面白可笑しく描かれています。
なんとなくカッチョいいという理由から不良になろうと奮闘する滑稽な姿や、身もだえしながら書いたラブレターで彼女を呼び出しての早朝デートなど、少年から青年になる時期のはじけるような情熱や恥じらいをユーモアたっぷりに描いています。
- 著者
- 原田 宗典
- 出版日
- 1996-06-20
このエッセイは大人の男性が読んで自らの高校時代を振り返ることが多いようですが、女性にも、若者にも楽しめる内容です。時代は違えど思春期の子どもの自意識については大差はないということを、笑いを交えながら知ることができます。
どんなに大きなハプニングがあろうが、それが自分の黒歴史になろうが、それは自分が生きた証。そんな風に人生を前向きにとらえられる、原田宗典の最高の一冊です。
原田宗典のエッセイの中でも特におすすめしたい作品です。著者の幼少期から、貧乏学生として貧乏を楽しんでいた時代まで、ありとあらゆる面白エピソードが著者を取り巻く強烈なキャラクター達と繰り広げられています。
腕っぷしが強そうでハゲた歯科医師「アーノルド波平」や、香港のサウナで遭遇したマッサージ師「香港製土井たか子」など、個性的な人物が登場。軽快ながらも巧妙な文章を読むにつれ、著者と一緒にその時代のその場所にタイムスリップしたような気持ちになれます。
- 著者
- 原田 宗典
- 出版日
どの短編もひとつ残らず全て面白いこの作品には、昭和の時代に生活の一部だった「ピーピーケトル」や「ハエ取り紙」など、その時代を懐かしむアイテムも数多く登場します。下ネタもたくさん登場しますが、下ネタを受けつけない人のために、冒頭で注意を促してくれるところも著者の親切な人柄を感じられます。
時代の流れによって消えていくものもあれば、いつまでも変わらないものがあるということを、笑えるエピソードと一緒に感じさせてくれる作品です。
原田宗典ファンであれば一度は手に取ってほしいこの作品。著者のエッセイを読んだことがない人にもぜひ読んで欲しいのがこの一冊です。
温泉でヤクザのお兄さん達と混浴状態になってしまった時の焦りっぷりや、4歳の子どもとのかみ合っているようでかみ合わない会話など、日常の中に潜む笑いのエッセンスが凝縮されています。
- 著者
- 原田 宗典
- 出版日
著者が生み出した28もの作品の中から、笑いが止まらなくなるものだけを選んで収録したというこの作品。下ネタあり、家族ネタあり、青春ネタあり、なんでもござれのベスト盤です。
ファンであれば一度は目にしたかもしれない短編が入っているかもしれませんが、何度読んでも新鮮な面白さを味わえるのがこの作品の魅力でもあります。
この作品は、原田宗典がうつ病を患ってから執筆されたもので、それまでのものとは一風変わった作風です。随所に笑いの要素が盛り込まれているのは従来通りですが、その内容が本当に著者の体験したことなのか、あるいは想像の世界の産物なのか区別が付きかねる部分があるのです。
例えば、その石を手に取ると偶然が重なるという「偶然石」。手にした人間は岩手の花巻と東京の吉祥寺の間を行き来する運命になるという不思議な石です。その石を手にした原田宗典自身も、石の持つ力を感じて戦慄するという小説のような内容なのです。
他にも、短編「柴犬バッティングセンター」では、どんどん成長する息子に父の威厳を見せつけようと得意のバッティングを披露するべくバッティングセンターへ向かった著者。その目の前に現れたのは、バッティングマシーンの裏でせっせと働いている柴犬で……。
- 著者
- 原田 宗典
- 出版日
- 2006-09-07
この作品には著者の古くからの友人や、行きつけの市営プールで出会った柏手教室の講師など、個性的で不思議な人々が数多く登場します。それだけでなく「酢酸バー」や「男専用ブラジャー」など、好奇心をくすぐるような場所やモノが盛りだくさんです。
独特な視点で世界を眺めたら、こんなにも面白いのかと感心させられる短編ばかりで、憂鬱な日に読めば心のもやが吹き飛ぶような爽快な気分になれることでしょう。
いかがでしたでしょうか。純文学からエンターテイメント、深いメッセージ性を持つ童話まで、幅広いジャンルに跨って数多くの作品を発表している原田宗典。そのどれもが才能に溢れ、大変面白いためサクサクと読み進めることができます。ぜひ手にとってみてください。